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 誰一人、そのことには気づかず彼女を崇め、褒め称えた。


 ミゼオ政府は、あたかもリンダの天才ぶりが自分たちの手柄の如く有頂天となって、最も愚かしい計画に手を出した。


 彼女のクローンを造る計画だ。


 16歳だったリンダは、その計画に同意した。


 彼女の頭の中に、自分の分身たちを利用した大規模な犯罪計画が存在したのかは、今となっては分からない。


 ともかくも、天才リンダ・ランデルのクローンたち3人は、このとき赤ん坊として誕生した。


 私は、そのうちの1人というわけだ。


 私と2人の仲間たちは政府機関で過ごし、物心ついたときから「金のタマゴ」としてハイレベルな教育を受けた。


 誰しもが、私たちがリンダと同じく自分たちを幸せな未来へと導く素晴らしい旗手になると信じていた。


 私たちにも、その期待がひしひしと伝わってきた。


 結論から言うと、私と2人の仲間は何が原因かは不明だが、オリジナルには遠く及ばなかった。


 私たちが10歳になった頃には政府機関の担当者は、落胆ぶりを隠すことさえしなくなっていた。


 このままでは早晩、このプロジェクトは凍結されるだろう。


 そうなったら私たちは?


 不安が私の胸を押し潰し、毎日、暗い表情で過ごした。


 そんな、ある日。


 私たちの運命を大きく変える事件が起こった。

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