あの月の下で私と踊って(お義兄様と私の物語)10
最初は3人で始まったのお茶会だったが いつの間にかブルワーノも仲間に入り4人で楽しく過ごす事になった その席にはいつもマリエッタお手製のお菓子が並んでいた
家族ぐるみの交流が始まってから数年が過ぎていた
ブルワーノはお茶会で話をする度に同級生だった時とは違う表情を見せるマリエッタに
剣を教えてくれと頼むジュリアーノに
いつの間にか胸に温かい感情が芽生えていった
夫を亡くしてから実家のステラ子爵家へ戻り 別邸で暮らしていたマリエッタとジュリアーノ
マリエッタも4人のお茶会を楽しみにしている自分に気がついた
遠慮しながら暮らす生活に光を灯してくれたブルワーノ
可愛らしく笑顔を見せて懐いてくるオランジェに救われていた
そんなある日 珍しくブルワーノはステラ子爵家のマリエッタを訪ねた
「ブルワーノ様 珍しいわね こんな所までどうしたの?」お茶を入れながらマリエッタは言った
「今日はマリエッタ 君に話があって来たんだ ジュリアーノ君は部屋にいるのかな?」
「外で剣の稽古をしてるわ話って何かしら?」
… … 暫くの沈黙の後
「と 唐突で驚くことかもしれないが 僕と君と子供たちで一緒に住まないか?」とブルワーノは口を開いた
「え?結婚って事?!」お茶を入れる手が止まった
「…そういうことかな」顔を赤らめるブルワーノ 国で財務大臣をしている時には見せない表情をしている
「マリエッタ これからの人生 君と共に寄添いながら生きていけたらと思ってるんだ
散々悩んで昨日の夜は眠れなかったよ」
手を止めたまま 間髪入れず
「はい」
即答したマリエッタにブルワーノは驚いた
「私も貴方と新しい人生を送ってみたいわ 私とジュリアーノを貴方の家族の中に入れて下さい」
微笑むマリエッタ
目を合わせ二人は静かに抱き合った
ブルワーノのプロポーズから3ヶ月後
春とはいえまだ肌寒い3月の
珍しく温かな日
ジュリアーノとオランジェが見守る中 ブルワーノとマリエッタは教会で式を挙げた
ウエディングドレスのままのマリエッタと10歳の小さな紳士ジュリアーノはアランデール家へとやって来た
「ラン 今日からマリエッタはランの義母に ジュリアーノは義兄になるんだよ」
いつにもまして にこやかにブルワーノが言った
「とても嬉しいです お母様 お兄様って呼べる人がランにできたのね うふふ」
オランジェはとびきりの笑顔を浮かべた
「ランちゃんよろしくね 私の事はマリって呼んでくれるかしら」
「ラン ジュリアーノ様じゃなくて義兄になったんだからジュノって呼んで」
「はい じゃぁ マリお義母様 ジュノ義兄様 よろしくお願いします」
恥ずかしそうにオランジェは言った
3歳で初めて二人に会った日から少しお姉さんになったオランジェは7歳を迎えていた




