あの月の下で私と踊って(お義兄様と私の物語)21
『 ジュノ義兄様へ
お義兄様のが学園に入られてもう8ヶ月も経ってしまったのですね
先日のお手紙で夏期休暇の合宿は厳しかったとのこと
普段 あまり愚痴を言わないお義兄様が大変だったと書かれていて訓練の厳しさが伝わってきました 体調は崩されてませんか?また怪我はされませんでしたか?
夏の庭には今年もマリお義母様が育てている百合が咲き誇りました
季節も夏が終わり秋が過ぎそして冬になりました
今朝は少し冷えるなぁと思ってベッドから起きたら窓からうっすら雪が積もっているのが見えました
お義兄様の学園も雪は降りましたか?
庭ではマリお義母様と今年新たに植えたスノードロップの花が咲きはじめましたよ ポルトスが熱心にお庭の管理をしてくれてたおかげです
邸の皆んなも寒い中の元気に働いてくれます
私は古文書学をより一層学んでいます
講義が面白くてついつい夜遅くまで復習してます
あまり遅いと
「ジュリアーノ様に知られると叱られてしまいますよ」と笑いながらメルに言われてしまいました
古文書学は学べば学ぶ程奥深く毎回新しい発見があります
お父様は相変わらずお城での仕事がお忙しくてお帰りも遅いです
夕食はいつもマリお義母様と2人きりです
「4人で食事をしていた頃が懐かしいわね」とマリお義母様が言ってらっしゃいました
お義兄様 もうすぐ冬休暇に入りますね
夏休暇は帰省出来なかったのでお帰りがとても待ち遠しいです
帰られたら一緒にクリスマス 新年を迎えられますね
早くお義兄様にお会いしたいです あと少しかな
オランジェ』
(お義兄様にお手紙を書いた
返事はまだ届かない
いつもなら直ぐお返事がくるのに…
お義兄様も学業でお忙しいのでしょう)
そう自分に言い聞かせていた
翌日 迎えの馬車を手配してないのに突然ジュリアーノが帰ってきた
急遽 王宮に呼び戻されたステファニー殿下から
「ついでだから ジュリアーノも一緒に王都へ帰らない?」
誘いを受け王家の馬車で送って貰ったそうだ
慌てて玄関に向かうと騎士服のジュリアーノがちょうどコートを脱いでいた所だった
オランジェの姿を見つけると溢れんばかりの笑顔で見つめていた
「ただいま帰りました 母上 お元気でしたか?」
「おかえりジュノ すっかり逞しくなって見違えたわ 王家のクリスマスパーティで王家の夜会に参加するわよね?
ジュノの姿をご令嬢達が見たら放っておかないわね ふふふ」
「母上 私はクリスマスパーティの話は聞いてませんが」
「その話はまた後でゆっくりしましょう」
ジュリアーノがオランジェに向って手を広げ抱きしめる
「ただいま ラン 変わりはなかったかい?」
「お義兄様 おかえりなさい 少し見ない間にまた背が伸びましたか? 私との身長差がどんどん広がっていくわ」
少し不満そうにオランジェは呟く
「そういうランは少し大きくなったかい?」
「私は全く変わりません!小さいままです!」
「どうかな?」
と言うなりジュリアーノはオランジェを軽々と抱え上げた
「お義兄様!」
「少し軽くなった気がするよ ちゃんと食べてる?」
「あらあらジュノはランちゃんが心配なのね」
「ええ かけがえの無い大切な大切な義妹ですから
ランそのままじっとして僕に掴まっていて 部屋まで送るから 夕食の時間になった一緒に食堂に行こうね 久しぶりのパニスの料理が食べれる 恋しかった じゃ母上 食堂で会いましょう」
ジュリアーノは軽い足取りでオランジェの部屋へ抱えて入っていった
部屋に入り優しくソファーに座らせると
「急いで着替えてくるから待ってて 食事までお茶しながら僕が留守の間の話を聞かせてね」
ジュリアーノは慌てて2階の自分の部屋へ駆けて行った
珍しく足音を響びかせながら
久しぶりの自室で慌てて騎士服を脱ぎ 普段の服に着替えた
(半年離れてただけなのにランは少し大人びた雰囲気になっていたな
ハァー やっと邸に帰ってこられた 馬車に乗っていた時間がこんなに長く感じられたなんて ステファニー殿下の話しなんか半分しか耳に入ってこなかった
生返事しかしない僕の顔を見ていた殿下が薄笑いを浮かべていた気がする 次に殿下に会ったら何て言われることやら…
あっ こんな事を考えている暇はない 早くランの部屋に急がなくては)
走りながら袖元のボタンを素早く締めながらオランジェの部屋に向った




