丹生奈央 (改訂)
たくさんの想い、たくさんの人たちを救済する物語。
私は私の世界が好き。ずっとみんなでこの世界を守る。私はみんなの世界が好き。だからこの話で絶対に全員助ける。私はこの世界の神様。皆んなは私のことすごく好きなの。絶対に言うこと聞いてくれる。だから私はあなた達を幸せにして、自分も幸せになるの。
「ねぇ、丹生。あんた、いつも何の絵描いてるの?昨日はすっと休み時間にスマホでずっと文章書いてさ。あんたいつも一人でいるから、皆んなおかしいやつだって言ってるけど?あんた頭、大丈夫なの?」
「え?なんで…なに、何かおかしいって?」
「え〜?あのさ丹生。この話って楽しいの?」
「…なんで私のことばっかり。なんで私の大切な…なんで、これなんで。」
「あのさ〜、面白くないって言われてるの?やめたら?みんなも笑ってるんじゃない?」
みんなが笑ってる?そんなことないはず。わたしの小説が出版されるときにみんなは頑張ってって言ってたのに。なんで。
もう嫌だ。私の大切な物語。みんなは私を応援しているはずなのに。なんでこんなことするの?私の大切な世界壊さないで。
家に帰ってきた。もうやる気がしない。もういいの。私の世界。もう誰も見る気なんか起きるはずない。私の大切な大切なクゼ様。クゼ様。救世様……。
目が覚めた。ううん。全然私の世界と違う世界。綺麗な光を私が見ている。私はとても綺麗な公園のような。でもとても長い長い道の先に大きな、でもとても荘厳な建物が立っている場所にいる。道には綺麗な紫陽花の木が色鮮やかに咲いて道の隅を綺麗に延々と続いている。通る人を見る。
とても高そうな、でも綺麗で鮮麗な着物を来た女性。でも髪は昔の日本髪の綺麗なかんざしをつけた人が道を歩いている。
どこか迷ってここに来たんだろうか。私はこの道をずっと誰に言われるでも無くただただゆっくりと歩いていく。
道を歩く。ずっと降った先に大きなお社が見えた。
お社はとても大きくて10階建てのビルの高さでとても古くて椿の木で出来ているような黒く艶のある木造建築。でもとても大きい。見上げると首が痛くなる。
ずっと見ているとこのお社に入っていく人たちを見た。全員現代の服を着ている。
何だろう。入っていいのかな?
「ねぇねぇ。ここって何?」
「天照様のお社かな?」
えっ?なんで私知ってるの?
「一緒に入る?俺初めてここに来た。いい?」
「うん。」
お社に入るとまた違う景色。中には灯りが無くて、でもずっと広いとても大きいホールのような所。目の前にカウンターのように何人も何人も来る人の受付をしている人たち。
よく見ると誰も彼もが綺麗な顔立ちの良い女性。
「私はどこに行けばいいですか?」
「あなたはこれを。ここの階段を上がって三階に。左側の廊下をずっと歩いて、一番左の部屋に入ってください。」
首にかける何かのペンダントを渡された。
「はい。」
「頑張ってね。」
「あなたも行ってください。」
「えっ?はい。」
一番奥の扉。何だろう。ずっと落ち着いた気持ち。ここは初めて入るはず。ここに来て迷わないのは何でだろう?
「ねえ。ここって何?何かするの?」
「救世さまの部屋。救世様が私たちに何かを教えるみたいなの。」
また知らないこと言ってる。
コンコンと自然にドアにノックする。はい。と返事がら聞こえてきた。
「失礼します。」
はい。どうぞ。
中に入った。すごく質素で必要なものだけしか置いていない。
でもソファとテーブル。その奥にもう一つのソファが置いてあるだけ。
「奥に座って。大丈夫。そのまま待ってね。」
とてもゆっくりして優しい声。この人は何なのだろう?奥のソファに座る。私はずっと落ち着いた気持ちで座っている。
「僕はどこに座りますか?」
「あなたはあの子の隣に立っていてほしい。いいかな?大丈夫。すぐに分かるから。」
「はい。」
コンコンとノックがする。
「びっくりしないでね。」
はい。優しい声でへんじをする。少しその人をじっと見た。白い髪。痩せていて、でも優しい目をしている。とても空気が澄んでいる。
待つ間に辺りを見渡してみる。ここの部屋は窓の光だけでこんなにも明るいのだろうか?
ガチャ。入ってきた人を見てびっくりする。
私の救世様が部屋に入ってきた。救世善様
。私の大切な大切な物語の人。
「はい、なんでしょうか?」
「君はこれからこの子をーーーーー」
目を開ける。何かとても清々しい気持ち。ずっとベットから起き上がる。あそこは何だろう。思い出すとあの景色が思い出せる。でも建物に入ったのかな?
もう忘れてる。私は何の夢見てたんだろう。
学校に行く。今日も何か言われるのかな?
「ーーーーーーーて」
あっ。忘れてた。宿題をしているときにデータの入ったUSBメモリ忘れたんだった。あの中に"大切な"ものが入ってる。
急いで忘れ物を取りに行く。
机を探す。無い。無い。引き出しにもない。
あとは。あとは。無い。どこにもない。
はぁ〜。今日は、あの話の続き読みたかったのに。
学校に入る。何か雰囲気が違う。みんなの視線が私を見ていないような感じ。皆んな静まり返ってる。
私の少し後ろの席に違う顔が見えた。全然知らない人。
気にする必要も無い気がした。すぐに席に座る。
今日は何もなかった。何も無さすぎた。私をいじめるクラスメイトも誰も私を見ない。ずっと転校生を見ている。
転校生はかなり顔のいい男子。皆んなは遠巻きにして噂話に夢中だ。ずっと物語を描いている私はもちろん、無関係。
ウワサ話を聞くたびに、はぁ〜と大きなため息が出る。
最初は何もなかったのに、ため息を聞くたびに笑いが込み上げてくる。
なんでこの人、何も言わないんだろう。
みんなの興味がそっちにいって良かった。
学校から帰る。私は今日、何か気分がいい。
「あっ。あった。なんで分からなかったんだろ。」
デスクから落ちたように忘れ物があった。
今日は宿題を忘れても良かった。何かどうでも良かった。
パソコンに向かう。USBメモリをハブに差してデータの中身を見る。はぁ…良かった。ちゃんと昨日のデータ書き残してる。
明日は土曜日。何かしようかな。
「ーーーーーーだろ」
うーん。本屋に行って。それから、それから私の好きなあそこのスイーツを食べたい。あのパフェを食べたい。
「あのーーーーーな。」
そう。あのパフェじゃなくてプリンアラモードだった。
「だからーーじゃなくてあそこに行きたいんだろ。早くいけ。」
うーん、早くあの書店に行きたい。私の好きな人がいっぱいいるんだよね。
「だから、早く行くの。」
分かった。もう。
「何か買おうかな。私の本は…。うん、あるわけない。そんなことあるはずない。」
私の本。みんなにバレたみたい。私はとても好きだったけど物語は分からないみたいだった。私はこの世界が好きだったけど。
でもいいよね。私の好きなことしてるだけなんだから。
やっと見つけた。ずっと好きだった小説。これが出るのを待ってた。紙で買いたかった。嬉しそうに本を持ってレジに向かう。店員とすれ違うと、あの転校生のような人がいた。
えっ!なんでいるの?
私は少し戸惑う。こんなところで出会うとは思わなかった。
「早く帰る、ほらっさっさと歩いて帰って!」
うん、なんでいるんだろう。
学校に着くといつもと違う。全然私を見ない。遠巻きに私を、転校生を見ている。
私の机はいつも何か不安なことが降りかかってきて、でもここに居ないと。ここで頑張らないと。そんな思いが足に絡みついて動けなかった。その気持ちが今はない。
「私が居ないときに何かあったのかな?」
「あったよ。」
えっ?うしろなの?
「あったんだけど。」
「え?なんで。なにかあったの?」
「あぁ〜もう。なんて言えばいいのか。ちょっと時間あるか?帰りなんでも奢るから話してくれ。何か知ってると思うから。」
「うん。分かった…。」
「頼むぞ」
「はよくっつけー!」
「はぁ〜。」
何なのか分からないけど。わたしを待ってるのかな?帰りに何か奢ってくれるのか?何にしようかな?
帰りにコーヒー専門店に寄る。私は少し待って校門を出た。皆んなは帰ったけど、ゆっくりしてから帰りたい。何かいいことでもあるのかな?
目的のところに来た。私はすぐにその人を見つけた。
「あっ!きた?ここに決めて良かったの?」
学校とは違う雰囲気で話しかけられた。
「うん。ここに来て何かするの?」
「ううん、楽しみなだけ。」
「うん。」
少し不安になってきた。大丈夫なのかな。
少し高めでいいのかな?そういえば男子と二人でこんなことしないよね。何でこうなってるんだろう?
「ねぇ、丹生ちゃんはずっと席に座ってるのはなんで?」
「私、色々やることがあるから。」
「そうか。」
「なんで私を呼んだの?」
「うん…いろいろ話したいから。」
「うん。」
「僕は救世様のこと知ってるからな。」
「救世様ってだれ?」
「え?違うの?」
「うん、違うと思う。」
「そっか。ごめんな、変なこと言った。」
「私は小説書いてるよ。救世様ってそれでしょ。」
「あー、うん。俺小説見たぞ。面白かった。それを聞きたかったの。優しい救世様が人の救済をする物語。なんであんなにいろんな人を描けるのか、知りたい。というか聞きたい。」
「うん。そうなんだ。それを聞きたかったの!」
「うん、なぁ、丹生ちゃんはなんで優しいあの人を描けるの?」
ずっと話す。話す。私の好きな物語。私はずっといろんなことを描いている。
私の世界にあの人がいる。あの人はどんな姿でいるのかは分からない。でもずっと好き。でも私の記憶。わたしの大切な人は中学生になった途端に居なくなった。転校したみたい。私はとても辛くて。とても悲しくて。でも私はすぐに忘れた。
私の世界はとても好き。自分の世界は私を理解してくれているから。
私は救世様が好き。ずっと綺麗な心で私の心の中にずっと居る。ずっと私は一人でもいいと思ってた。救世君はずっと私に優しかったの。私のそばにずっと居てほしかった。皆んなはお人好しの救世様が大好きだったの。
私の大切な思い出。私が家出をして、みんなを振り切って暗いところは嫌だったからずっと住宅街を歩いてた。
今になったら怖いんだけど、ずっとそばで私を守ってる人がいる。だけど絶対に聞いていないふりをしてあの人たちの言葉を聞いている。
家出をしたときに道が分からなくなってずっと泣いてた。
私はどうしようもなくて。どうにかしたくても何も出来なかった。でも救世様が突然現れて助けてくれたの。
私に綺麗な赤い宝石をくれたの。これを握って歩いて帰って。道は握ってたら分かるから。いい?信じて歩いて。でもその宝石。絶対に無くさないで。あなたにとってとても大切で必要な宝石。
これは私の宝石。とても綺麗な宝石。いつも小さな袋に入れて持ち歩いてる。
不安だったけど握ったまま帰った。本当に家に帰れた。もっと1時間2時間かかるような距離。10分で帰れた。とても遠い距離で10分で帰れるような距離じゃなかったけど。
救世様が助けてくれたの。だから救世様はどんなになっても助けてくれる優しい人。
「この話、みんなに笑われたの。何でだと思う?」
「ん?いや、これ、笑われるようなことないと思う。救世様が救ってくれた不思議な話っておもうでしょ?でも救世様は優しかったのかな?」
「救世様は優しかったと思う。」
「いや、救世様ってなんの...設定なの?」
「この小説はわたしの世界では家族なの!いい?私はこの人たち好きなの!だから物語を書いて、この人は人を救うの!設定だけどね!」
「うん。僕も救世様って人、知ってるんだよな。小説じゃないけど」
「うん…。それで?救世様ってどこで見たの?」
「実際に会った。頭のおかしい人だった。」
「うん….あぁ優しかったんでしょ?」
「うん……..。」
「ねえ、私救世様に会いたいんだけど、私の近くに誰かいるんでしょ?だれ?この人。見える?」
「うん…髪が白くてとてもかっこいい人で、えっと目が青くて。今はずっと睨まれてる、かな。」
「うん、分かった。もういいみたい。帰っていい?」
「うん、ごめん。」
「もうね、この人ずっと私のそばにいるんだけど。私のこと好きだから困るの!」
「うん、話聞けて良かった。あのないじめられているから、助けたらな、こうしろって言われたの。俺な、奈央ちゃん守れたから、もういいから。俺頑張って勉強する。それでいいって言われた。話したのはあの子が話せって言われたから。でも自分自身でここに来たから。もう、学校では普通に話してな。」
「うん、それじゃあね。」
「なあ、奈央ちゃん、俺どうするの?真央ちゃんのところにいるの?」
「うん、居て欲しい。」
「うん….。そうか。もういいから!そばにいてね。」
「それでいいんだったら、そうするね。」
「……..。」
私の大事な家族の本。私は"小説家"。私は救世善様のことが好き。あの人は何でわたしを店に誘って話したのかは"知らない"の。でも私はずっとずっと助けてもらってる。私の王子様の救世君はずっとそばにいる。でも分からないな。なぜか涙が出るほど懐かしいような嬉しいような感覚。わたしはあの人のこと、好きだったのかな?中学生になって、すぐに居なくなった救世君に言いたかった。ありがとうって言いたかった。あーあ。もうダメかも。ずっと分からないはずだったのに。あんなところに行くから。
救世君、わたしは小説家になっていろんな救世君の救った人達描くよ。救世君頑張ってね。
でもなんで小説家になったんだろう?分からないけど、それでいいよね。私の好きな人だからね。
救世様って誰なんでしょうか〜⭐️




