あの月の下で私と踊って(お義兄様と私の物語)12
ジュリアーノに新しい家族ができた 母子二人で慎ましく暮らしていた時より賑やかになった
ブルワーノはマリエッタと結婚する際にジュリアーノに聞いた
「ジュノ どうする?君はアランデール姓になるかい?そのままカッシュ姓を使ってもいいんだよ どちらか選んでくれないかな」
「僕はアランデール姓を選びます 実父の顔も覚えていないし僕の今の父は目の前にいます」
「そう言ってくれてありがたいよ ジュノ アランデール姓を名乗ってくれるんだね?」
「はい 義父上 母とも話しましたが僕の選択を尊重すると言われましたので」
(アランデール家に遊びに行く度 財務大臣という仕事の忙しい合間に剣の稽古をしてくれた 城の話をしてくれた 読むべき本を教えてくれた 一緒にお茶を飲んでくれた ブルワーノ様を本当の父の様に感じている)
いつしかジュリアーノは尊敬の念を抱くまでになった
(妹みたいに思ってたランが本当の妹になった
毎日 ランに会えるんだな シルバーのストレートヘヤーでつぶらなオレンジ色の瞳のランがベッドで本を眺めていたあの日
あまりにも可愛くて ランから目が離せなかった
仲良くなりたくて本を読んであげると思わず言った
父と呼べる人ができた
妹と呼べる人ができた
ランは初めて会ったあの日から随分大きくなったなぁ)
ジュリアーノは彼女が少しずつ成長していく姿をこれからは間近で見られると思うと幸せな気持ちになっていった
結婚式の次の日の朝 一緒に朝ご飯が食べたくてジュリアーノはオランジェの部屋の扉をノックした
「はい 起きてるよ メル?」という声がした
「僕だよ おはよう 部屋に入ってもいいかな?」
「ジュノ義兄様? どうぞ」
後ろに控えていたメルと共に部屋へ入った
「ラン 気分はどう? 昨日は疲れただろう?よく眠れた?」
「ジュノ義兄様 おはようございます お義兄様は眠れましたか?私はたくさん眠れたので気分いいです」
「僕は新しい部屋に慣れなくて早く目が覚めてしまったよ」
「ジュノ義兄様 朝からどうしたのですか?」
「ランと一緒に朝ご飯が食べたくて迎えに来たんだよ 支度が終わるまでドアの外で待ってるから 早くおいで」
ベッドからランを抱き上げてソファーに座らせた
「はーい ジュノ義兄様待ってて 一緒に食堂へ行きたいです メル 早く早く!」
「ジュノ義兄様 お待たせしました」オランジェがドアの外に出た途端ジュリアーノはオランジェを抱き上げた
「ジュノ義兄様、一人で歩けます!」
「いいじゃないか 僕がランを抱えて食堂へ行きたいんだよ」
この朝からジュリアーノがオランジェを部屋まで迎えに行き 抱き上げて食堂へ行くのが慣例になった




