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ブレイブカード  作者: きしと
Enjoy Game
14/36

決闘


 決闘することを決めた黄昏達は、ギルド内にある対戦施設を訪れていた。

 黄昏とねこねこは、対戦を行う為の対戦室へと入り、ユーリ達は、それを観戦するための観戦室へと入った。


 黄昏とねこねこは、対戦室の真ん中にぽつんと置かれている台のような装置へと移動すると、その装置を操作して宙にウィンドウを表示させる。


 そこにはデュエル形式やサブルール、対戦フィールド、カードロストの有無などの様々な入力項目が記載されていた。


 デュエル形式とは、実施するデュエルのルールを指したものであり、お互いのエクストラタイムをゼロにすることを目指すノーマルデュエルや、攻撃を受けると周囲に排出されるフラッグを指定時間保持していた方が勝ちとなるフラッグデュエル、エクストラタイムがゼロになることだけではなく、フィールド外に出されてしまうことでも敗北になるスマッシュデュエル、カードのコンボや見栄えの美しさを競い合うショーデュエル、手札とは別に常時召喚されたユニットを倒し合うことが勝敗条件となるテイマーデュエルなど、様々なタイプのデュエルが存在している。


 そしてそんなデュエル形式に、相手のHPをゼロにしたら手札が一枚増えるなど、追加条件を付与するのがサブルールだ。


 対戦フィールドは、黄昏がユーリに勝負を仕掛けられた時のように、フィールドで対戦を仕掛けられた時はそのままそのフィールドが対戦フィールドとなる。対戦室を使用して対戦を行う場合は、ブレイブカード内で実装されている全てのフィールドと、対戦室専用のフィールドの中から、好きなフィールドを選んで使用することが出来るようになっている。


 カードロストはゲームオーバ―時にデッキのカードを一枚失うこと指している。

 対戦相手がプレイヤーの場合は、その相手にアンティとしてカードが渡ることになるが、遊びの対戦で毎回カードの受け渡しが発生すると対戦がしにくくなるので、お互いに了承して対戦を始めるときは、カードロストの仕様を切ることが出来るようになっている。


「対戦内容だけど、デュエル形式はノーマルデュエルで、サブルールはなし、対戦フィールドはランダム選択で、カードロストはなしでいいか?」

「ええよ。うちもその設定がいいと思っとたしな」


 ねこねこの了承を得た黄昏は、カタカタと装置を操作して内容を打ち込んだ。

 そして確定ボタンを押す前に黄昏はねこねこへと問いかける。


「デッキはどうする? ガチで行くか? それとも普通?」


 ガチデッキとはカードゲーマーが大会などで使う本気で勝つためのデッキの事だ。

 そのため多くのカードゲーマーはこのデッキを安易に使用せず、他のデッキを普段使いするようにしている。

 なぜなら、ガチデッキは遊び心がないデッキなので、純粋に勝ち負けを楽しみたいという相手以外に使用するとひんしゅくを買ってしまうし、ガチデッキを見せることでその対策用のメタカードを入れられてしまい、大会など重要な局面であっさりと負けてしまうことを防ぐ必要があるからだ。


 この場にはねこねこのクランの者であるCCOだけではなく、龍の巣(ドラゴンズネスト)のメンバーやユーリという部外者がいる。

 つまり手の内が、イベントで対戦相手となるかもしれない相手に筒抜けになってしまう可能性があるのだ。

 そのため、黄昏はねこねこに気を遣って使用するデッキについて問いかけた。


「黄昏はどっちを使いたいや? 挑んだ側としてそれに合わせるわ」


 ねこねこの回答を聞いた黄昏は少し悩む。


(う~ん。龍の巣(ドラゴンズネスト)メンバーが相手なら、身内だし手の内を明かしてもよかったけど、CCOやねこねこは大会で当たる可能性もあるし、メタられる可能性を考えるとあまり見せたくないな。

 それにいきなりガチデッキ同士の試合を見ても、ユーリに取ってはよく分からず楽しめないかもしれないし)


「普通の方で行く」

「承知やで」


 黄昏はお互いにデッキを選択したことを確認してから、確定ボタン押した。

 すると装置は地面に収納されるように沈んでいき、やがて対戦室には黄昏とねこねこだけが残される形となる。


 そして黄昏達のいる部屋が一瞬で姿を変える。

 何もない白い部屋だった空間は、先程よりも拡張されており、いつの間にか迷宮のような石造りの空間へと変わっていた。その空間は不思議なことに天井にも道があり、さらに至る所に数字が記載されたゲートのようなものが存在している。


『対戦フィールドを[ククルの数院洞]に設定しました』


([ククルの数院洞]は、錬金術師ククルが自身の遺産であるホムンクルスを守るために作り出した、数字を活かしたギミックが張り巡らされた迷宮って設定だったな)


 そこで黄昏は近い位置にある緑の枠の中に三と記載されたゲートに目を向けた。

 その後、天井に存在する赤い枠の中に三と記載されたゲートに目を移す。


(対戦時のフィールドとしての特色は、同じ番号のゲート同士が繋がっていること、赤い枠のゲートは一定時間で番号が変わること、そして天井と床の中間地点で重力が変わっており、ゲートを介して移動することで、今の天井を床として移動することが出来ることだ)


『手札を展開。対戦開始までのカウントダウンを始めます。五……四……』


 黄昏とねこねこの手元に手札が展開される。

 黄昏は展開された手札に目を通す。


〔マジック〕【魔帝勅令】回数:1(残数:1)

〔マジック〕【機獣工廠】回数:1(残数:1)

〔アイテム〕【帝国式フレアバレット】回数:3(残数:3)

〔トラップ〕【機獣バルタザールの黒煙】回数:3(残数:3)

〔ユニット〕【機獣ウルフェン】回数:3(残数:3)


(悪くない手札だ)


 黄昏はそう思い、対戦室を使ってのデュエル時にのみ使用できる、マリガン<一度だけ手札を引き直すカード用語>をせずに、ねこねこの方へと視線を向ける。

 そしてカウントダウンに合わせて息を整えると、ゼロになるタイミングに合わせて、ねこねこと共に叫んだ。


「「決闘デュエル!!」」


 次の瞬間、ねこねこと黄昏は、それぞれフィールド内のランダムな地点に転送された。


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