5月25日 特別研修4
俺の売り上げランキングは、5月で3位。6月は、そろそろテッペンを目指す時が来た。俺は、個人的にそう考えていた。このままこの順位にいるのもなんか癪にさわる。過去に5〜6回は月間トップを取ったことがあるがそれも過去の栄光だ。今の奴らは、俺がトップであったという実績すら知らないという人もいる。ましてや石木や中丸なんて俺はそんなにできるイメージはもってないだろうな。
ー5月22日ー
中村「じゃあ、今の伊東くんのロープレで質問ある人?」
みんなに質問を呼びかけるが誰も手をあげない。そりゃあ、そうだろうな。石木も中丸も聞こうと思えばいつでも聞けるし。すると、手が上がったのが見えた。あれは、遠山だ。遠山は、たしか今市のところだよな?そして、今市のところには昔一緒に働いた村上もいた。手を上げた遠山に中村は質問を許可した。
遠山「先ほどのロープレの入りは、相手によって変える感じですか?」
コイツの質問は的を得ていた。この質問は、普通初手ではなかなか出ない内容だ。どう答えてあげるのがいいのだろうか?ここで本質的なことを伝えても理解できるかどうかはわからない。
俺 「そうだね。営業の基本は、相手によって変わると覚えてもいいかもしれないね」
遠山「なるほど」
俺 「他にも聞きたければ、いつでも聞いてくれたらいいよ」
おそらく、これ以上待っても俺に質問はしてこないだろう。営業第二弾として、後輩たちが既にやってきていた。その後輩とは、第一課の麻耶と第二課の山坂だ。俺が下がるのと同時に向こうから、歩いてくる。
麻耶「お疲れ様です」
俺 「おぉ!!お疲れ様」
麻耶「お久しぶりです。元気ですか?」
俺 「まぁ、それなりにって感じよ」
麻耶は、俺たちの一つ下の代にあたる。この世代は、意外に豊作だった。売り上げランキング上位20人の中に複数人いた気がする。麻耶は、俺よりも売り上げを上げてるしな。
俺 「今月も調子いいみたいだな」
麻耶「伊東さん、本気出してないじゃないですか?」
俺 「そんなことねぇよ。もう、お前の方が実力は上だよ」
麻耶「やめてくださいよ、まだまだ伊東さんの方が上ですよ」
麻耶は、ランキングが上位でも偉そうにすることはなかった。これが売り上げが上がるゆえんだろうな。麻耶は、ゆっくりと先ほど俺がいた席へと歩いていく。俺よりも断然コイツの方がやるなと思っていた。




