3話 罪
男はまた違う場所へ飛ばされ、罪をおかした者を化け物に食わして、違う場所へ飛ばされる。
化け物も罪人を食うしかなく、飛ばされるまま、罪を下す真似事を強要される。
それを批判され、嘲笑され、または憐れまれ。
だが何も感じなくなる程に自分自身の情報は薄れてしまった。それくらいに月日と年月が経っていた。
お互いに呆れながらも、良く気が狂わないなと感心する。人間とは? 化け物とは? どんなものだったのか、お互いに分からなくなりつつある。
それでも良いか、と彼らは無力感に飲まれていた。
首輪をつけられ、引きずり回されているのだから。
「なあ、これ、何だと思う?」
男は子供の遺体から横取りした剣の形をしたお菓子を見せつけた。
「剣の形をしたお菓子。つーか、ワタシが知るわけないじゃん」
「どうやって食うの?」
「さあ、そのまま食えば?」
人間なのに、コイツは銀紙の剥がし方もわからないのかと呆れていると、悲鳴がした。
「ギャアアア! 化け物?!」
「はあ、見つかった。このお菓子食べたかったな」
男は猿のように電信柱に飛び乗り、近所のおばさんを見下ろした。
「これ、アンタにやるよ」
剣の形をしたチョコレートを投げつけると、軽々と電線を伝い、町を彷徨う。
「いつも俺を見て化け物ってよ、一応ひとなんだけど。どう見えてるんだろうな?」
「さあ、ワタシにもわからないことを聞かないで」




