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「俺を雇うか?」
あら、プロポーズ?
一発逆転かしら?
私は首を横に振った。
「これはどうしても私一人で解決しないといけないの」
「そうか。女、お前に戦いの神のご加護があらんことを」
「ありがとう。車と物資は?」
「外に用意してある。こっちだ」
遺跡は、なかなかの威容で私を待っていた。
広さも申し分ない。
私は持ち込んだセンサーを6ヶ所ある入口に設置した。
磁気嵐が来れば、おそらくは役に立たなくなる。
でも、そのときは私が迎え撃つ男も入ってはこれないだろう。
何としても、この遺跡内で上手く時間を調節しなければならない。
「ライジング・ケルベロス」の男から、ある程度の磁気嵐の予報データは受け取った。
それほどの誤差は無いとしても敵が、いつやって来るかは分からない。
私と、必ず現れる男の戦闘力には相当な差がある。
下手をすれば瞬殺される可能性だってあるのだ。
もっと悲観的になるなら、敵が大金をはたいて戦闘ポッドを購入し、遺跡を爆撃することだってあり得る。
ただ、私の考えが正しければ、彼はそうはしない。
そんな方法では、あの男の憎しみは晴れないだろう。
私を生きたまま捕らえ、自分の復讐の正当性について語る機会を作るのではないか。
私が彼の立場なら、そうする。




