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2ヶ月後、彼女が片田舎の隠れ家で見つかる。
眉間を撃ち抜かれた、もの言わぬ死体として。
いくつもの憶測や陰謀説がメディアを賑わせたが、その中には「伝説の殺し屋」「早撃ちガツビィ」ことガツビィ・ブロウウィンが、爆発で亡くなった人々の遺族に依頼され、手を下したのだという話まであった。
第2の犯行が防がれたことで人々は、ひとまず安心した。
しばらくすると、今まで世の中からほとんど忘れられ、無視されていた私たちの存在を思い出す人たちが現れた。
彼ら曰く「リンダ・ランデルの遺伝子を持つクローンは危険だ!」
私たちを殺すべきという意見と終身刑に処すべきという違いはあれども、拘束し監視すべしという共通項を見いだした彼らは、どこでどう調べたのか施設へと押し寄せた。
施設長は私たちの、リンダとかけ離れた平凡ぶりには落胆を隠さず、大いに自尊心を傷つけてきたけれども、それだけ私たちが危険とは程遠い事実も把握していて、暴徒に捕まらないように、すぐに逃がしてくれた。
その後、私たちはクローン訴訟に強い弁護士と合流し、遺伝子が同一でも育った環境や教育によって全く別人として人格形成される前列を提示して、魔女狩りしたがる人々を黙らせた。
私たちは政府機関の勧めもあって、顔を整形で変え、名前も変えた。




