電車が長い鉄橋を渡り終えた
男性の鈴口から大きく膨らんでくっきりクビレを作る張り出したエラと、その下から根元に向けて血管を浮き上がらせて反り返った太茎の上半分ほどまで、いやらしくヌメり照る男性器が、形のいい女性の口から滑り出てきた。
その男性の先端を濡らしているものが、女性の唾液だけではないことと、まだ精液ではない男性の先端から分泌された粘液であることは、子を持つ女性として男性相手の経験がある主婦なので結子にもわかる。
ブルンと音を立てそうな勢いで、男性の股間に男性器がそそり立ち直る。
男性の両脚の間で跪いていた女性は立ち上がり、ソファーの上に上がった。男性の右側隣に膝立ちで胸を男性の顔に近づけて、左の乳房を自分の左手ですくい上げて軽く掴み、いやらしい笑みを浮かべたまま乳首を凝視する男性の後頭部を右手で支えて、自分の乳首を男性の口元に近づけて、男性の口を乳首に柔らかく押し付けて含ませに行った。
男性の唇が大きく開き、舌が舐め上げるように乳首を絡め取って濡らして吸い込んだ。
軽く噛む歯がチラリと男性の口から覗いた。
その瞬間女性は、クッときつく目を閉じて、何かに耐えるような表情を浮かべた。
大きく口を開けて乳房に吸い付き、舌で乳首の硬さの変化でも確かめるような口の動きでしばらく女性を苛むことを楽しむように、その苦悶の表情を浮かべる反応を図る目つきで、男性は女性を見上げていた。
吸われ続けて結子の目から男性の口の中に隠れている左の乳房の隣で、左の乳首は今こんな状態といわんばかりに、その範囲を少し狭めた乳暈の上でツンと上を向いた乳首を頂に乗せた、むき出しのままの白い右の乳房を、こっちも俺のものと言わんばかりに、男性の左手がむんずと掴んでゆっくりと揉みしだいた。
きれいな小ぶりの乳房が、食い込む指の力でいびつに形を変えていく。
揉み続けられる刺激なのか、男性の口による乳首への刺激からか、恐怖からなのか、結子の目にもわかるほど、右乳房の中心部分が硬さを増しながら突起としての存在感を増している。
その感触をしばらく楽しんだ後、親指と人差し指で硬さの変化を確かめるように、ツンと立ち上がった乳首をつまんで、指の間で押しつぶすように力を加えた。
女性の身体が大きく後ろに退け反り上がった。
その勢いで男性が執拗に咥えていた左の乳房が、男性の口から逃げ免れて唾液にまみれた乳房の全体が晒された。
「コリコリしてきたな。」
男性は満足そうな声で言った後、再び乳首に吸い付いて行った。
うっすらと赤みがさした白い乳房の上に、色の違いを示す黒ずみのない薄ベージュの乳暈があり、その中心部にほんの少しだけ赤黒味を帯びた乳首が見えた。
すぐに男性の口が追いかけるようにそれをほうばり、結子の視界から消えた。
結子より少し年上だろうか。
いやらしさに醜く染まった男の顔が、さっきマンションの前で凛とした姿勢で歩いていた同い年くらいの女性の胸に吸い付いている。
唇をすぼめ、乳首だけではなく、掴んだ乳房のあちらこちらを舐め、また乳首に吸い付いていった。
女性に徹底的な拒否感は感じられない。
同意。
「と言えるのだろうか?」結子からこの疑問はずっと離れない。
仮に、同意ではないとしたら、この状況で自分にできることがあるのだろうか。
同性の結子から見ても、女性が積極的でないのはわかる。
男性は、二人のお子さんの父親ではないことは確かだ。
つまり不倫である。
好きな男性との性交渉でも、そこに背徳感と恥じらいが前に出れば、積極的になれることはなかなかない。
ましてや訳ありで「持たざるを得ない関係で」というのであれば、あればなおさらだ。
今まで見てきた流れでみれば、たぶんこちらだろう。
女性に覚悟も見える。
だが結子の中で、男性を許せない気持ちも強い。
仮に今の結子に、この女性を助けることができる力があったとしても、はたして女性の覚悟を無駄にしないのか。
わからない。
そもそも今の自分が普通の状況でないことはわかっている。
普通の状態の自分でも声を上げるか通報するかくらいだろうが、そもそも普通ならじぶんがこの部屋に入れることはない。
どうすることがいいのだろう。
どうすることもできないのだが、それでもどうするのがいのだろう。
結子の耳に、そこにはない電車が、長い鉄橋を渡り終えた音が聞こえてきた。




