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あの月の下で私と踊って(お義兄様と私の物語)06

(肖像画の母はいつも微笑んでいる


この方が私のお母様


でも私は母の顔を覚えていない


もちろん馬車事故にあったらしい事も…


3歳くらいだろうか 目を覚ますとそこは暗闇だった怖くて泣き叫んだ 私の幼い日の記憶はここから始まる)


カタリナの葬儀からひと月程経った頃 

ブルワーノとオランジェ親子が気になっていたマリエッタは息子のジュリアーノとアランデール邸を訪れていた


マリエッタは学生時代カタリナと共に カタリナの婚約者であるアランデール邸を何度か訪れていた

息子であるジュリアーノを連れてきたのはの初めてだった


応接間に通されて間もなく

お茶を運んできた侍女のメルが

「夜も遅くまで部屋に灯りがついており それにほとんど食事を取ら無い 眠らない 旦那様が心配です」とこぼしていた


案の定 生気のない青白い顔をしたブルワーノが客間へ入ってきた


「わざわざ すまないなマリエッタ」

「ブルワーノ様すっかり別人になられて 貴方のその姿をリーナが見たら悲しむわよ」


「わかっているんだが 中々 心の整理が追いつかなくて」

「そうよね 愛する人を先に見送るのは何度経験しても辛いわね 元気のない人に気軽に元気出して!って言えないわ」

「そうか カッシュ伯爵を病気で亡くしリーナとご両親を見送った君がそう言うと真実味があるな」


「でも少しは食事は取らないと駄目よ メルも心配してたわよ ほら貴方の好物のミートパイを作ってきたから食べてね」

「マリエッタ ありがとう 学園時代 良く3人で食べたっけ」涙ぐむブルワーノ


「貴方の事も心配だけどオランジェちゃんも心配で今日来たのよ 数日 目を覚まさなかったそうじゃない 彼女はどうしてるの?」


「オランジェは外傷はないのに左足が痺れてるらしく上手く歩けないんだ それにリーナの事は何も言わない…」


「オランジェちゃんに会ってもいいかしら?」

「1階の奥の部屋にいるから会ってやってくれないか」


マリエッタはジュリアーノを連れてオランジェの部屋へ入った

幼いオランジェはお昼寝から起きてベッドで絵本をめくっていた


「こんにちは オランジェちゃん 私はお母様の友達のマリエッタよ こっちは息子のジュリアーノ よろしくね」

「こんにちは マリエッタさま? ジュリアーノさま?」


ジュリアーノはベッドにいる銀色の髪とオレンジ色の瞳を持つオランジェをじっと見つめていた

「ジュリアーノさまの くろいかみとくろいおめめ きれいですね」


「ありがとう 嬉しいよ そうだ僕がその絵本を読んであげるよ」

「ありがとう ジュリアーノさま いま そっちにいきますね」

ベッドから起き上がると左足を引きずるようにしてオランジェはジュリアーノの側にやってきた

「足 痛いの?」

「うん ちょっとだけね こっちのあしがビリビリするの」

ジュリアーノとオランジェの出会いだった


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