第二ステージ開始
(倒した!)
ユーリはそう強く心に感じた瞬間、無慈悲な声がその場に響いた。
「バハムートのケモノの効果。致死量のダメージを受けた時、一度だけ体力を三分の一にすることで、そのダメージを無効化する」
「む!?」
バハムートが咆哮を上げる。
生き残り、怒りによる憎悪をその目に宿した龍は、ユーリの方へと振り返り、口内にエネルギーを集め始めた。
(まだ倒せてない!? ブレスが――来る!)
バハムートから放たれるブレス。
それは空中で身動きの取れないユーリに向かって放たれる寸前だった。
(この場所にいたんじゃ攻撃は避けられない。それなら――!)
「[氷花]!」
ユーリは咄嗟の判断で、氷花を横向きに発動させた。斜めに発動させることが出来たなら、横向きに発動させることが出来るのではないかと思ったのだ。
そしてユーリの狙い通りに、地面と水平になるように氷の盾が現れる。
ユーリはその足場に着地して、そこから更にジャンプした。
ブレスが先程までユーリが居た場所を通り過ぎていく。
バハムートは、躱したユーリにブレスを向け直そうとするが、ユーリを逃さないために、上から下へ叩きつけるように放っていたため、それをすることが出来ない。
(倒せなかったのなら! もう一発叩き込むだけ!)
「[氷結の一閃]!」
氷の一閃を持って、バハムートを倒そうと迫る。
だが、そのバハムートの姿が突然消え、そこに黄昏が現れた。
(キャスリング!?)
バハムートと黄昏では、その大きさに差がある。
バハムートの首を狙って放たれた一閃は、黄昏に当たることはなく、不発に終わることになってしまった。
「そんな……!?」
「悪いが、バハムートをやらせるわけにはいかなかったんでね。来い! バハムート!」
一閃を無駄撃ちさせた後、バックステップでユーリから離れた黄昏は、自らの元へと、バハムートを呼び寄せる。
空を飛んで、侵入不可能エリアを無視して現れたバハムートは、その手に黄昏を乗せた。
「馬鹿正直に数で負ける地上戦を続ける必要もない。
――これからは第二ステージ! 空の上で相手をしよう! そこまで来ることが出来るのならな!」
そう言うと黄昏を乗せたまま、バハムートは飛び立っていく。
「な――! 待って!」
ユーリが思わずそう叫ぶが、黄昏は止まらない。
そしてその返答代わりに返されたのは、苛烈な攻撃だった。
「バハムート! 地上に向けて、崩界のエクストリームバースト!!」
空から見下ろす形になったバハムートは、地上に向けてブレスを放つ。
そのブレスは、上空から逃げ惑うユニット達を次々と打ち砕き、消滅させていった。
(地上には、リカードを倒した、ゴーレムとシザーマンティスがいた。
だけど今のブレスで全てなぎ払われた。
このまま地上にいるとユーリも同じようにやられる!)
ユーリはそこで自分のDPが溜まっていることに気付く。
何か逆転のカードが来ないかと期待し、それを引いた。
「ユーリのターン! ドロー!」
〔アイテム〕【氷造の豪槍】回数:5(残数:5)
(駄目だこれじゃ! このままだと一方的にやられる! ユーリも空に行くしかない!)
「来て! [シザーマンティス]!」
幸い、一枚だけ残っていたシザーマンティスの上に乗り、ユーリは黄昏と同じように空へと舞い上がっていった。




