第67話 ついに入浴!
今回はちょっとだけ長めです。
遂に温泉に入ることが出来るようになった。お風呂のあとのミルクやアイスなども完備している。あとはリーフィアにとあることを頼むだけだ。
「ねぇリーフィア。椛と桜の苗とかって手に入らない?」
「それぐらいなら今すぐにでも生やせるけどどうかしたの?」
リーフィアは首を傾げながら答える。
「温泉に生やしたいなーって思ってね」
「うーん、でも今の時期は桜も椛も盛りの季節じゃないわよ? 流石の私でも季節を乗り越えることは出来ないわ」
ふっふっふっ、そんなことは百も承知! そもそも桜と椛の盛りって全く逆の季節だもんね。それが両立出来ないことは予想の範囲内だ。
「俺がなんとかするから出来るかな?」
「まぁ、そこまで言うんならやって来てあげるわ。それでどの湯に生やしたらいいのかしら。両性類湯?」
なんだそのヌルヌルしてそうなお湯は。まぁ、多分俺の入る温泉なんだろうけどさ。
「そうだなぁ。男湯に入るのは問題ない気がするけど女湯に入ると桶を投げつけられそうな気がするから俺の入る温泉だけに生やしといて」
「分かったわ。でも私も椛と桜が両立してる姿見たいからそっちに行ってもいいかしら?
私、服とか脱がないで入れるから! ダメかしら?」
・・・多分外聞的にそれはまずいよな。俺がリーフィアを温泉に連れ込んでー、とか言われかねない。
「んー、俺が出たあとじゃダメ?」
「出来ればハルと一緒に見たかったんだけど、無理ならそれでもいいわ」
なんか、素直に引かれると可哀想になっちゃうよなぁし、許したくなっちゃうよなぁ。
まぁ、服も脱がないみたいだし今回は許しておこう。
「じゃあ今日だけだよ?」
俺がそう言うとリーフィアはものすっごい笑顔を俺に向けてきた。
「えぇ、ありがとう! ハル! それじゃ私は生やしに行ってくるわね」
「うん、お願いね」
リーフィアはそう言うと温泉へと飛んでいってしまった。俺もついて行きたかったんだけどなぁ。まぁいっか。俺も牛さん達から搾らせて頂いたミルクとかを冷やしたり、アイスクリームを取り分けたり、色々な準備をしておこう。
「嫌ですぅ! 島の主様! 私、カエルになりますからそっちに入らせてくださいぃ!」
「ずるいですっ! クリスだけそっちだなんて! 私も同じ種族なんですからそっちに入れてくださいぃ!」
「ルーもっ、ルーもっ!」
みんな温泉に入る準備が出来たのでいざ入ろうとするといきなり性別の問題が出てきた。
俺が両性類湯に入るのを許可したのはリーフィア、クリス、スーちゃんのみ(クリスは「いや、性欲とかそんなんはねぇけど姉がうるせぇから大人しく男湯入るわ」と辞退した)だったのだが、それにごねたのはヒカリ、リリス、ルーちゃんの3人だった。
いや、流石にちゃんとした女の子と入るのはダメだと思うんです。
「いやぁぁぁ! ルーはご主人様と入るのー!」
ヤバいっ! ルーちゃんが泣きながら駄々こね始めちゃった! アイドルだから嘘泣きだったりするのかな?
「嘘泣きじゃないのぉぉぉ!」
嘘泣きじゃないみたいだ。でもなぁ、流石になぁ。うーーん、どうしよう。
俺が悩んでいるとルージュとシャルルが駄々をこねる3人に耳打ちをする。
するとみるみるうちに3人の顔が笑顔になっていく。そして仕舞いにはるーちゃんに「ルー、我慢するー」とまで言わせてしまった。
何を話したんだろうか。物凄く気になる。でも、ほじくり返すとルーちゃん達がまたごね出す気がするからやめておこう。
てことで問題も解決したことだし、温泉にレッツゴー! 俺とリーフィアとスーちゃんが脱衣場に入るとそこにはクーラーや扇風機、ドライヤーなどが置いてあってかなり充実してる。勿論ウォータークーラーもあるよ!
俺は着てる服を出来るだけ早く脱いで浴場へと向かう。スーちゃんとリーフィアは脱ぐものはないのでそのまま浴場へ行ってしまって寂しかった。
「うおっ! 監視カメラで見てたけど自分の目で見ると更におっきく感じるな!」
こんなに広くなくてもいいだろって感じの洗い場。それに電気風呂とか水風呂とかサウナとかそこら辺も充実してる。
ちなみに電気風呂は友達に1回突き落とされてからトラウマなのだ。絶対に入らないからな! フリじゃないぞ!
まぁ、でもまずは体を洗ってからだよね。ってことで律儀に入り口の前で待ってたスーちゃんをわしゃわしゃ洗って、自分の体も洗って準備完了だ。
俺が最初に浸かることにしたのは露天風呂だ。露天風呂って屋外にあるから最初に入るには結構温くていいんだよね。
俺が露天風呂に入るため、ドアを開けるとそこには大きな夕日が見えた。空も海も淡くもあり、濃くもあるあのなんとも言えない橙色に染まっている。
そして露天風呂の左には大きな桜が、右には椛の木が植えられていた。どちらも緑の葉をつけている。
まぁ、風景は後で楽しむとして今は温泉だな! ひゃっほう!
「ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛」
いかん、温泉に入るとおっさんのような声が出てしまう。いや、今の声おっさんよりもゾンビって感じだったよな。
でも、湯加減はちょっと暑い位でぴったりだし、なんかお湯は白く濁ってるけどちょっとだけいい匂いがする。でも、いい温泉って硫黄とかで臭いイメージがあるからこれはどうなんだろう。
「ふわぁぁぁぁ! 気持ちぃぃぃぃ……」
リーフィアも温泉を気に入っているみたいだ。ただ、ヒラヒラの服を着たまま湯に浸かっているのが着衣水泳の時の「これじゃない・・・!」感を蘇らせてくれる。
スーちゃんは流石狼というだけあって犬かきで温泉を泳ぎ回っている。顔がトローンとしているので気持ちいいみたいだ。
「さてと、じゃあ椛と桜を咲かせますか!」
俺は奇術の世界を使用し、桜には春、椛には秋が来たと思わせるように気温や気候、時間などの錯覚を起こさせる。
本当は苗を育てるのもそれでしようと思ったんだけどリーフィアがちゃんとした木の状態まで持って行ってくれたから比較的簡単な仕事で済んだ。
「うわぁぁぁ! すっごい綺麗な桜ね」
確かにリーフィアの言う通り桜も綺麗だ。満開ではなく、七分咲きでまだ開花してない桜の蕾もある俺の一番好きな桜だ。
色も普通の桜よりもほんの少しだけ濃い色をしており夕日の光にも負けないような美しさがある。
だが、俺は椛の方が好みだ。何が良いかってまだ緑の葉っぱが残っているのが良い!
真っ赤な葉っぱもあれば黄色い葉っぱもある。はたまた緑の葉っぱも数は少ないながらも何枚か残っている。
そんな椛が秋の初めの方の山のミニチュアみたいで俺はとっても気に入った。
「さぁてと! 大人になったらこれをやってみたかったんだよね〜!」
俺が取り出したるは木で出来た桶におちょこにとっくり! 勿論中身は熱燗だ。
俺は桶にお湯を汲んでその中にとっくりを入れる。こうしたら多分冷めにくいだろう。知らないけど。
ちなみに熱燗は温い温度でゆっくりやると美味しくないらしいので沸騰したお湯で温めたのを保管庫に入れて置いた。ちゃんとおちょこも事前にあっためておいたぞ!
どこ情報かって? 姉情報だよ! あいつ未成年にお酒つがせるって頭おかしいと思うんだよ。うおっ! 今なんか寒気したっ! ここ異世界だよね? 異世界にまであんなのがいたら俺の体が持たない。
ちなみに俺は元の世界に戻りたいとかはこれっぽっちも考えてない。だって戻っても俺そこでは骨ボッキボキだよ? 最悪ミンチになってるかもしれないのに戻りたいわけないじゃん。こっちの世界も楽しいしね。
「あっ! いいわね! それ私にも頂戴!」
「仕方ないなぁ。どうぞ」
俺はおちょこを1つリーフィアに渡し、そこに熱燗を注いでやる。
「ありがと。うわ、普通に飲むより味が濃くなってるわね! これはこれでありね」
リーフィアはうんうんと頷きながら飲んでいる。ちなみに俺はお酒初心者なのでそんなの分かんない。なんかカッコイイからしたかっただけだ。でも、お酒の味や香りは嫌いじゃない。つまり好きってことになるのかな。
「たまにはこうやってのんびりするのもいいかもなー」
「ハルはいっつものんびりマイペースじゃない」
俺の独り言にリーフィアが笑ってツッコミを入れる。
「そうかもな。でもやる時にはやるんだぞっ!」
「そうかもしれないわね。楽しみにしてるわ」
うん、幸せだ。酒の違いとかあんまよくわかんないし、風呂で熱いお酒を飲む良さなんかわかりっこないけど幸せだ。
桜の花びらがヒラヒラと落ちて桶の中に落ちる。
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その頃、女湯では
「あーー! そこです! そのアングルですっ!! あぁぁぁぁ! 良いですねぇ!」
「まだまだですね、ディアンヌ。ご主人様はこのアングルが、いえもう少し右、、、ストップ!! そうそれですっ! あーーっ! まさに神たる神々しさですっ!」
「ふっふっふっ。皆さん甘いですよ。あまあまのあまちゃんです! ご主人様を写すにはこのおちょこからのアングルがっ!」
「あぁぁぁぁぁぁ! それ神っ! ヤバいって! それヤバイって!」
「ディアンヌ、語尾が崩壊してますよ? どれどれ? うわぁぁぁぁっ! なんですかこれっ! ヤバっ! やばばい! ばばいっ!」
「ルーも! ルーも見る!」
「主様の裸っ! 裸っ!」
「島の主様、、、エロいです!」
「うおっ! ルプル中々やるなっ!! そのアングルはうぉぉおおおっ!」
「でしょでしょー!」
「・・・馬鹿ばっかり。むふふ。でも写真の技術では誰にも負けられない。私もっ・・・!」
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その頃、男湯では。
「しっかし、うるせぇなぁ! ちっとは静かに入れねぇのかっ!」
「全くじゃな、温泉とは静かに入るものなんじゃ。というよりあんな騒いでハルには聞こえんのか?」
「ママの話? 僕も入りたい!」
「あーー、お前にはまだ早い。ほらっ、クラゲさんだぞ!」
「ふおぉーー! ぶくぶくっ! すごぉいっ! 持っかい! もっかい!」
「よっしゃ! 見てろよ!」
「ソラって子供あやすのうめぇなァ! なんかやってたんかぁ?」
「精霊達の世話で慣れとるんじゃろ」
「あぁ、精霊も妖精も精神が幼ねぇもんな」
「そゆことじゃな」
「ぶくぶくっ! ぶくぶくっ!」
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あぁ、書きたかった回がやっと書けた、、、ここまで駆け足で来ちゃったので、少し前話らへんに修正加えるのでまた報告しますね。




