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第60話 妖精さんといっぱいの聖水!

今回はちょっと短めです。

俺はスーちゃんがお腹いっぱいになるまでハンバーグを食べさせてあげたあと、水の大精霊に頼んで島の妖精達を招集した。

どうやら大精霊よりも下級妖精の方が力が強いため、水の大精霊はかなり疲れた顔をしていた。

悪いことしちゃったなー。


妖精さん達を集めた理由はカンネル王国で作った聖水をおすそ分けするためだ。妖精さん達にはいっつもお世話になってるからね。


「せいすいですかーー?」


「せいすい凄いですー!!」


みたいな感じで妖精さん達はみんな大喜びだ。珍しくリーフィアもテンションがぶち上がりしていた。


「これって聖水!? 聖水よね!? これ私たちにくれるの?」


「うん、いつでも作れるようになったからね」


「ホントにっ!? うわぁぁぁ! 凄いわ! あんなに貴重だった聖水がいっぱい手に入るなんて! ありがとう! ハル!」


いつの間にか俺の事をハルって普通に読んでくれるようになったリーフィアが嬉しそうに言う。


そういや、シャルルが聖水はおとぎ話で出てくるレベルのものって言ってたよな?

でも、精霊達がみんな知ってるってことはそれほどレアなものじゃないのかな?


「そんなわけないじゃないっ! レアもレア! すっごくレアなのよ!」


リーフィアが俺の胸ぐらを掴んで揺すりながら叫ぶ。てか、リーフィアにまで心読まれた!


「く、くるしぃよぉ、離してぇ」


そんな俺の声は今のリーフィアに届くはずもなく、聖水について語り出す。


どうやら聖水というのはとある精霊の聖地にある泉からしか湧き出さないものらしい。ただ、そこにあるゲートはいつも開いているわけではなく、1年に1度、1日の間しか開いていないらしい。

だから、精霊に取っての聖水はありがたーいものなのだそうだ。


「ほんとっ! 精霊王のクソがあそこのゲートを1年に1度しか開けないからダメなのよ! 自分の身内だけで独占しやがって!」


なんかリーフィアがどんどんヒートアップしてきたな。精霊王か。なんかめちゃくちゃ偉そうな名前してんだけど、愚痴とか言って大丈夫なの?


あっ、水の大精霊が飛んできた。


「ほんと腹立たしいですよね!! 私も1度妾にならないかって誘われましたし!」


えっ? 身内ってそういう身内? 案外精霊たちも汚い欲とか持ってるの?


「ほんっと! あいつはしつこいくせに力も持ってるから腹立たしいのよね!

まぁ、でもこれであんなやつと合わなくても聖水が手に入るようになったのよね。ほんと、ハルには感謝してもしきれないわね」


「ほんとですね、特級妖精さま! ハルありがと!」


「私のことは特級妖精じゃなくてリーフィアって呼んで。私の大切な名前なの」


なんだろう。めっちゃくちゃ恥ずかしいんだけどぉ?


「はい! リーフィア様!」


「ま、まぁ喜んでもらえたなら良かったよ。

ほら、色々あるから好きなの取っていっていいよ。多分人数分はあるはずだから」


「ありがとですーー!」「一生ついていきますのー!」とかお礼を俺に言いながら興味のある聖水を持っていく妖精達はほんっとに可愛い!


「えっ!? こんなに美味しいのっ!? こんなのあそこにもないんじゃないの?」


リーフィアが看破の聖水を口にしながら驚いた声を上げる。ちなみに看破の聖水はビターなジンジャエールみたいな味に仕上がっている。

もちろん炭酸は入ってないんだけどね。


「そうなんです! ハルの作った聖水は全て美味しいんですよ!」


「これ、ホントにあそこ行く意味無くなってきたわね、、、」


うんうん、リーフィア達も味に満足したみたいだし水の大精霊と一緒にしたことは無駄じゃなかったみたいだな! シャルルは怖かったけど。


「聖水無くなっちゃったのー」


そういって妖精達が空になった瓶を持って俺に集まりだした。


・・・これはおねだりかな?

うーん、でも材料はもうないから誰かに買ってきて貰わなきゃいけないし、おねだりには答えられそうにないなぁ。


「また、材料買ってきて貰えたら作ってあげるから今日は我慢してね?」


「うー、我慢するです」


「楽しみにしてるのー!」


みんなちゃんと我慢してくれるみたいだ。優しい子達ばっかで良かった。


「ちょーーっと、まったーーー! 」


ここで待ったをかけたのはリーフィアだ。


「ねえ、ハル。聖水っていうのはね、精霊の大大大大大好物なの! だから、材料は私たちがたっくさん用意するから毎日飲めるようにしてくれないかしら!?」


リーフィアが手を合わせてスリスリしながら俺に頭を下げる。


「あっ、材料くれるんだったら良いよ。でも、作るのは夜だからね? いつでも作るってわけじゃないよ?」


実は俺も、もし薬草とかの栽培をリーフィア達が出来るのであれば頼もうと思っていた。


なぜなら、夜にすることがないから俺にとって夜ってのは退屈なのだ。

みんな寝ちゃってるからおしゃべりも出来ないし、ネットもスマホもない、本すらない。

そんな中眠れない俺は夜はただただ退屈な時間だった。

でも、聖水を作るという仕事、そして新しい聖水の研究という遊びがあったなら夜の時間を少しでも有意義に過ごせるのではないか?

という考えで依頼しようと思っていたのだ。


「ほんとっ!? やったぁ!! ありがとぉ! ハル!!」


「わーい! やったのです!」 「聖水うれしいのです!」 「おいしいのいっぱいなのー!」 「うゆー!」 「農業・・・がんばりゅ!」


俺の返答を聞いた瞬間妖精達はもうめちゃくちゃに喜びまくった。

そこら辺をビュンビュン飛び回ったり、何故か地面をぽこぽこ叩いて転がり回ったり、それぞれの方法で喜びを表現していた。


「んー、でもそんなことしたら精霊達でこの島が溢れちゃったりしない?」


聖水がそんなに好きなんだったら、聖水につられてこの島に全世界の精霊が移住するとかも現実になりそうだ。


「大丈夫よ、私が全て管理するわ。移住は今いる妖精と精霊以外は拒否、でも訪問は1人1週間に1回までOKにするわ。流石にそれ以上になるとハル達に迷惑をかけちゃうしね」


「うん、そうしてくれると有難いな。でも、そんなの管理しきれるの?」


「この人を誰だと思ってるのよ! 特級妖精様なんですよ! このぐらいおちゃのこさいさいですよ!」


なんか水の大精霊が割り込んできた。なんか水の大精霊って段々リーフィアの取り巻きみたいになってきてない?


「まっ、そういうこと。そのぐらいなら面倒にもならないレベルのことだし安心して任せてちょうだい!」


「まぁ、リーフィアがそう言うならいいんだけど無茶だけはしないでね?」


「ふふっ、分かってるわよ。私も島の住人の自覚ぐらいはあるわよ。じゃ、またね」


「あっ、待ってください! 早速薬草とかの畑作るんですよね? 私も手伝いますー!」


そういってリーフィアと水の大精霊はすたすたと歩いていってしまった。

なんか、リーフィアの捨て台詞が妙に嬉しかったのは気の所為だろうか。

多分俺の顔真っ赤なんだろうな! 顔がポカポカするもん!


俺がそんな悶々とした気分に陥っている時、リーフィアと立ち代りに現れたのはディアンヌだった。


「マスター。少しお話がございます」


「どうしたの?」


ディアンヌは珍しく真面目な表情をしており、俺も緊張を隠さずには居られなかった。


「これはご主人様にとっては、かなり受け入れ難い話かもしれません。ですが、どうか今から話すことについては冷静に判断してください」


うん、いいことじゃないのは分かった。でも、この島が抱える大きな問題なんてあったけか?


「そうですね、ご主人様からすればもう終わったことかもしれません。

ですが、他の国にとってはそうではないのです」


「あーーー、なるほどね」


もう、この辺りで見当がついた。

ただ、その問題がどう発展していて、ディアンヌはどのような判断を下して欲しいのか。それが俺には分からなかった。


ただ、ディアンヌの持ってきた問題とは俺の想像通りの出来事だった。


「もう、簡潔に言ってしまいましょう。ブリクスト大皇国の抵抗が予想よりも激しいものであり、マスターに救援要請が届いております」


「まぁ、そんなとこだよなぁ」


俺達がしたことで他の国との抗争に発展しそうなのははブリクストの件と、エルフをフルボッコにした事だけだ。

でも、エルフ達は俺達がこの国の住民というのをまず分からない。

そして、もし分かったとしてもそんなすぐに国を困らせるような行動は起こせないだろう。

なにせ、体がボロボロでまだ歩くことすら困難な状況なはずだからだ。

と、なるとブリクストしか残っていないってことになる。


そして、他の国にとっては終わってない。それはつまり、まだ終戦していないということだ。

そして、ディアンヌはその救援をしたい。


そこまでならばある程度受け入れる準備は出来ていた。しかし、俺はこの後のディアンヌの取った行動に不意打ちを食らうことになる。


「しかし、私達はブリクストとは条約を結び相互不干渉を誓い合った身、今から宣戦布告するのは世論の反発を招きます」


えーっと、それは初耳なんだけど。まぁ、良いけどさ・・・


「そこであてつけの理由だったり、裏でやったりするみたいなことが必要です。

例えばとある人物の革命を支援する、などの。」


「・・・なにがいいたいの?」


俺は最初なんで、ディアンヌは参戦する前提で話しているんのかを問おうとした。

しかし、それは断るならば全て同じことだから話さないというディアンヌの意志を感じ追求することはしなかった。


「ご主人様に説明するには実際に連れてきた方が良いでしょう」


ディアンヌはパチンと指を鳴らす。


「・・・はぁ?」


俺はディアンヌの横に現れた人物を見て、驚くしかなかった。

現れたのは長いロングの青い髪を持つ少女。


そう、海竜の巫女だったのだ。


ここまでご覧いただきありがとうございます!

よろしければブックマーク登録などよろしくお願いします!


上手く書けるか分かりませんが、次からはまた少しだけ他国との諍いが始まります。


ぬわぁぁぁぁ! 温泉回がどんどん遠のいていくぅぅぅ!!!



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