25話 マガイとオカゲ
ワザトは数多の餓鬼の中で問題児と呼ばれる――自分含め4人は、定期検査に招集された。
メンバーはスイ、ヨシ――擬。あどけない少年の姿をしているが、噂によれば入れ物の餓鬼を悪神が食べてしまったらしい。スイの反対版である。
4人は足枷やらをされながらも、血液やらを採取される。
問題児が4人だけで良かったと人外がぼやきながら、ふとワザトの前で足を止めた。
「数値が変動している。悪神に食われているのか」
「マガイのようになったら」
「いや、あの悪神とはまた異なる数値だ。ワザト、自覚はないか?」
「ありません」
「……嘘つき」
擬がニヤニヤとこちらを見て、呟いた。
「無駄口を叩くな!」
「あら、ワタクシたちは自我がありますのよ。無駄口くらい叩きますわ」
「そうだよ。ヨシ姉さんの言うとおり」
それにスイが吹き出して、人外たちは苛ついた。
「そこの餓鬼は悪神とイチャイチャしてるんだ。全く青いね」
内側で傍観しているオカゲがゾワりと蠢いた。マガイとは旧知の仲らしいが……。
「餓鬼なので分からない。イチャイチャ、なんてのは」
「カマトト。まー、僕はヨシ姉さんと仲良くしたいもん。どうでもいいよーだ」
「要観察だな。この中では優等生なんだ、コイツは」
しつこいぐらいに検査されたのち、4人で解散する際にワザトの身体をオカゲが支配した。
(? どうした?)
全く気づかれない動作で彼女はマガイへ近寄った。
「やあ、雑魚。黙っていればおもしろい事を言うじゃないか」
「わ、出てきた」
「出てきた? 俺はワザトだ。なあ、ヨシと話してもいいか」
そこで少年の顔色がサッと変わった。
「卑怯だぞ!」
「……そこ、何をしている」
人外が割ってはいるもオカゲは何事もなかったかのように、スイの方へ歩いていく。
「あ、アイツ! オカゲだ! オカゲが、ヨシの悪神を脅そうと」
「何をいう、アレはワザトだろう。ほら、檻にいけ」
「全く過保護だね〜〜、君は」
後ろで騒ぐ小物に、スイは笑う。「ワザトとワタシの仲を侮辱したからだよ」
初めて彼女は芝居をやめ、意地悪い笑みを浮かべた。
(そんな事しなくていいのに)
(ワタシが嫌なの)
「私は二人とものそういう所おもしろいから好きだよー」




