1 : 転生してから動けるようになるまで
読んでいただきありがとうございます!
毎日更新を目指したいところですが、ぼちぼち書いていきます。
楽しんでいただけると幸いです。
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産声を上げる。
産声を上げた自分を認識する赤子も珍しいと思う。
さて、異世界転生において、
その世界の言語がわかるか、それともわからないか。
これはその世界観を決める最大の要因だろう。
個人的にはわかった方がありがたい。
しかし、現実は非情。
赤子が言葉を最初から理解するなんてことは、
まずあり得ないのだ。
目も見えない。
自身の産声にかき消されて周囲の音も聞こえない。
感じるのは謎の浮遊感だけ。
ゾッとした。
自分は今、どこにいるのか。
もし両親が悪辣非道なら、生まれた赤子を殺すことも厭わないだろう。
死んでも生き返る能力の詳細はよくわからないけど、
でも、さすがに生まれてすぐに死ぬことは避けたい。
しかし、心配は杞憂だった。
そこからも死ななかった。
まぁ、さすがに、いくら神があんなのだとしても、
いきなり死ぬ人生に転生させたりはしないのだろう。
生まれてこの方、知らない発音、言語で、
ひたすらに話しかけられ続けた。
そして何度も出てくる単語。
”バン”が僕の名前なのだろうか。
もしくは日本語の『てにをは』のような助詞の可能性もある。
まぁ、いい。
まだまだ時間はあるだろうから。
そして、周囲から浮かないように、
悪魔付きなどと言った風評被害で殺されないようにと、
静かに暮らすこと五年が経った。
どうやら僕は商家の子供のようだった。
名前はバン・ラーロン。
末っ子だ。




