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「そして、その被験者に選ばれ承諾したのが当時、家族の死で苦しみ、任務に没頭することでそれをまぎらわせていたクローゼ・ハイマンだった」
「………」
「彼の意識をコピーされ、軍の求める性能基準に達した30体のアンドロイドは、ミゼオが支配していた植民星での紛争地域最前線へと投入された」
「………」
「アンドロイドたちはコピーされたクローゼの意識の実戦的な判断力や戦闘勘を遺憾なく発揮し活躍した。でも、生き残るにはあまりにも戦場が過酷すぎたの。泥沼の戦いの中、破壊されなかったアンドロイドは、たった3体。そして、そのときの戦闘のひとつで」
私は、そこで少し間を置いた。
「オリジナルのクローゼ・ハイマンも戦死した」
私はクローゼの様子を窺った。
彼は冷たい視線で私を見つめていた。
「ははは…」
クローゼが笑いだした。
左手で自分の顔を掴み、天を仰ぐ。
「ははははは!!」
クローゼの大笑いが、遺跡の小さな部屋に鳴り響く。




