あの月の下で私と踊って(お義兄様と私の物語)15
明日はいよいよジュリアーノが学園に出発するの日
今日は家族と使用人達でささやかなお祝いの食事会が催される
1週間ほど前 執事長のゾーンがブルワーノへ言った「旦那様 使用人達がジュリアーノ様の送別会をやりたいのでお許しを頂きたいと」
「使用人達が?」
「はい是非にとの事です」
「ジュノは使用人達に随分と慕われてるんだな 解った 皆んなの気持ちが嬉しいな 許可しよう」
夕方からパーティの準備が始まった
料理長のパニス達が腕をふるった料理の数々がテーブルに並んでいる
「息子ジュリアーノの送別会を企画してくれてありがとう 皆んな楽しんでくれ」
ブルワーノの言葉をでパーティが始まった
ジュリアーノはまたたく間に使用人達に囲まれた
「ジュリアーノ様 ここの食事が恋しくなったら いつでも手紙下さい 作って寄宿舎にお持ちします」
「このお屋敷に来られたジュリアーノ様が貴族学園に入られる年になるなんて月日が経つのは速いです」涙ぐみながらしみじみと語る執事長のゾーン
「庭に奥様とお嬢様と一緒に百合の球根を植えれらた時 咲くのが楽しみと微笑まれた姿が今も目に浮かびます」庭師のポルトスが言う
「お嬢様と仲良くご本を読んでる姿を見ると羨ましく思ってました」
「使用人の私達にも気軽に感謝の言葉を言ってくださってありがとうございました」
「いつも厨房に顔を出されて 美味しかったよと言われた時はいつも嬉しかったです」
「ボードゲームでお嬢様に負けた時の悔しがるお顔が忘れられません」
「訓練の為と仰ってお嬢様を抱えて食堂まで向かうお姿は頼もしかったです」
「寄宿舎に行ってもお元気で」
「私達の事を忘れないで下さい」
「お帰りをお待ちしてます」
「立派な騎士になって下さい」
ブルワーノも使用人達と話している 椅子に座っていたマリエッタとオランジェはその姿を遠くの方で見ていた
「マリお義母様 ジュノ義兄様は人気者ですね うふふ」
「そのようね 温かい使用人達に囲まれてジュリアーノは幸せ者だわ」
「だってジュノ義兄様は義妹の私から見ても優しくてかっこいいですもの」
数時間が過ぎパーティもそろそろ終わりに近づいた頃 ジュリアーノが使用人達に向かってこう言った
「最初は馴染めるかどうか不安だったけど皆んなが良くしてくれたお陰で快適に過ごせたよ ここで過ごした4年間は楽しかった ありがとう 感謝しているよ
僕は暫く家を離れるが 今まで以上に皆んなで義父上 母上 ランを支えて欲しい
皆んなも元気で僕の帰りを待っていて」
パーティ会場は拍手に包まれた
送別会が終わるとジュリアーノの部屋にオランジェがやってきた
「僕の部屋に来るなんて珍しいね」
いつものように抱えてソファーに座らせた
「マリお義母様とも話してたのですがジュノ義兄様は邸の皆んなから慕われてますね 羨ましいわ」
「僕よりランのファンが多い気がするよ ランは可愛いからね」
「明日から本当に寂しくなります 午後の読書もティータイムも1人なのね」
「僕は学園で ランはここでお互いに頑張ろう 近況を知らせる手紙を出すからランも返事くれるだろう?」
「はいお義兄様お手紙待ってます 身体に気をつけて騎士の訓練に励まれて下さい」
「ランも元気でな 身体を冷やさないようにして 左足のマッサージもしっかりやるんだよ」
別れを惜しむようにかなり遅い時間まで二人は話し込んだ
窓の外には春の十三夜の月が出ていた




