6月7日 1位
営業終わり、とても疲れていた。今日は、妙に不思議な感覚だったな。あれだけ、聞かれたのも初めてだ。それでも、受注できたことはどこか達成感があった。この時間帯、まだ誰かオフィスにはいるのだろうか?もう時刻は、17時を過ぎていた。ドアを開けると、まだ灯りがともっている。しかし、声は聞こえてこない。ゆっくり歩いていくと、デスクには檜がいた。
俺 「お疲れ!」
檜 「お疲れ様です」
檜もさっき帰ってきたばかりなのだろうか?
檜 「元気ですか?」
俺 「元気じゃねーよ」
檜 「マジっすか?」
俺 「なんで元気だと思うんだよ」
この部屋には、どうやら檜しかいないようだった。
檜 「今、めちゃくちゃ調子いいみたいじゃないですか?」
俺 「どこ情報だよ?」
檜 「そりゃあ、受注率見てたらわかりますよ」
たしかに、今週は5日中4日受注をとることができていた。
俺 「まぁ、それとは関係ねぇよ」
檜 「でも、1位狙ってるんでしょ?」
俺 「1位?」
檜は、俺の受注率を見て何かを感じているみたいだった。
檜 「はい。個人成績の話ですよ」
俺 「ああ。それね。別に1位は狙ってねぇよ」
檜 「ホントですか?」
少し疑われているようだ。
俺 「1位なんて、狙ってとれるもんじゃねぇだろ?今市も麻耶もいるんだしさ」
檜 「いや、伊東さんならいけますよ」
1位というランキングではなく、受注率を上げるという意味では意識しなければならなかった。
俺 「お前は、どうなんだよ?」
檜 「まぁ、ボチボチじゃないですか?」
俺 「最下位脱出には、お前にかかってるって言っても過言じゃねぇぞ」
檜 「いやいや、それは過言ですよ」
檜の成績次第で、大きく変わるというのは事実だった。
俺 「山形さんと花沢には期待できないから、俺とお前で稼ぐしかないんだよ」
檜 「あの二人いつになったら稼ぐんですか?」
俺 「さぁな。俺に言われてもわかんねぇよ」
檜 「でも、あの二人が頑張れば絶対上がれるんですけどね」
それは、その通りだ。でも、話していた感じ上がりそうにはない。
俺 「期待はできないけどな」
檜 「期待しましょう。もう、僕も疲れましたよ」
俺 「それは、俺を超えてから言え」
檜 「いやいや、それはレベル高いでしょ」
やはり、コイツになんとかしてもらう以外、今のところいい作戦が思いつかない。




