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28話 キツネ耳の人外たち

 キツネ耳の人外――安寧人は自我を失い、牙を剥く餓鬼に容赦なく注射を打つ。

 どんな材料で、どんな理屈かも分からぬ劇薬を血管に流し込むと、またたく間にそこから壊死が始まってしまった。



「はあ、また不適合か」

「廃棄しなければならない。はあ、めんどくさいな」



 あっという間に身体に壊死が広がり、餓鬼は死んだ。適合し人間という本来の活動に近くなる者は、こう見ると少ない。




「我々も穢れを受けなければ、こんな仕事などしていなかったのに」


 キツネ耳の人外たちは愚痴を言っては、ワラワラと死体を何体か運ぶ。皆、顔は同じだ。


 いつだか天女のように、誰かから呪い(・・)を受けた。それからは身分も容姿も周囲から触れるのも恐れられるようになった。

 いつ、誰が、も知らない。かなり昔の話だ。


「ワザトという餓鬼、こちらと地球の境目が歪んだ際に呪いを受けたそうじゃないか。まあ、ワザトになる前の人間といった方かな」

「あー、噂話ですよね。私たちにももしかしたら、そんな変人がいたのかもしれないですね」


 餓鬼の死体の山をベルトコンベアに雑に遺棄し、焼却炉へ流れていくのをみやる。


「餓鬼にしろ、私たちにしろ、変異的な輩は潰さなければならんな」



 スカーヴァティー(安楽国)では呪いという、厄介なものがあるのだから。

最初は妖狐にしようと考えていたのですが、異星人だからキツネ耳が生えた何かになりました。

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