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第72話 魔法神誕生!

アイネ達の魔法の教材を作るために俺は魔法の創世者を起動する。なぜなら今から魔法を教えるための魔法を作り出すためだ。


アイネ達に伝えた魔法自体は出来てるし、構造や詠唱も魔法の創世者で確認出来るんだけど複雑過ぎるので教えるのに時間がかかりそうなのだ。

だから直接脳に注ぎ込めれば早いし確実だと思うんだ。

ちなみに俺は構造とか詠唱とか全く暗記していない。してなくてもなんか撃てる。多分これも魔法の創世者の効果だと思う。


『うん、その通りだよ。でも、キミがその魔法を作るにはちょっと早いかな? でも、君のメンツもあるしそろそろ僕も起きようかな?』


・・・このパターン知ってる。


『ははっ、その通りさ。僕はみんなとは違ってマナを消費して現れるからそのつもりでね』


多分、魔法の創世者であろうスキルがそう言った途端、俺の体からかなりのマナが吸い取られるのを感じた。多分1万位は持ってかれたと思う。


マナが吸われると同時に俺の体から沢山の光の粒が溢れ出し目の前に集合する。しばらくするとその光は人の形を形成していった。


やがて光が消えるとそこには身の丈は高く、痩せ型の銀髪の青年が立っていた。魔法使いっぽいとんがり帽子を被っている。服装は足元まである茶色い古ぼけたローブを身につけている。


「ふぅ、初めまして。私の名は魔法神エラス。かのルネサンス期最大の人文学者として名を馳せた人物から名を取っている。どうぞよろしく。これからこの身を君の為だけに注ぐことを誓うよ」


そう言うとエラスは胸に手を当てて跪いた。


えーと、、、これはどうすればいいのだろうか。こんなことされたことないから分かんない。

そんな状態が数十秒続いた時、ディアンヌがポンとエラスの横に現れた。


「エラス。マスターが困っていますよ。そろそろ顔をあげなさい」


エラスはその声を聞いて顔を上げ、ディアンヌの方に微笑んだ。


「おや、ディアンヌ。お久しぶり。アルバムは順調に埋まってきているのかい?」


そういやディアンヌってなぜか写真を撮ることが出来たよな。どうやってるんだろう。また今度聞こうかな。


「なっ、なななっ! 何をいってるんですか!? エラス! こっちに来なさい!」


なんかディアンヌが焦りだした。あっ! もしかして結構恥ずかしい写真とかが入ってるんじゃないの? 自撮りとか! これは弱みを握るチャンスかも知れない。後で探しておこう。


「ごめんね、今から僕と君のマスターは共に子供のための教本を書かなければならないのでね。少し猶予が欲しいな」


そう言うとエラスは指を鳴らした。するとディアンヌは一瞬で目の前から消えてしまった。


「あぁ、ハル。大丈夫だよ。きっとディアンヌは今とっても楽しい場所にいるからね」


ディアンヌが楽しむ場所・・・気になる! なんかエラスに色々聞いたらディアンヌの弱みをいっぱい握れる気がする!


「残念ながらそれは出来ないなぁ。そんなことしたらブチ切れたディアンヌ達が攻め込んでくるからね。

ディアンヌなら僕だけでも何とかなるけどシャルルが来ると終わりだから。僕は僕で自分のことが可愛いんだよ。勿論、命を懸けてハルを守るのはほんとだけどね」


何そのシャルルに対する恐怖。そんなにシャルル強いの?


「まぁ、最強の一角には入るだろうね。まず、彼女には魔法が効かないからね。そんなの暗殺と関係ないってのは触れないようにね」


「でも、エラスも強そうな名前のスキルだったけど?」


「あぁ、僕も強い方には入るよ。接近戦でも半蔵と渡り合えるぐらいにはね。まぁ、半蔵が絡め手だったり、大人数との戦闘に特化してるからってのもあるけどね。でも、シャルルは別格だよ。あれはバケモノ。

まぁ、そんなことは置いといて早速子供たちの為の魔法を開発しようか」


そんなこんなでエラスと俺とでの教育魔法の研究が始まった。エラスは流石魔法神と言うだけあって、俺が思いつかないようなアプローチで魔法を編んでいく。


「俺は最初に闇魔法で脳内に直接書き込もうと思ったんだけど」


「うん、ハルのやろうとしてることも出来なくはないね。寧ろ良い考えだと思うよ。

でも、闇魔法を使ってしまうと洗脳っていう要素が強くなって、魔法が何らかの現象で切れてしまうと全てをすっかり忘れてしまう。


だから、僕は脳に電気刺激を与えて記憶させるのがオススメだよ。人の脳というのは何度も同じ刺激を受けるとそれを大事なことだと認識して忘れなくなるからね。

それが出来ればあとは脳で分かっていることを体に落とし込むだけさ。それは流石に記憶というよりは努力や才能に左右されるね」


そんな感じでエラスは殆どの道筋を示してくれた。おかげで1時間ちょっとで魔法を創り出すことが出来た。


早速アイネ達にかけて見ると魔法はちゃんと効いていたようでアイネ達は「なんか勝手に浮かび上がってる来る感じ」って言ってた。

アイネに教えた魔法であるメルティという火属性魔法はややっこしいので時間がかかったがそれ以外の子達はみんな直ぐに習得出来ていた。


「エラス、これは成功でいいんだよね?」


「あぁ、大成功だね」


「良かったー! エラスのおかげだよ。ありがと!」


「うんうん、喜んで貰えてよかったよ。さてと、僕はちょっとやることがあるからハルはちょっとみんなに魔法の使い方を伝授しておいてね。

特にメルティと具現の霧は使い方に注意しないといけないからね」


ディアンヌでも迎えに行くんだろうか? でも長い時間待たせてたし、怒ってるかもなー。


「うん、気をつけてねー」


「わかったよ。じゃあね」


エラスはそう言うとパチンと指を鳴らして俺の前から消え去った。


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


「さてと、ご主人様にはまだバラしてないけど君にはお仕置きをしなきゃいけないね」


エラスは魔法で作り出した空間でとある女性と二人きりだった。ちなみにその女性は手足を魔法のロープで縛られている。


「ち、違うんですよぉ! 聞いて下さい! 私も他の人に脅されてたんですよぉ!」


「ふーん。ならご主人様にそう言えば良かったじゃないか。それともご主人様に知られたら不味いことでもあるの?」


「そっ、それは! な、ないとは言いませんけど・・・」


「だよね。それに他の神が撮った写真も自分の懐にしまい込んでいるみたいじゃないか」


「なんでそのことをっ!」


「キミには前々から危機感を覚えていたからね。ずっと監視していたんだよ」


「この変態! ストーカー!!」


「なんとでも言うがいいさ。とにかく君の能力はしばらく、全てこの空間の域を出ることはなくなった。

君の所業も全てみんなに知らせてくるからね。シャルルがどんな行動を取っても僕は知らないからね」


「ひいぃぃぃっ! シャルルだけには! シャルルだけには!」


エラスはそんな女性の悲鳴を無視して指をパチンとならし元の世界へと戻って行った。



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