33話 終末とファミリーレストラン
ワザトとオカゲはファミレスで席に座り、メニュー表を見ながら何が食べたいかを話し合った。
「ワタシはね〜〜、このパフェかなぁ。イチゴが乗ってるし、アイスも乗ってる」
「なるほど。俺はパンケーキ、生クリームが大盛りだし」
「へえ〜。アイスじゃないんだ」
「あまり食べたことがないしな〜」
二人は笑うと、ふとオカゲが赤い光が明滅する外を見た。
「もしもさ。ワタシたちがカップルだったらなんて言っていると思う」
「カップル? 年の差すぎないか? その見た目だと」
「ばーか。ともかく、なんて言っていると思いますかー?」
ムッとして、彼女は話を強行する。
「俺と一緒に安全な場所に逃げよう。とか?」
「えっ、そこ? ムードがないなっ。やり直し!」
「世界が滅ぶ前に二人で終わりにしよう」
あはは、と笑う。何とも自分たちらしいセリフだった。もしも2人が一般人で、この終末で、感染しているかもしれなかったら……心中を選ぶに違いない。
「優しいね」
「結構恥ずかしいな、こんなの。よく言えるよ」
「ワタシは好きだけど」
オカゲはこのまま逃避行してもいいかな、なんて――そんなことまで考えた。もう外に生存者はいない。世界は本格的に滅びた座標。そんな世界なら2人の仕事は終わりだ。
「ロマンチックじゃん」
「やっぱりオカゲは女の子なんだな。ふーん」
「当たり前だよ!」
二人はかみあってそうでかみあわないタイプ。
飛ばされる座標は様々なので、この時はパンデミックで混乱した夜中の設定です。




