第6話 失われた魔法
「サンクティ・ルミナは、失われた魔法みゅう。教えてくれるなら、助かるみゅう。……けれど……」
ミューズはちらりと魔法少女たちを見る。
「ハンターと戦ったら連絡する。それでいいのよね」
「ああ。何を狙っていたかも教えてくれると助かる」
セレストリアの言葉に恵が口を開いた。
「……あなたが知りたいのは偽物でしょ。本物の場合は?」
「本物、偽物問わず連絡しろ」
恵は首を傾げる。
「それで分かるの?」
「分かる」
「なんで?」
「私が出撃を命じていないハンターは、偽物でしかない」
「いいよ。二人もいいよね?」
二人ともこくりと頷いた。
「連絡はどこにすれば?」
「フィーネが連絡先を知っているはずだ」
「うん。後で二人にも共有しておくね」
「頼んだぞ」
セレストリアはそう呟いて、洞窟の外へ目を向ける。
「……嵐は、落ち着いてきたな。ついてこい。見せてやる」
彼女は立ち上がる。魔法少女たちがついてきていることを確認し、洞窟の入り口まで歩いていった。
「よく見ていろ」
セレストリアは剣を抜き、鍔にはまった宝石を洞窟の外に向けて掲げる。
「天照す光芒よ、裁きとなりて降り注げ。サンクティ・ルミナ」
彼女が詠唱すると、いくつもの光芒が降り注ぐ。轟音が響き、外の岩場は砕け散った。
「よし、やってみる」
「千里、変身しないと魔法は使えないでしょ」
「そうだった、そうだった」
千里は笑ってフローラに変身する。恵もマリスに変身した。フィーネもステラに変身している。それを見て、セレストリアが聞いた。
「……フィーネは変身しなくていいだろう?」
「そうなんだけど、なんとなく?」
「え、そうなの?」
「フィーネは敵幹部のステラだった頃から魔法使えてたでしょ」
フローラの言葉に、マリスは呆れたように笑う。セレストリアは真顔で続けた。
「そもそも変身だって、ほとんど自力でやっているようなものだ」
「え?」
フローラとマリスが一斉にセレストリアを向く。
「変身はミューズから力をもらってするはずだけど」
「光の女神の化身による魔法、だよね?」
「フィーネは光の女神の化身の娘だぞ」
「え?」
彼女の言葉に、三人は目を丸くした。セレストリアは「知らなかったのか?」と首を傾げた。
「……皇妃アウリナはミューズと同じ、光の女神の化身だった。人となり、お父様と結ばれた。いつも語って聞かせていただろう」
「……いつもって?」
「お前の好きな昔話だ」
「……勇者と化身のお話?」
「それだ」
セレストリアはこくりと頷く。フローラが手を上げた。
「そのお話、聞きたい!」
「ちょっと」
「だめだ」
空気が凍る。フィーネは姉をじっと見た。
「お姉ちゃん、それは本当にだめなの? それとも今はだめなの?」
「今はだめ、だな。……とりあえず、訓練に戻るぞ」
セレストリアがそう言うと、三人は力強く頷いた。
読んでくださりありがとうございました。評価、いいね、ブックマークをしてくださると励みになります。




