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13話 笑い
「今の、笑ったつもりなの」
スイは牢屋の中でババ抜きをする。意味のないババ抜きだが、暇つぶしになるならなんでも良かった。
「笑った。プログラムされた範囲で」
「いや〜〜、他の子はもっと笑えるよ。それにババ抜き、やる気ないでしょ」
「まあ」
虚ろな目をして、どんよりと頷く彼にふうむ、としばし考えた。
「私さあ、笑えって言ったら人を笑せる事ができるんだよね」
「ソレはすごい特技だな。羨ましいぜ」
「特技っつーか。異能だよ、化け物の」
呆れ半分の笑い。ワザトはその表情に安定を覚える。いつも、変わらない日常。決まっている筋書き。
己はどうやら――思考するな、と警鐘がなり捨てる。でも端的にこれは好きだ。
「私はね、笑わせるのが好きなんだ。泣き笑いでも大笑いでも」
「俺はスイの笑いが好き」
「ちょっ……それ、君のガードマンが聞いたらやばいんじゃない?? やめてよ」
ギョッとスイは後ずさって、あからさまに怖がった。なぜだかと不思議がるが、答えは降ってこない。
「何でだ」
「いやぁ……こわいこわい。でもありがとう」




