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悩みを抱えたお客様
本日のお客様は、カウンター席に一人で座って、
嬉しそうな、だけどその一方で、物悲しそうな表情をされていた。
「お待たせいたしました、クリームソーダでございます。」
落ち着いた声で、マスターがお客様に商品を提供する。
すると、はあっと、小さなため息が聞こえた。
「どうかされましたか?」
マスターが尋ねてみると、お客様ははっとして顔を上げた。
「あらやだ、ごめんなさい。
全然、大したことじゃないんです。
あくまで、自分のことですので…」
慌ててそう言うが、マスターはにっこりと笑って、お客様に声を掛ける。
「そうですか。よければ、ここで話していってくださっても結構ですよ。
どうせ毎日、お客様は大勢来られるので、
一人ひとりの話なんて、覚えていられないのです。
年のせいもありますがね、と、笑っているマスターに、
お客様はそっと、悩みを打ち明けていかれたのでした。




