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あの月の下で私と踊って(お義兄様と私の物語)26

城に着いた

オランジェが働いている古文書解読室は王立図書館の1室にある

馬車で城内1番奥にある図書館へ向かう 出入り口に着くと一緒馬車を降り オランジェを見送った後 城の中央にある殿下の執務室へ向う ジュリアーノにはかなりの遠回りになってしまうが可愛いい義妹の為ならそれくらい平気だった


毎朝オランジェを抱えて馬車を降りる

「ラン 着いたよ 今日も仕事頑張ってくるんだよ」

「ジュノ義兄様ありがとう お義兄様もたまには早く帰らせてもらえる様にステファニー殿下に仰ってくださいね!

きっとですよ!たまには一緒にご飯食べたいです!」

オランジェの怒りは治まらない

(まぁ怒ってるランも可愛いんだけど)

「わかったから 早く行かないと遅れてしまうよ」

「あーっ じゃお義兄様行ってまいりますっ!」


2人が王宮で働きだして3ヵ月過ぎた頃

馬車の中で珍しくオランジェの口数が少なかった ジュリアーノが話しかけてもどこか上の空だった

気になりつつもジュリアーノはいつものようにオランジェを送り出した


お昼を過ぎた頃ステファニー殿下の執務室に慌てた事務官が走り込んできた

「私は古文書解読室の事務官です こちらにジュリアーノ・アランデール様がいらっしゃると聞いて」ハァハァハァと息が荒い

「私がアランデールだ 何があったのだ」

「解読室のオランジェ・アランデール事務官が倒れられました 今医務室に運ばれました 朝からーー」


事務官の話を最後まで聞かず青い顔をしたジュリアーノは

「王子 早退します」

言い残し全力で医務室へ向った


医務室の扉を勢いに任せて開けた


いつもと違って赤い顔をして息が荒いオランジェがベッドに寝かされていた

「兄のジュリアーノ・アランデールです 医務官殿 義妹の状態は?連れて帰りたいのだが動かしても大丈夫だろうか?」

「熱で意識を失ってる様ですが動かしても大丈夫です 早く家に連れて行かれてゆっくり休ませてあげて下さい」

手配した邸の馬車が到着したと知らせが入った 

ジュリアーノは軽々と抱き上げて医務室を出て長い廊下を歩いた オランジェの身体が酷く熱い 

「ラン大丈夫かい?直ぐに邸へ帰ろう」

オランジェは小さく頷いた ジュリアーノは抱きかかえたまま馬車に素早く乗り込んだ


ジュリアーノは馭者に

「いつもより飛ばしてくれないか 早く邸に戻りたい」

「かしこまりました ジュリアーノ様 多少揺れますがご勘弁下さい」

「よろしく頼む」


邸に着いたジュリアーノは執事長のゾーンに医者を呼ぶように頼んだ


オランジェの部屋の扉を開けベッドに寝かした メルに着替えを頼むとジュリアーノは扉の向こうで行ったり来たりしているしてる


着替えが済んでメルが出てきた

「お嬢様 かなり熱が出ている様ですがお名前を呼んだらお返事をされました」

「ありがとうメル タオルと氷を入れた洗面器を持ってきてくれないか」

「かしこまりました」


ジュリアーノは部屋に駆け込みオランジェの名を呼ぶ

「ラン ラン大丈夫か?」

「ジュノ義兄様…?」小さく答えた

「今 医師を呼んでるから暫の辛抱だよ 冷たいタオルで冷やしてあげるから待ってて」

「うん」小さく答えただけでオランジェは又目を閉じた

なす術もなくジュリアーノはオランジェの手を握る事しかできなかった


往診に来た医師の話によると急激な環境の変化でストレスが溜まり発熱したのだろうと言われた


「ラン口を開けて」処方された薬を飲ませようとオランジェの横に座ったジュリアーノは身体を起こし胸に抱いた


朦朧とした意識の中で呟くオランジェ

「お義兄様酷く寒いわ 温めて」

「わかったよラン」 


ベッドに入り直しオランジェを抱え座った状態で毛布を被りオランジェの身体を温め続けた

オランジェはうわ言の様に「お義兄様 お義兄様 お義兄様 寒い」とジュリアーノのシャツを掴みながらうわ言のように呟いた


(なんて身体が熱い このまま熱が下がらなかったら… カッシュの父は高熱で亡くなったと聞いている

もしランが僕の前から いなくなったとしたら… )最悪の考えが頭をよぎった


気を取り直し

(そんな事が事があってたまるか ランは僕の世界 ランがいなくなった世界では 僕は生きる意味が無くなる

義妹だから 愛おしいのだとずっと自分に言い聞かせてきた 義妹と言う言葉で自分を騙し続けていたんだ


今 はっきりわかったよ

僕はランを1人の女性として愛してる 僕の愛しいラン)


時々オランジェを見ていると胸が苦しくなっていたジュリアーノ 胸に仕えた何かがストンと落ちた気がした オランジェが好きだ 自分の気持ちに確信を持ったジュリアーノはオランジェを抱く腕に一層力が入った


30分程するとあれほど熱かった身体が少しずつ変化してきた 息遣いも落ち着いた

スースーと静かな寝息に変わっていった

(熱は下がってきたみたいだな)

ジュリアーノはオランジェを起こさないようにそっと寝かせベッドから離れた


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