あの月の下で私と踊って(お義兄様と私の物語)20
午後の授業が終わった放課後ステファニー王子とジュリアーノの二人は生徒会室に向かっていた
その途中でステファニー王子が言った
「僕は愛してる子がいるんだ」
「殿下には婚約者はいませんよね」
「うん 城に残してきた白ねこのミーシャだよ♥ 気位が高くて まだ飼い始めて間もないから なかなか僕に懐いてくれなくてね 残念なんだ まぁ離れているから仕方ないんだけど ジュリアーノにはそういう子いる?」
「私は義妹が凄く可愛いですね 義妹を守りたくて騎士科を希望したくらいです できるなら彼女を一生守りたいです それと脚が悪いので治してやりたいです
医学書を読んで手がかりを探してますが今の所 これといった方法が見つからなくて」
「脚が悪いのか…
私もこの国の医療の遅れを心配している トラスト大公国は医療が進んでいると聞いた 医師らを留学させている 私の進むべき道は最新の医療を導入し実現させる事だよ この気持ちは変わらないよ 同じ医療について話せる相手がいて心強いよ」
話している内に生徒会室に着いていた ドアを開けるとすでに生徒会の役員数名席に座っていた 2人が入ると同時に予算会議が始まった
密かに2人の後をつけて会話を聞いていたルーラ・ロスクランは
(復讐するならこの方法しかないわ 今に見てなさい 私の誘いを断わった報いを受けるといいわ)
ひと月後 ステファニー王子とジュリアーノが恋人同士で相思相愛という話が学園中に広がっていた
噂を広めたのはもちろんジュリアーノにいい寄ってきて見向きもされなかったルーラ・ロスクランだ
「私 見たのよ ステファニー王子とジュリアーノ様が親密そうにして2人きりで生徒会室に入っているところを」
また別の生徒が「ステファニー王子とジュリアーノ様 いつもお2人で行動されてるから おかしいと思っていたのよね」
「お二人の会話が聞こえたの 愛してるとか 将来 一緒にいたいとか 気持ちは変わらないとか」
「絶対間違いないわ お2人は恋人同士よ」
またたく間にこんな噂が広がっていった この学園で噂を知らない者はいないくらいに
ジュリアーノが生徒会室から部屋へ戻るとテオがいきなり入ってきた
着替え中のジュリアーノ「ノックぐらいしろよ」
「ああ すまん 確認したい事があってお前が部屋に戻るのを待ってたんだ お前 ステファニー殿下と親密な関係だって学園内の噂を知ってるか?」
「はぁ?何寝ぼけた事を言ってんだ」
「本当だってば貴族科の女子から直接聞いたから間違いない」
「全くのデタラメだから訂正しておけよ」
「そうだよな だがそういう噂が立ってるってこと知っておけよ」
「ああ わかった まぁ噂なんて直ぐに消えるさ」
ジュリアーノは呑気に構えていた 後に社交界でも噂されるとは思いもよらなかった
そんな噂されていると知ってもジュリアーノは気にする事など全く無く殿下と行動を共にしていた
放課後には生徒会 また時間があれば医療についての話をして 剣の稽古をして充実した学園生活送っていた
授業の座学 剣の実践 乗馬にも懸命に取り組み入学式から瞬く間に数カ月過ぎていった
忙しい中でもジュリアーノはオランジェによく手紙を書いていた
『 可愛い義妹ランへ
義父上 母上 邸の皆んなは元気にしてる?
義父上は相変わらずお忙しいんだろう?
もうすぐ夏が来るね
そろそろ母上が育てている庭の百合が咲いている頃かな?
今日は満月だ この月をランも見てるかな?
前回の手紙で知らせてくれた 先生に付いて始めた古文書学の勉強は進んでいるかい?
ランは1つの事を始めたら周りが見えなくなるから身体が心配だよ 根を詰めないで時々は力を抜くんだよ
今年の夏期休暇は帰れそうにないんだ
学園の騎士科の1・2年生は夏休暇中ずっと合宿があるんだよ
皆んなに会えないけれど合宿頑張ってくるよ
誕生日は合宿先で迎える事になるかな ランと過ごしたかったが残念だ
次に会うのは冬休暇かな?
ランに会うのを楽しみに待ってるから
暑さに負けずに体調に気をつけて過ごすんだよ
ジュリアーノ』




