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第123話 好感度UP2

アルアインには当然ながら人間の冒険者もいる。ソリージョの放屁がどれくらい臭いか人間に聞いてみた。

曰くー


『人間でも直撃したら吐くレベル』

『残り香だけでも獣人が経営する店は出禁になる』

『アルアイン冒険者が一番最初に習うことは"ソリージョの依頼は受けるな"ということ』


あのギルマス~、外部のAランク冒険者が来たから、これ幸いと厄介払いを押し付けてきただけじゃねぇか。だが依頼を受けてしまった以上、完遂しないと信用に関わる。仕方ない、放屁を食わらないで討伐する方法を考えよう。最悪燃やす。


・・・・・・


翌日、D、Eランクの人間の冒険者パーティをいくつか雇った。彼等にやってもらうことは血抜きだけだ。ちなみに獣人のパーティには尽く断られた。


『本当にソリージョに接触しないのですよね?』

『オナラされたら帰っていいのですよね?』


と、何度も確認された。そんなに臭いがヤバいのね。


事前にレイラがの気配察知で確認したが、山のふもとを少し確認しただけで2〜300匹はいた。山1つだと2〜3000匹はいるのではなかろうか。

まぁいい、さっさと終わらせよう。


「レイラ、敵の状況は?」


『約500メートル先の水場に200匹ってところかね』


「了解。殲滅するか」


弓を準備すると、雇った冒険者に驚かれた。


『こ、ここから撃つのですか?』

『距離は500メートルあるって言ってましたよね?』


普通ならそういう反応になるか。説明するのも面倒だ。


「まぁ見ておけ」


とだけ言っておく。


ヤエが射程距離上昇の魔法陣を描く。

食用のとして肉を確保したいので余計な魔法は付与しない。多少矢傷は目をつむってもらおう。


「アローレイン」


500メートル先から魔物の断末魔っぽい鳴き声がこだまし、直ぐに静かになった。


「どうだレイラ?」


『半数以上の反応が消えた。生きてる奴は逃げて行くね。予定通りだよ。まだ、かろうじて生きてる奴は放屁する前に私が先行して隠密状態で殺してくるよ』


「頼む」


D、Eランク冒険者がポカーンとしているので声をかける。


「諸君、500メートル先に死体が100体以上転がっている。駄目になる前に血抜きを頼むよ」


『り、了解』

『まさかこんなに簡単に討伐するなんて…これがAランク冒険者の実力…』

『断ろうか迷っていたけど、受けて良かった』


等々、反応は様々だ。

これを繰り返せば依頼を達成出来るだろう。

…そう考えていたが、少々甘かった。

2回目のアローレインで連れてきた冒険者だけでは死体の処理が追いつかなくなったのだ。

そのため一旦切り上げてアルアインに戻ることになった。そしてここでも誤算が発生。300体近いソリージョの肉が一気に市場に流れたため、肉の価値が大暴落。肉の売却での収入が見込めなくなった。今日のように冒険者を雇って処理させていたら完全な赤字になる。仕方ないので討伐して放置ししようか考えていたところ、ムハンマドさんが助け船を出してくれた。ソリージョの肉は全て買い取るとのこと。それではサルマン商会が損をするのでは?と質問したところ、ソリージョの肉を無償で提供するお祭りを企画しているらしい。


『商会のイメージアップ戦略の1つだよ。他の主だった商会からも色良い返事を貰えたし、大した損にはならないから遠慮なく殲滅してくれたまえ』


とのことだった。

そして次の日、同じ様に冒険者を雇おうとしたたころ、屁を食らわずにソリージョを倒したという話は一晩で広がっており、獣人の冒険者が多数参加することになった。前日と同じ戦法を実行したが、獣人達は嬉々としてソリージョの死体を処理していた。積年の恨みといったところだろうな。

結局その日は魔力切れギリギリの12回アローレインを放ち、2000匹近いソリージョを狩ったことで依頼達成となった。


そして2000体もの肉なんて普通は処理し切れないが、さすが世界一の商会が仕切っているだけのことはあり、肉の受け入れ態勢は完璧。滞りなく処理されその日から3日間、ソリージョ肉祭りが開催された。肉は、屁をこく魔物とは思えないくらい美味かった。美味い肉が無償で振る舞われたので祭りは大盛り上がり、そして不本意ながら祭りの主役はオレである。祭りでは"ソリージョキラー"とか"屁を浴びなかった男"とか微妙な二つ名を賜ったが、獣人からの好感度は爆上がりした。ちょっとした英雄扱いだ。狐の姉ちゃんにも頭を下げられた。獣人達はウチのメンバーにも友好的に接してくれるようになり、皆、獣人の毛並みを存分に堪能していた。

そしてギルマスとも話した。


『いや〜他の街所属の冒険者なら、どうせ帰るから屁を浴びようが問題ないだろうと思ってこの依頼を押し付けたが、まさか屁を浴びずに討伐するとは思わなかったぞ、ガハハハ!』


いやいや問題あるだろ。もう少し本音を隠そうよ。屁を浴びていたら今と真逆の対応になったわけだろ?想像するとゾッとするわ。


そして祭りの最終日、ムハンマドからエリクサーが出来上がったとの連絡があった。


・・・・・・


『これが約束のエリクサーです。どうぞ…』


「ありがとうございます」


『エリクサーを渡すにあたり、1つお願い…というか情報共有してほしいことがあるのです』


何をして欲しいかは予想がつく。


「もしエリクサーを使ったら問題なく効果が表れたか、効き目はどうだったか、というような事を聞きたい…というお願いですかね?」


『おや、見透かされていましたか。ええ、その通りです。エリクサーは貴重な霊薬。無駄遣いは極力避けたい。ですので"試しに使う"ことを今回精製したエリクサーで実施するつもりはありません。ですが、効き目を知りたいのもまた事実。ゆえに、私たちより遥かに使う機会があるガレス殿にお願いをした次第です』


「ええ、いいですよ。実はー…」

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