第85話 マナーと睡眠
あけましておめでとうございます!
今回はちょっと長めです。あと、おっぱい要素強めです。
投稿時間1月1日11時!
「あ、あれは流石にスパルタすぎる気がしないでもないですね」
「えぇ。それにマスターって猫舌なんでしょうか? さっきからスープをフーフーして何回も怒られてますね」
そんな感じでヒソヒソされながら夕食を食べています。今日の夕食はステーキとコーンスープとパンです。何故かワインもついてきています。
「あっ! ダンジョンマスター! 何度言ったら分かるのですか! 食器をカチャカチャならしてはいけません!」
違うんです! 分かってても出来ないんです! だって当たり前のことじゃん! 金属と金属がぶつかったら音がなるって。そんなの俺にはどうしようもないよ!
「でーすーかーらー! フーフーは禁止です! 冷たいスプーンで何度かかき混ぜて熱を取るんです」
だって取れねぇもん! すぐスプーン熱くなってそれで火傷できるレベルだし! こんな調子ならスプーン100本はざらだぞ?
「全く。ダンジョンマスターはホントにマナーがなってませんね」
こちとら浪人生なんだよ。そんな厳格にテーブルマナーを守らなきゃならない席なんてほとんどなかったんだよ!
ひーっ! コーンスープあちぃ! 口の中の皮めくれてないよね?
「あ、あの、ヴィーナス? マスターにはまだテーブルマナーは必要ないので何もそこまで」
あっ、ディアンヌが助け舟を出してくれた。頑張れ! ディアンヌ! やっちゃえ!
それを聞いたヴィーナスはくるりとディアンヌの方を向き、諭すように喋り始めた。
「ディアンヌさん。あなたの気持ちも分かります。確かにあと少なくても数年はダンジョンマスターにテーブルマナーというものは必要ないでしょう。
ですが、いずれ必要な時はやってきます。その時ダンジョンマスターがすぐにテーブルマナーを習得できるのでしょうか? いえ、きっと出来ないでしょう。
ならば今のうちに全部叩き込んでおくべきなのです。でないとダンジョンマスターは一生テーブルマナーを身につけることは無いでしょう」
ねぇ、なんで俺のこと庇ってたディアンヌがものっすごい頷いてるの? なんでシャルルは拍手してんの? おい! リーフィア! おめぇはなんで腹抱えて笑ってるんだよ!
ちっくしょお。俺の味方はここにはいないってわけだな!
そんなわけで俺は1時間程の地獄のスパルタテーブルマナー講座兼夕食を終えた。まぁ、終わったのは夕食だけでスパルタ講座は終わらないんですけどね。
「では次に祈りの捧げ方を・・・」
「そうじゃありません! そう! そうです! そこから背筋を伸ばしたまま・・・」
「言葉遣いがなっていません! もう一度! 違います! そこは・・・」
「文字が汚い! ここは流すようにスラッと書くのです。そして全体的にバランスが・・・」
俺はこんな生活を約1週間送っていた。そろそろ俺のストレスが爆発しそうになっている。それを感じ取ってなのかディアンヌ達も最近俺のそばによって来なくなった。
唯一俺に近づいてくるのはシャルルだ。時たま俺の体内からニュルっと手が出てきてシャルルを連れ込もうとしているがその度に手首を捻られて引っ込んでいく。
「スーちゃーん! 助けてぇー!」
『あらあら、どうしたんですか? ご主人様』
俺は最近真夜中になるといっつもスーちゃんのもふもふの毛皮の上で愚痴を垂れるようになった。
「ヴィーナスがね。厳しいんだよ」
『はぁ、でもヴィーナスさんも最近はご主人様のことを褒めてくれるようになったじゃないですか。もう少し頑張りましょうよ』
「でも、最近はマナーとかルールのことばっかりが頭に浮かんできて気持ち悪いんだよ。どうすればいいと思う?」
『あー、それは嫌ですね。なんか訳の分からない焦燥感があるんですよね。それなら眠っちゃえばいいと思いますよ。眠れば大抵の感情は薄れます』
そうなんだよなぁ。大抵のストレスって寝たら忘れてるんだよなぁ。まぁ、忘れられないものってのもあるけどね。
「俺ってそれが出来ない体なんだよねー」
『ならご主人様が作ってしまえばいいんですよ。ご主人様でも眠ってしまうような超強力な睡眠魔法を』
なるほど。そりゃまた目からウロコの発想だ。素晴らしい! 眠れないんだったら強制的に眠らせればいい。確かにその通りだ。
「おっ、それいいね! ありがと、スーちゃん」
『いえいえ、私はいつでもご主人様の傍にいますから。何かあったら教えて下さい。私もそれを聞くのは楽しいですからね。では、私はそろそろ眠ります』
なんていいペットなんや。スーちゃん。愚痴聞いてくれるし、励ましてくれるし、新しいアイデアくれるし、スーちゃんは最高のペットだね。
「うん、おやすみー」
てことで俺はすぐさま超強力な睡眠魔法を生みだして無事布団で眠れるようになったのですが、ここであの変態2人が黙っているはずがありませんでした。ここからは事件現場の一部始終です。(俺の記憶)
俺は夢を見ていた。最近はもふもふやチクチクに恵まれてはいたが、とある重要な感触を失っていた。
そう、それはぷにぷにだ。ルーちゃんが進化して以降、俺は知らず知らずのうちにぷにぷにを求めていたのかもしれない。そして、それは夢となって現れた。
穏やかな日差しが差し込む地平線も見えそうな程の大きな平原。そして、優しい風に揺られる1本のおおきな木。
俺はその下の木漏れ日の中で4匹のルーちゃんと戯れていた。ルーちゃんと言っても大きさと形がルーちゃんなだけでみんな色はそれぞれ違う。
「ルー!」
4匹のルーちゃん達は木漏れ日の中で倒れ込んでいる俺に頬ずりを絶え間なくしてくれる。ぷよぷよの感触が心地いい。
だが、そんなのんびりとした時間はすぐに終わってしまう。そう、ルーちゃん達が次第に喧嘩をし始めたのだ。右派と左派に別れて。
「ルー達の方がきもちーの!」
「ちがうー! ルー達の方がきもちー!」
そう言いながら張り合うようにして俺に頬擦りをしてくれるルーちゃん達。摩擦熱だろうか。次第に温かくなっていくルーちゃん達。
ぷよんぷよん ぷにゅんぷにゅん
心地よい感触が俺の頬を刺激する。
ちなみに右の方はとろけるように柔らかく俺の顔を包み込んでくる。左の方はすこし固めでぷよんっと俺の肌を押し返してくる。
「「ねぇ! どっちがきもちいーい!?」」
きっと、自分たちでの決着を諦めたのだろう。遂に俺に矛先が向いた。
普通、ここはどっちもきもちーよ。ありがとね。で済ますところだと思う。でも、何故だろうか。その時はそれじゃダメだと感じたんだ。でも、夢ってそういうもんでしょ?
とにかく俺は選択を強いられたのだ。そんな中俺が選んだのは・・・右だった。
「んー、今日は右のルーちゃんかなぁ」
俺がそう呟くと一瞬にして左のルーちゃん達は消えてしまい、右のルーちゃん達が俺の顔にのしかかってきたのだ。酷く人肌に酷似した温かさだ。
・・・ん? なんか聞き覚えのある声が。
「・んで・・・・・・がおお・・・・」
「・・・のほ・・・おき・・・・んですよ」
こ、この声は・・・
「き、きぃぃぃぃ!! 覚えてなさいよ! シャルル! 次は絶対に勝ちますからっ!」
「えぇ。待ってますよヴィーナス。ですがこれで今日から1週間、ご主人様の寝顔は私のものです!」
・・・何がどうなってるんだ? てか、なんで俺はシャルルの胸に抱きついてるんだ?
「あっ、おはようございますご主人様。流石ご主人様です。寝ていてもモノの良い悪いをしっかり分かってます」
なに? 俺目利き大会でもしてたの? 寝てるのに?
「お、おはよう。えっと、この状況は? あと、ヴィーナスはどうしたの?」
「ご主人様が寝ている間に私に抱きついてきたのですよ。そして、ヴィーナスは負け犬の遠吠えですね。見苦しいですね」
何やらヴィーナスは寝ている俺に目利きで負けたらしい。
「あら、ご主人様。まだ眠そうですね。いいんですよ、2度寝しても」
あら優しい。いつものシャルルなら布団を奪い去ってでも起こしそうなのに。
「んじゃ、お言葉に甘えてもう一眠りしますか」
「はい、おやすみなさいご主人様」
その後、俺は何を思ったのだろうか。最終的にシャルルの胸の中で5度寝程した。
その後ディアンヌに事情を説明されたのだが、どうやらシャルルとヴィーナスは俺に夜這いをかけたらしい。最初の方は仲良く俺の事を抱きしめていたらしいのだが、終盤になると独占欲が激しくなり、寝ている俺にどちらの胸が好きかを選ばせることになったそうだ。そして、俺が今回選んだ(たまたま寝返りして抱き着いた)のはシャルルだった。という訳だ。
「まぁ、寝るのは悪いことではないですが、くれぐれも身の安全には気をつけてくださいね」
「はい・・・」
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さて、平成も終わり新しい年がやってきましたね。一応続けられる限りは続けていこうと思います。これからもよろしくお願いします。
あっ、あとカクヨムへの投稿は止めてアルファポリスに投稿することにしました。




