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あの月の下で私と踊って(お義兄様と私の物語)22

(お邸で暮らしてた時よりもお義兄様は私に更に甘くなった? いつまで私を子供と思ってるのかしら?

お義兄様が学園にいる間はは不便だけど自分で歩いて移動できるのに

それにしてもお義兄様の笑顔久しぶりだわ


先程 見たのお義兄様の騎士服姿とても凛々しかった 一度見てみたいと思っていたから嬉しい

騎士服を着てる義兄様は随分と大人っぽくてドキドキする 

でも段々 私から離れて1人で先に段々大人になって いってしまうような気持ちがして少し淋しいな 私は1人取り残されてしまう)


メルがお茶と私の好きなお菓子プラリネを準備をしてくれていた いつものお茶とは違ういい香りがしてきた


「メル いい香りね 何の香りかしら?」

「ジュリアーノ様がコーヒーが飲みたいと仰っていたので特別御用意しました」

「コーヒー? 前は同じ紅茶だったのに?」


ジュリアーノが着替えてラフな格好で入ってきた 

(いつもの見れたお義兄様だわ 少し安心する)

「ランお待たせ ちょうどコーヒーも用意できてた みたいだね」

「お義兄様紅茶ではなくコーヒーを飲まれるの?」

「ああ 寄宿舎で初めて飲んで気に入ったんだよ 苦いからランには少し早いかな?」

「今度飲んでみたいです」

「初めはミルクとお砂糖を多めに入れるといいよ」

「慣れるとブラックでも飲める様になるから試してみて ランが気に入ってくれたらいいな そしたら今度美味しいコーヒー豆を探して買ってきて上げるよ」

夕食前のささやかなお茶会が始まった


王家主催のクリスマスパーティの日がやってきた

ジュリアーノは

「聞きてないし ランが行かないのに行きたくない」と最後まで渋っていた

「これも貴族のお役目です 参加は絶対です 不参加は許しません」マリエッタから釘を刺された


仕方なく正装の騎士服に着替えて髪をダークオレンジの髪紐で纏め 初めてのパーティに嫌々ながら義父ブルワーノと参加した ジュリアーノはささやかな反抗として馬車の中でも膨れ面で無言だった

(早く帰りたい…)

ジュリアーノの無愛想な表情を見ていたブルワーノは気持ちを察し静かに笑った


王様がパーティの始まりの挨拶をした後ブルワーノは親しい貴族に話しかけられていた 

1人になったジュリアーノは同期のテオを探した 同じく騎士服を着て髪を撫で付けいつもよりニヤけているテオを見つけた 

騎士は人気がある テオの周りには着飾った令嬢達が群がっていた

テオに話しかけるのを諦めて仕方なく会場内を見渡した 人混みの先にグラスを持って佇むステファニー殿下の姿を見つけた 


いい話し相手がいたと殿下に近づいた

「殿下 先日は屋敷まで送って頂いてありがとうございました お陰様で早く邸に着きオランジェの顔を見ることができました」

「ジュリアーノ 馬車の中ではソワソワしていたよね あんな君の姿は初めてだったね」

ステファニーはニヤニヤと笑っていた

「あれ程パーティーを嫌がっていたのに来てくれたんだ」

「王家主催のパーティなのでお断りするわけにもいかずイヤイヤながら仕方なく出席しました 母から脅されて」


ステファニー殿下とジュリアーノが2人並んでいると令嬢達の陰口が聞こえてきた


「ご覧になって パーティでもお2人でいるなんてあの噂は本当みたいですわね」

「王都に帰る馬車中もお2人きりだったそうよ」

「なんでも 学園の中では手を繋いでいたのを見た方もいるとか」

「こんな大勢の前で堂々と一緒にいるなんて大胆ですわね」

「まぁー やはりあの噂は間違いないですわね」


それが聞こえていたジュリアーノの眉が微かに上がり 眼鏡の奥の目が光った


それに比べてステファニー殿下は笑っている

「何をヘラヘラ笑ってるんですか! 学園の噂はご存知なのでしょう なぜ否定されないのですか?」

「言いたい奴には言わせておけばいいさ その方が都合が良くないか? 考えてみろよ この噂のお陰で暫く僕と君は婚約者騒動に巻き込まれる事は無いだろうからねー」


「なるほどそうお考えなのですね 殿下は中々の策士と見受けられました それなら私もその策略に乗っかりましよう この際だから手でも繋ぎます?」

「ははははジュリアーノは面白いね 皆にアピールしよう 手始めに恋人繋ぎでもしてみる?皆んな見てるよ 愛してる!」

ステファニーはジュリアーノの手を掴んだ

(勘弁してくれ殿下)

「そこまでやりますか?」小声で抗議した


「えー!愛してるですってよ お聞きになりまして?」

「今確かに聞こえましたわ」

令嬢達の黄色い悲鳴があがった


「あははは 作戦どおりだね ジュリアーノ」

「まぁそういう事にしておきましょう」

ジュリアーノは無表情のまま答えた


このパーティがきっかけで2人はこれ以降 令嬢から話しかけられる事もダンスに誘われる事もなかった

ステファニー殿下の作戦は成功した

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