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閑話 死神達の修行

今回はクリス目線の島での生活です。


あと、今回は閑話なので短めです。

あー、なんか不思議な島だな。ここ。異様なパワーがムンムン溢れてやがる。この島がハルの本体だっていうならまぁ納得できる点もあるがな。


「さぁ、クリス! 行きますよ!」


「たぁく、わかってるよ。行きゃあいいんだろ?行きゃあ!」


俺達はこの島に来てから日課となった。がしゃどくろとの特訓の為ダンジョンへと向かう。


ったく。この島に来てダンジョンに入ってみた時は驚いたぜ。全員自我があり、尚且つくそ強え。ゴブリンみてえなやつも5人抜きが限界だ。俺の範囲攻撃の威力じゃダメージにならねぇし、範囲の狭い攻撃はすばしっこくてなかなか当たんねぇ。


ちなみにがしゃどくろっつーのはスケルトンが妖怪化した個体らしいな。

体を木っ端微塵にされてもドロドロに溶かされてもまた一瞬で元に戻る不死身の体を持ったヤツらだ。そのくせ力も強え、スピードもなかなか、魔法まで使ってくる。

ダンジョンのボスとして君臨してたら絶望するレベルだな。まぁ、この島のダンジョンでは下っ端らしいんだがな。


『あぁ、今日も来たですか』


俺達ががしゃどくろの部屋に着くとそこにはガジガジと骨を噛んでいる青い狼が1匹佇んでいた。


こいつの名前はスフィア。この島でハルに次ぐ実力者らしい。確かに近くにいるだけで半端ない威圧を感じる。だが、ハルと一緒の時だけは変態にしか見えない。なぜなんだろうな。


「ちょっ、スフィアさん、俺の肋骨返してくださいよっ! もう十分でしょう?」


がしゃどくろのリーダーがスフィアの加えている骨をを引っ張ってお願いしている。しかし、スフィアはその骨を離そうとしない。


『そんな焦らなくてもいいじゃないですか。私にだって娯楽が必要なんですよ』


ちょっとまて! それには俺が突っ込ませてもらうぞっ!


「いや、スフィア。お前さっきもハルのことを舐めまくって楽しんでたじゃねぇか。なにが娯楽が足りないだよ!」


俺がそういうとスフィアは急に目付きを鋭くしてこう言い放った。


『ご主人様をぺろぺろするのは呼吸と同じなのです! あれは娯楽ではありません! 生命維持のための活動なのです!』


・・・もう、こいつのことは放っておこう。


「スフィアさんずるいですっ!! 私だって主様をぺろぺろしたいのに!」


ダメだ。姉貴もバグってやがる。


『あなたぺろぺろしたいって言っても仮面外すの嫌がるじゃないですか』


「主様をぺろぺろする為だったらそんなの弊害になりません!」


ほんとなんなんだこいつら。流石に気持ち悪くなってきたぞ。


『ふぅーーー。分かりました。そこまで言うなら今度ご主人様を1度だけ気絶させて上げましょう。そのチャンスを逃すんじゃありませんよ』


「えっ!? ほんとですか!! ありがとうございます! 私! 頑張ります!」


もうやだこいつら。


俺が頭を抱えながら横目でがしゃどくろ達を見るとそいつらもまた頭を抱えていた。


すると骨を引っ張っていたリーダーが人差し指を立ててスフィアに忠告を始める。


「スフィアさん。あなたやりすぎる傾向がありますから忠告しておきますがね。ご主人様を傷つけることは許されませ『分かってますよ!』」


うっおー、すっげぇ食い気味に来たな。こわっ。


『だいたい私がご主人様にダメージを与えられるわけないでしょうが! 本気で攻撃してあの体を破壊出来る位はの力しかないのですよ!?』


「それだけでも十分バケモノなんですけどね」


『あっ、もう怒りました。罰としてこの肋骨は今日から私のものです。異議は認めません』


どうやらスフィアにバケモノというワードは禁句だったらしい。スフィアが肋骨を放り投げるとそれはどこかに消えてしまった。きっと収納みたいなスキルを使ったんだろうな。


『では、私はこれで失礼しますね。今ご主人様が私を求めているような気がしますんで。(現在、ハルはムガル達を説得中)それでは』


そういうとスフィアは思いっきり地面を踏みしめて駆け出した。するとすぐにその姿は消えてなくなった。


「はぁ、私の肋骨はまたスフィアさんに奪われてしまいましたが始めましょうか。クリスさん、リリスさん」


リーダーがそう言って手を叩くとがしゃどくろ達が俺達を取り囲むように陣を取る。


「さぁ行きますよ。今回は全員を1度戦闘不能に出来たら貴方達の勝利です」


「おうよっ! やってやろうじゃねぇか!」


「主様の為にも頑張ります!」


「ふむ、やる気は十分の模様。それでは行きますよ!」


リーダーがそういうとがしゃどくろ達が一斉に俺達の方へと飛びかかってくる。しかし、その攻め方は稚拙なもので好きだらけだ。

俺達を舐めているのが分かる。


「けっ! 舐めやがって! お前らもっと脚はええだろうが!」


俺はがしゃどくろ達が繰り出す攻撃をぬるりと躱しながらケチをつける。


「まぁ、本気で行くと一体一でもいい勝負になるんでしょうが貴方達に求められる、そして得意なのが集団戦ですから。このぐらい手を抜かなければね」


俺の目の前のがしゃどくろがカタカタと顎を鳴らしながら答える。


「どりゃーーー!」


バキィ! バラバラバラン!


「おおっ! 今回はかなり早く1人やられてしまいましたね」


「主様のぺろぺろが待っているんです! ここでグズグズしてられません!」


今回はリリスのやつ気合い入ってんだなぁ。そんじゃ俺もそろそろ避ける練習止めてアクセル踏み込むか。


「ほう、ようやくやる気になったようですね。さて、今日はどんな魔法を見せてくれるのやら」


「カッカッカッ! 今日は俺お手製の神聖魔法を御見舞してやろう!」


「死神が神聖魔法とは・・・! 興味深い! 受ける価値があれば受けてあげましょう」


へっ、余裕ぶっこいてんのも今のうちだぜ。俺も成長してんだよなぁ!?


「苦悶の霧ぃ!」


俺がそう叫び魔法を起動すると俺の口から濃い紫の煙がもくもくと浮かび上がる。それを見て焦ったがしゃどくろ達が叫びながら突撃してくる。


「なにが神聖魔法じゃゴラァァァ!」


全員目が血走って・・・は居ないけど必死の形相・・・でもないけど、必死に飛び込んできた。俺はそれをするりするりとすり抜けて紫色の煙を吐き続ける。


「ケーッケッケッケ! 死神が神聖魔法なんざうてるわけねぇだろ! ぶぁぁぁぁか!」


「ちっくしょっ! こいつほんとに食えねぇやつだ! それにこいつらの悪質な所はクリスの毒はリリスに効かねぇとこなんだよなぁ!」


そうなんだよなぁ・・・だからアイツを止めるのはしんどいわけで。ほら、アイツまたグーパンで骨砕いてやがる。ヒュー、怖怖。


「ぐはぁっ、くっ、毒が効いてきやがった!」


・・・いつも思うんだがこいつらどこに毒が作用して苦しんでるんだ? 全く分からん。


「骨の髄に沁みるんだよ!」


あっ、考えてることバレたな。まぁいいや。後はリリスの後ろに隠れて援護しておこう。俺じゃあアイツらを砕けねぇからな。


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


『はぁ、まぁご主人様のペットとしてなら合格点をあげてもいいんじゃないですか? まだ妖気を吸い切ってないんですし』


『はぁ、スフィアさんは相変わらず厳しいっすねぇ』


『当たり前でしょう。ご主人様を護るとなればそれだけの強さが必要ですから。そうですね・・・あの人たちにはあの10倍は強くなって貰わなければ困りますね』


『なら、がしゃどくろと特訓してる場合じゃないんじゃないすか?』


『いえ、今はこれでいいのです。あの子達なりにご主人様の役に立ちたいということが伝わってきますし、今の段階ならがしゃどくろが1番です』


『でも、クリスの毒を生かすなら小鬼達100人切りとかの方がいいんじゃないすか?』


『リリスもそうですがクリスもまだなにか切り札を隠しているような気がします。それもとある事情があって。

それなら今は毒の使い方ではなく、それ以前の身のこなしを練習するべきです。それなら何度でも使えるがしゃどくろの方が有効です』


『相変わらず自分の勘を信じ込むんすねぇ』


『これは勘ではありません。確信、そして真実ですよ』


『はいはい、そういうことにしておきましょうかね』


『・・・はぁ、これが分からないようではご主人様にこの子が会えるのはどれだけ先のことになるのやら。さぁ、貴方も訓練しに行きますよ』


『りょーかい、スフィアさん』


黒と青の閃光がダンジョンを駆け抜けた。



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