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地図にはバツ印が、ついている。
「ここから北に遠く離れた場所に古い遺跡がある。我々の先祖が建てた物ではない。もっと古い物だ。かなり前に考古学者たちが調べに来たようだが、大したものは発見できなかった。それからは誰ひとり訪れない」
「危険な生物や植物は?」
「ほとんど居ない。あの辺りは雨も降らず、食物が少ない。そういう生き物たちにも魅力がない土地だ」
「この星特有の磁気嵐は、その地域にだけ発生するのよね?」
「そうだ。それも、あそこに人が住まぬ大きな理由だ。お前の依頼にあった条件を満たしている。遺跡の中に居れば、通りすぎる磁気嵐はしのげるだろう。ただし…」
「全ての電子機器は使えなくなる?」
「ああ、まともには動かなくなる」
「嵐が去ったら?」
「元に戻る」
「OK。確かに完璧ね。よく探してくれたわ」
「女」
男が私を見つめた。
浅黒く陽に焼けた彼の顔は、私を心配しているようだった。




