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14.ジェイコブの葛藤


誰もが、俺とマルティーナを比較する。


何故か長男ではなく次男の俺と結ばれた伯爵令嬢との婚約。

良いのは容姿だけで、性格は最悪だった。


異様なほど負けず嫌いなマルティーナは、俺の鼻を躊躇いなく圧し折る。

勉強も剣も魔法も。俺の方が出来る、と言ったら完膚なきまでに叩きのめされた。


そんなに俺のことが嫌いなのか。

そう思うには心が荒んでいた。


ならば何故俺を選んだ。

長男と婚約すれば俺はこんなに苦しまずに済んだのに。


ある日、マルティーナは感情の乏しい顔で問うた。


「妖精を信じますか?」と。


馬鹿にしているのだと思った。

余りにもその顔に感情が無かったものだから。信じていると答えたら嗤われると思った。だから。


「妖精なんて居るわけないだろ!馬鹿にするのも大概にしろ!」


そして、幼いマルティーナを突き飛ばした。

人形めいた顔に浮かぶ嘲りを見たくなかった。

容易く尻餅を着いた小さなマルティーナの顔を今でも覚えている。


何故か、泣きそうな顔をしていた。


堪えられず、俺はその場から逃げ出した。マルティーナの伸ばした手を無視した。

それは昔も、今も、これから先も、その手を取ることはない。


貴族学園に入り、エリザベスに出逢ってから、俺の心は安らいだ。

マルティーナと違い、努力不足を嗤わずに、認めてくれた。優しく、隣で支えてくれた。


本当は、マルティーナが努力をしていることは知っていた。

それこそ血の滲む様な。

常人には耐えがたいくらい身を砕いている事も。


だが、それはマルティーナだから、ワールヴォル家だから出来る事だった。

常人にそれを求めるのは酷だ。

努力の狂人一家と名高いワールヴォル家には分からない。努力する事が、身を滅ぼす事もあるなんて。


両親でさえ、俺の努力を、マルティーナの足元にも及ばないと蔑んだ。

だが、両親はどうなのだ。

健康を害するほどの努力をし続ける事が可能なのか、と。


エリザベスと恋仲になり、エリザベスがマルティーナに嫌がらせを受けていると聞いた時、頭に血が上った。

今迄ずっと俺に冷たい態度を取っていた癖に、盗られそうになって焦るのか、と。

それならば最初から俺を引き留めようと可愛らしさの欠片でも見せていれば心情は良かったものの。


傲慢だと思った。

マルティーナは伯爵令嬢で、俺は子爵。俺はマルティーナに逆らえない。

マルティーナから婚約破棄を申し出ない限りは、逃げられない。


そんな折、エリザベスの茶会にやっとマルティーナが参加した。

案の定、マルティーナはエリザベスを害した。


思わず激情に呑まれ近くにあったティーカップを投げ付けると、マルティーナにぶつかり砕けた。

本当は、マルティーナに怪我をさせるつもりなど無かった。だが、マルティーナが血を流しているのを見て、心がすっとしたのも事実。


今迄の報復だ。

散々俺を馬鹿にした報いだ。

それに、マルティーナなら余裕で避けれた筈。わざと避けずに被害者振りたいのかと腹が立った。


怯えるエリザベスの肩を抱き、その場を去って馬車に乗った。


もう、戻れないのだと分かっていた。

マルティーナと俺の関係は拗れ、もつれ、修復不可能だ。

早く婚約破棄でも何でもしてくれ。


マルティーナと結婚しても、俺は家を継ぐ事は出来ない。

エリザベスと結婚しても、勿論そうだ。

だが、エリザベスとならば、幸せになれる。それだけは確かなのだから。


何が正しいかなど、もう、分からない。


勢いで書き始めた小説なので、見苦しい点もあると思いますが、読んで頂き感謝申し上げます!

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