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果てしない荒野が広がる惑星シープドーン。
「大いなる崖」に設置された古の戦闘民族「ライジング・ケルベロス」のテントに私はやって来た。
族長の代理だという、体格の良い男が迎えてくれた。
「女、そこに座れ」
男の言葉に私は従った。
「族長は?」
男は首を横に振った。
「族長は今、伏せっている」
「病気なの?」
「いや、我々の仲間、最強の戦士だったジェロニムが3ヶ月前、ある女に敗れた。その心労が原因だ。我々は皆、悲しみの中に居る」
「そう…お悔やみ申し上げるわ。何だかタイミングの悪いときに来てしまったようね」
「仕事は仕事だ。お前からの依頼は完璧にこなしている」
男はテント内の敷物の上に地図を広げた。
彼らの生活には、クラシカルな部分が残っている。
それでいて、戦いに関する事柄では最先端の技術を貪欲に取り入れていく。
彼らの強さは筋金入りだ。
おそらく、ジェロニムを倒したという女は悪魔のように強かったのだろう。




