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湿気に悩むお客様
梅雨に入って、ここ最近、雨がずっと降り続いています。
少し、店内の空気もどんよりと重くなりがちですが、
今日も明るく優しく、マスターと従業員が頑張って営業をしています。
本日のお客様は、真っ黒の髪に、真っ黒のロングドレスを着られていました。
「こんにちは。」
静かにお辞儀をしながら、お店の奥の方へと歩みを進められています。
お客様は席に着くと、ツヤツヤの輝いている自身の髪を触りながら、
少し不安そうにされていました。
その様子に気がついた従業員の一人が、
「もしかして、湿気ですか?」
と尋ねに行きました。
急に声を掛けられたお客様は、戸惑いながらも、
「え、ええ。この時期は、湿気でなかなかまとまらなくて、困っちゃって。」
とおっしゃられた。すると素直に、従業員が、
「分かります!私も毎朝大変なんですよ。
でも、お客様とっても綺麗にまとまっているように見えたので、
良いなあって思っていたんです。」
「いや、そんな。私よりも、店員さんの方がきれいで羨ましいなって思って…」
なんて言って、お互いに褒め合いながら、
外の雨にも負けないくらい、店内でも和やかに会話が弾んでいったのでした。




