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俺の幼馴染が、俺の親友に寝取られました。社会的に抹殺するから今に見とけ。  作者: アルファベータ
本編

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第3話 砂の城の崩壊

◇◆◇


翌日の昼休み、学園は蜂の巣をつついたような騒ぎになっていた。


学園の匿名掲示板に、サッカー部の不適切な会計報告と、

夜の街で酒瓶を手に笑う蓮の姿がアップされたのだ。


「嘘だろ……藤堂が?」


「部費でキャバクラとかマジかよ。俺たちの遠征費、削られたのあいつのせいか?」


廊下を歩けば、昨日まで羨望の眼差しを向けていた生徒たちが、

今は汚物を見るような目で蓮を追っている。

蓮は顔を真っ青にして、部室へと駆け込んでいった。


だが、そこにはすでに顧問と学園の理事が待ち構えている。

九条凛が手を回した「監査」だ。


俺は図書室の窓から、校庭の隅で立ち尽くす結衣の姿を見つけた。

彼女は震える手でスマホを操作している。


きっと蓮に連絡を取ろうとしているのだろう。

だが、蓮は今、自分の身を守るのに必死で彼女のことなど頭にないはずだ。


「……ねえ、湊くん。大変なことになってるよ」


背後から、結衣が声をかけてきた。その声は、

不安というよりも「損切り」を迷っているような、計算高い響きを含んでいた。


「ああ、蓮のこと? 信じられないよな、あんなにいい奴だと思ってたのに」


俺は努めて、ショックを受けた『親友』の振りを装った。


「結衣も辛いよな。蓮とは仲が良かったし……」


「えっ、あ、う、うん。

 でも、私……あんなことしてるなんて知らなくて! 怖いよ、湊くん……」


結衣が俺の腕にすがりついてくる。

その香水の匂いが、昨日の資料室の光景をフラッシュバックさせる。吐き気がした。だが、俺は優しく彼女の肩を抱き寄せた。


「大丈夫だよ、結衣。俺だけは君の味方だ」


その瞬間、結衣の顔に安堵の色が浮かんだ。


『まだ湊は私の手の内にある』


そう確信した彼女の傲慢さが、愛おしいほどに愚かだった。



◇◆◇


放課後、俺は九条凛から送られてきた「第二の爆弾」を確認した。

それは、結衣の実家である「水瀬建設」の不正入札疑惑に関する内部資料だ。


これ自体は小さなものだが、

藤堂グループの支援が打ち切られれば、たちまち会社は立ち行かなくなる。


俺は結衣を誰もいない放課後の教室に呼び出した。


「湊くん、どうしたの? そんなに真剣な顔して」


結衣はまだ、自分が崖っぷちに立っていることに気づいていない。


「結衣、これを見てほしいんだ」


俺はタブレットを差し出した。


そこには、昨日の資料室で、

彼女が蓮と愛し合っていたあの映像が、鮮明に映し出されていた。


「……っ!? あ、え……な、なに、これ……」


結衣の顔から血の気が引いていく。


「加工……だよね? 湊くん、誰かに嵌められたんだよ、これ!」


「加工じゃないよ、結衣。俺が自分の目で見て、自分の指で録画したんだ。

 あの時、ドアの外に俺がいたことに、

 蓮は気づいてたみたいだけど……君は夢中だったもんね」


「あ……ああ……」


結衣はがたがたと震え、その場にへたり込んだ。


「違うの、これは蓮くんに無理やり……

 断ったら湊くんに酷いことをするって脅されて……!」


「嘘をつくなよ」


俺は氷のように冷たい声で遮った。


「『湊は優しすぎる』って、

 笑いながら言ってたじゃないか。……結衣、君に一つ、選択肢をあげる」



◇◆◇


俺は彼女の目の前に、水瀬建設の不正資料を並べた。


「一つ目。この動画を全校生徒、そして君の両親、さらに藤堂の親に送りつける。

 そうなれば、君は『婚約者を捨て、わざと寝取られた女』として学園を追われ、

 君の実家も藤堂家からの報復で潰れるだろうね」


「やめて……お願い、それだけは……!」


「二つ目。俺の指示に従うこと。そうすれば、この動画は世に出さないし、

 君の実家も九条グループが救済するように手配してあげる」


結衣は、縋るような目で俺を見上げた。


「なんでもする……なんでもするから! 湊くん、お願い!」


「……いい返事だ」


俺は彼女の顎をクイと持ち上げ、その潤んだ瞳を覗き込んだ。


「じゃあ、まずは蓮にトドメを刺そうか。

 彼が今、一番恐れているのは『唯一の味方』に裏切られることなんだ」



◇◆◇


その夜。

謹慎処分を受け、

自宅で荒れている蓮の元に、結衣から一本の動画とメッセージが届く。


それは、結衣が涙ながらに


「藤堂蓮に脅されて、無理やり関係を持たされていた。

 逆らえば私を社会的に抹殺すると言われた」と告白する自撮り動画だった。


もちろん、これは俺が書いたシナリオだ。


蓮は、自分が信じていた「快楽の共有者」から、

一方的に「性犯罪者」としての濡れ衣を着せられることになった。


「……あ、あああああッ!!」

蓮の絶叫が、スマートフォンのスピーカー越しに聞こえてくるようだ。


彼は学園内での地位、人望、

そして「自分の方が上だ」と見下していた俺への優越感さえも、すべて失った。


だが、これで終わりではない。

俺は、震えながら俺の隣に座っている結衣の頭を撫でた。


「よくできたね、結衣。……でも、忘れないで。

 君が守ったのは実家だけで、君自身の『自由』はもう、どこにもないんだよ」


結衣の目から、絶望の涙が溢れ落ちた。

俺はそれを、冷めた目で見つめていた。



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