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あの月の下で私と踊って(お義兄様と私の物語)30

「ジュリアーノ 新たな事件の始まりだ 新興勢力のロスクラン子爵が問題を起こしてるとの報告があがっている」

「ロスクランといえば薬の販売をしているあの子爵ですか?」

「そうだよロスクラン子爵の出来の悪い息子アーテルは僕と同じ学年だった」

「何かと嫌味を吐いてた兄と私に言い寄ってきた妹ですよね あの馬鹿兄妹ですか?」

「イヤにはっきり言うなぁ

そのロスクランが同業者を次々と違法なやり方で閉鎖に追い込み薬の販売を独占していとの調査報告だよ」

「あの評判の悪いロスクラン家ならやり兼ねないですね 調べてみます」


ジュリアーノとテオはロスクラン家の周辺を調べ始めた ここ最近ロスクラン家は急に羽振りが良くなり金に物を言わせて同業者を潰していったのだった


調べる内にわかった事は

①第1王子派である宰相と頻繁に会っている

②王国病院への薬の独占販売許可を欲しがってる

③外科手術に使う麻酔薬の取扱は現在トラスト大公国とグランドル王国の直接取引となっている その為個人輸入が禁止されている ロスクランは禁止の即時撤回を希望している

④宰相は麻酔薬の個人輸入禁止の撤回を王に進言している


「この4つが判明しました」

「スクワランへの資金の貸付は宰相で間違いないな さほど裕福でない宰相の金の出処が不明だ 一度国家予算の精査が必要だな 父王に進言しよう」

「麻酔薬の利権を手にして儲けた資金を宰相にキックバックするつもりでしょう その資金を他の貴族にばら撒き第1王子を皇太子に据える計画を企んでいるやもしれませんね」

「器の小さい宰相がそこまで考えてるかは不明だな」

「悪賢いスクワランの口車に乗った可能性は大ですね」


グランドル王はステファニー王子の進言を受けて国家予算の精査を見直した 

宰相関係の支出からやはり使途不明金があぶり出されかなりの額であった 巧妙手法で行われており精査で主計官も見抜けなかった


宰相は横領罪と傷害罪 

スクワラン子爵は収賄罪と公文書偽造で捕まった

他にも様々な容疑がかかっていて叩けば埃が出るのは確実だった


全部の罪が暴かれ それぞれ爵位は剥奪 財産も没収後 収監された 流刑地に送られ無期の強制労働と決まった

それぞれの一族も連座制で罰を受けた

当然あの兄妹も平民に落とされ市井で必死に働いているという噂だ


また宰相は王国病院設立に貢献した第2王子を貶める為2年前の外科医襲撃も指示したのだった

これで外科医襲撃事件の黒幕も分かり事件は全て解決した

功績としてジュリアーノとテオはグランドル王から男爵の地位を賜った


ジュリアーノは王国病院の外科医に事件の黒幕を直接伝える為に病院に来ていた


「先生 ご無沙汰しています ステファニー殿下の執務室で働いているジュリアーノ・アランデールです 大変遅くなりましたが2年前の襲撃事件の報告に参りました」

「アランデール様自らお越し下さって恐縮です」

「あの事件の黒幕は前宰相でした 王国病院の評判を落とす為に先生方に危害を加えていたのです 内通者の病院関係者も処分されましたので安心して勤務を続けてください」

「あの事件で医師たちも不安がっていました 事件解明お疲れ様でした」


「先生 実は事件の報告は口実で義妹の脚の事でご相談に参りました 

留学帰りの先生に1度義妹を診察をして頂けないかと思いまして」

「お嬢様は何処か悪いのですか?」

「はい 幼少の頃馬車事故に合いまして それから今も左脚が痺れて歩行に問題があるのです」

「それはお気の毒に お嬢様に実際にお会いして診ないとわかりません

よろしかったら往診をしましょう」

「先生 快諾ありがとうございます 義妹の脚をどうしても治してやりたいのです」

「それでは詳しい日時を追って連絡いたします」

「ありがとうございます それでは邸でお待ちしています義妹を宜しくお願いします」


ジュリアーノは小さい希望の光が見えてきた

(オランジェ待ってて)


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