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17話 ワザトとヨシ
「ワザト。貴方はよく人間と同じなのに、人間を殺められますね」
違う檻に収容されている餓鬼である女性が、にこやかに話しかけてきた。
「……まあ、仕事ですから」
「そうですか。わたくしは人間を人間でなくしてから殺めるのが好きですわ。うふ」
彼女の立ち振る舞いは常に淑女のようで、残虐だと有名であった。名を淑という。
ヨシはたおやかな笑顔をはり付けたまま、獣の耳が生えた人外に連れられていった。
「アイツ……必ず人間を肉塊にしてしまうらしい」
「あんな弱そうな見た目なのに」
「気が狂ってるわ」
檻に閉じ込められた餓鬼たちが口々に感想を述べている。ワザトはそんな事、どうでも良かった。仕事は仕事だ。
「気が合わなそうだよねえ。あの人」
「スイは肉塊にしないのか?」
「気分によるかな。でもさあ? 変なの、あの人、人間が怖いみたいじゃない?」
「そうなのか」
「えー、分からない?」
スイはナイフで遊ぶ。ナイフでガリガリと床を刻む。それがいつもの光景だ。
「そうとも取れるかも」
「そうだよ、絶対」




