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あの月の下で私と踊って(お義兄様と私の物語)24

貴族学園では翌日 ジュリアーノ達4年生の卒業式を控えていた

寄宿舎内がなんとなくざわついている


ジュリアーノの学年は騎士科として卒業するのは8名のみになった

ジュリアーノは勿論 親友のテオ・アンブラも騎士科を卒業する 

テオは伯爵家の三男の為 アンブラ家には戻らず 王宮のステファニー殿下の警護として仕える


最初は財務大臣の息子が親の力で入学したと噂されていた そんな噂を吹き飛ばすようにジュリアーノは騎士科の全ての学科で常に1番だった


学年首席として卒業するジュリアーノが騎士にはならずにステファニー殿下の側近になるとは誰も予想しなかった


ステファニー殿下が在学中から国内の医療を充実させるのにジュリアーノの手助けが是非必要と何度も泣きついたからだ 


ジュリアーノは騎士の勉強中にもオランジェの脚を治す手がかりを調べていたのだが王国の書物だけで探すのには限界を感じていた


ステファニー殿下の側近になれば他国の医療事情が誰よりも早く知れる

初めは騎士になってオランジェを守りたいと考えていた 

しかし騎士にならずに側近の方が脚を治せる手がかりが掴めると判断した 殿下の執務室に勤務することを決断した自分の選択に迷いは無かった


つい先日オランジェから嬉しい便りがジュリアーノの元に届いた


(頑張り屋のラン これから一緒に王宮で働けるね 義父上には前もって僕がステファニー殿下の側近になることを伝えていた 

僕の口から直接伝えたいから ランには王宮で働くとだけ伝えて下さいとだけ言っていた 黙っていて欲しいと頼んでおいた)


卒業式には財務大臣である義父のブルワーノも出席する

尊敬する義父の前で首席のジュリアーノは誇らしげに学生代表で卒業証書を受け取った 


卒業式が終わると4年間過ごした寄宿舎に別れを告げた

「テオお互い良く頑張ったよな」

「ああジュリアーノ 卒業なんて考え深いな でもこれからはステファニー殿下の側で同じ仕える者として頑張ろうな」

「ああ王宮で会おう またな」

テオは王宮の騎士宿舎へ向った

ジュリアーノは義父と共に邸に戻った


「旦那様とジュリアーノ様のお戻りです」

執事長のゾーンの声が響く

「ただいまマリエッタ ラン帰ったよ ジュノも一緒だよ」

「おかえりなさい ブルワーノ様 ジュノ 4年間よく頑張ったわね 私は息子が誇らしいわ」

「母上 戻りました ラン戻ったよ」

「お父様 ジュノ義兄様無事のお帰りをお待ちしておりました」


「立ち話もなんだから ジュリアーノの卒業のお祝いの食事会で話をしようか」

「そうですわね それでは準備が出来次第 食事にしましょう」

それぞれ部屋に戻ろうとした時ジュリアーノはオランジェに耳打ちした

「ラン いつもの様に部屋に迎えに行くから待っててね」

オランジェは小さく「はい」と返事をした


食事の準備ができたと連絡を受けたジュリアーノはオランジェの部屋に向った


部屋をノックした

「ラン 迎えに来たよ 一緒に食堂に行こう」

扉を開けてオランジェの顔を見る


「お義兄様先程は 丁寧なご挨拶も出来なかったので今しますね」

「うん」

「お義兄様 首席での貴族学園ご卒業おめでとうございます 学生代表で証書を受け取ったと話を聞きました 怪我も無く無事に戻られた姿を見て安心しました」

「うん 僕もお祝いの言葉を言ってもいいかな?

その年で難関の文官試験に合格したランを誇りに思うよ おめでとう よく頑張ったね

さあ義父上と母上がお待ちだ 食堂へ行くよ」

さり気なくオランジェを抱える


「義兄様 もう子供ではないのですから抱えて頂かなくても大丈夫ですよ」

「僕がランを抱えたくてやっているんだから子供の頃の延長だと思って黙って抱えられていなさい」

有無を言わせずジュリアーノはいつもの様にオランジェを抱えて食堂まで歩いて行った


食堂に入ると父も母もジュリアーノ達を待っていた

優しくオランジェを椅子に座らせたた


ジュリアーノがオランジェを抱える風景は一緒に住み始めた頃から当たり前なので父も母も邸の皆も誰も驚かなくなっていた


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