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35話 ヨシの悪神

 ワザトはたまに現る異空間にいるのを自覚する。スカーヴァティー(安楽国)の眷属である餓鬼は夢を見ないから、これは悪神の仕業だろう。



 大体はオカゲとの対話で、彼女と他愛のない話をするのが定番だが……。

 眼の前にいたのは年端もいかぬ少女だった。



 ボーイッシュな髪型をしているオカゲとは異なり、長髪で三つ編みが混じっている。

 年齢も見知った存在より一回り下に見えた。


「あの、お話があるんです。私はヨシの悪神で……」

「ああ、驚いた。オカゲが化けてイタズラをしたのかと思ったよ」


「すいません」

 ションボリとしたものだから、どうしたものかと困惑する。



「君はどうして俺なんかに話しかけてきたんだ?」

「あの、どうしたらヨシさんともっと仲良くなれるかな、って……。オカゲさんとワザトさんはとても仲良しなので、秘訣を知りたいんです」


 頭を下げられ、さらにワザトは困り果てる。他人からそんな風に扱われるのは稀で……しかも相手は悪神だ。


 どうしたものか。



「それはね。ワザトが優しい(・・・)からだよ」



 横入りしてきたオカゲに彼女は首を傾げる。「優しい?」


「ヨシはねえ、ちょっと歪んだ所があるからもう少しアプローチしてみたらどうかな! 仲良くしたいって」

「はあ」


 自身がなさげに彼女は頷くと、

「オカゲさんを見習います!」

 と控えめにも尊敬の眼差しを向けた。


「えっ、ワタシを?」

 それにはオカゲもびっくりした様子で不格好な笑いになってしまった。



「ありがとうございます。がんばってみます」

 素直なのか、愚直なのか――危うい雰囲気にワザトも苦笑するしかない。



「無理はするなよ、無理は……」

可愛らしいイラストもきちんと描きたいです。いつか。

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