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2 : 五歳と世の中

読んでいただきありがとうございます!

毎日更新を目指したいところですが、ぼちぼち書いていきます。

楽しんでいただけると幸いです。

評価の方もよろしくお願いいたします。

まずもって最大の問題となるのは治安だろう。


治安の悪いところに生れ落ちれば最悪攫われるかもしれない。

まだ死んだことがないから、貰った能力の詳細は分からないけれど、

もしやり直しが効かなかったり、ただ死ねないだけの能力なら、

生き地獄にしかならない。


さて、この世界の、そして僕が住む王国の治安はというと、

まずまずだ。


本当にまずまずなのだ。


盗賊はいる。

野盗も出る。

しかし、兵士が巡回する主要な街道まで出るわけじゃない。

スリや恐喝もあるけれど、バレて捕まらないようにするために、

幸か不幸か、大胆なことは起きない。


日本より治安がいいかと言われれば難しいけど、

住めないほどに治安が悪いかと聞かれれば、別にそうでもない。


そして、異世界において次の問題が、魔法の有無だ。

令嬢に転生する物語とかであると、

魔法が使えない完全な貴族社会を描くものも珍しくない。

しかし、龍(ドラゴン)がいる世界。

あの物体が飛ぶためには魔法か、それに準ずる特殊(とくしゅ)な能力がなければならない。

つまり、魔法はある。

ただ、ドラゴンがどんな魔法で飛んでいるのかは正直まだわかっていない。


この世界の文明はナーロッパなんて揶揄されて久しく、

中世ヨーロッパ風であることは間違いない。

科学文明も魔法文明も合算して中世ヨーロッパ風だ。


だから、あまり嬉しくないことに、糞尿は窓からの投げ捨てが横行していた。

さすがに我が家がいる地区は裕福な家庭や集まることもあり、

どの家も庭に大穴を掘ってそこに捨てていたけれど、

どこもかしこも臭気が漂っている。


魔法でどうにかしてほしい気もするけれど、

しかし、魔法もそこまで万能じゃない。

願えば起こしたい現象を起こせるわけでもなければ、

数式や幾何学(きかがく)模様をこねくり回せば何かが起きるわけでもない。


では、この世界の魔法とはどのようなシステムなのか。

『緻密に想像すること』

ただ、一つである。

そして、現状を変更する度合いが大きいほど、

または他の魔力(と呼ばれているけれど、正直僕は精神力のようなものだと思ってる)への干渉度合いが、強いほど多くの魔力を消耗する。


例えば、銃で発砲するような魔法を考えてみよう。

まずこの世界の人々は弓矢より早いものを知らないから、

魔法の発動に耐えうる想像がまずできない。


では銃やその仕組みを知っている僕なら?

それほどの運動エネルギーを生み出すだけの魔力がないからできない。

もちろん、筒を用意して、そこに弾まで装填したうえで、

爆発だけを魔法で担えば何とかなる気もするけれど、

なら、最初から爆薬を用意した方が早い。

まぁ、この世界に爆薬はないから、さもありなん。


ならば、この世界の人々は魔法をどうやって使っているのか。

答えは簡単だ。

実際に現実に存在する現象か、

または魔獣の使う魔法を真似している。

前者が自然魔法、後者が獣魔法と区別されている。


自然魔法は例えば水を出すだとか、

岩を落とすとか。

もしくは火を出したり、とそんな感じ。


そして獣魔法。

魔獣という存在が、なかなかどうして凶悪な分だけ、

やっていることもえげつない。


知能がある魔物もいるけれど、

地球と同じで理性がある魔物はいない。

つまり、猛獣と変わらない。


彼らが自然界に生きるなかで身に着けた省エネで使うことができ、

さらには獲物をとったり、敵を倒したりするのに便利なそれらは、

人は脅威に感じつつも、だからこそこぞって研究し、我が物としてきた歴史があった。


かような世界で、|龍<<ドラゴン>>とはどのような存在なのか。

神が殺すことを依頼するくらいだ。

想像はつく。

龍が現れたら国を捨てろ。

それが大陸中で言われるくらいの圧倒的覇者。


まぁ、幸いなことに、龍が人里に出ることは滅多にないらしい。

数十年前に小さな国が一つ、滅ぼされたきり、今まで目撃情報は存在していない。

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