壱志津麗奈
みんなの人生、みんなの心を救済する物語。
私は自分の容姿にとても自信があったの。どんな男子も男の人もみんなが私を特別扱いする。みんなは私が左に向いてと言うと左を向く。私はそれで良かった。私の欲しいものはたった一つだけ。自分一人を見てくれる人はこの世界に1人だけ。幼馴染の石川陽基君。いつもメッセージを投げかける。いつも私に甘くて私のことを気にしてくれている、男の人で会話しているたった一人の大切な恋人。私は陽基君に会いたいけれど私はずっと。一人の方が良いんだろうな。話をするだけで良いのかな。どうすればこの人に会えて、心から笑うことができるんだろうな。私は、私自身は。自分のこと、どう思ってるんだろうな。
壱志津麗奈はこの頃とても忙しい。仲が良かった女友達とも交流が無い。みんな忙しいみたいでゴールデンウィークのまとまった休みに沖縄に遊びにいく予定が私だけ行けなくなった。みんなには仕事が忙しいから行けなくなったと言ったけどドタキャンが続いていた私に連絡が届かなくなった。私は今の仕事がずっと継続して昇進したい。遊ぶよりもこっちが良い。もう32歳。親にも結婚相手はいるのかと再三連絡が来て困っている。
私は容姿に自信があるから、性格はそれほど強気では無いはずなのによく間違った捉え方をされて困っている。
「はい、ここ!間違ってるよ〜。いつも気にしてねって言ってるところ!頑張ってね〜。」
「だから!ここに何の意味があるの?俺は絶対に修正しなくて良いと思うのに。」
「そこ付け足さないと、間違ってメールの意味が変わってるの。この頃やりとりが頻繁になるのはなんで?直さないとずっと聞いてくるから困ってるの。」
「はい、わかりました。」
「うん、そこ直したら帰れるからね。」
「はい。」
「もう!だからね私のこと本当に考えてくれるの?今仕事忙しいの!いろんなことに気を配らないと。また同じように夜帰れなくなるの!今頑張って直してるから。待ってて。私頑張ってるの!」
もう夜の11時前。大きな失敗をしてしまった後輩の面倒をずっと手伝ってる。私の失敗になるかも。そんな気持ちで後輩の指示を甘くして指導してしまった。私のせいなんだろうか。ずっと帰る時に頭の中にモヤモヤが渦巻いている。
「はぁ〜。料理どうしよう。頑張って夜に作ってもな〜。この頃連絡してこないしな。どうしたんだろう。」
陽基君の連絡が来ない。私はずっと待ってるけど。自分から連絡してないのに、すぐメッセージを飛ばしても時間が少なくて困ってる。いつも頻繁に会話していたのに。どうしたんだろう。
今日はラーメンなのかな〜。私の仕事場のすぐそばにはあんまり食べる所がない。急いで電車に乗ってもマンションのそばにラーメン店しか無くて自炊をずっとしてきたから、外食の場所を鑑みてなかった。
「うん、作って食べる。その方がいい。食材もまだあるしね。」
もう12時30分。もう寝ないと。あと1日頑張れば。が口癖になってる。早く終わりたいな。そんな気持ちでスマホをいじりながら、眠くなるまでスクロールしている。
「はぁ〜。良いことないな〜。なんか私だけ忙しいみたいになってるしな〜なんでだろう。」
ピコン。メッセージが来た。陽気君じゃない。女友達の一人の可奈ちゃんだ。
「私たち、今から北海道の食い倒れ計画してま〜す⭐️」
イラっとする返事が来た。もう写真を撮って北海道に行ってきたらしい。可奈ちゃんはそんなことしないのに。何でこんなことするんだろう。
メッセージに‘’乙‘’と書いてすぐにアプリを閉じる。
メッセージのことは気にしない。一人でも関係ないし。意味ないの!みんなと一緒に合コンしてもいっつも私ばっかり話さないといけないんだから。勘弁してよ!
はぁ〜こういう時に陽基君から返事が来るんだけどな〜。
来ない。ずっと1週間。何かあったのかな。明日仕事終わったら連絡しよう。
やっと後輩が育ったのか、世話係が無くなった。やっと一段落した。私は溜まっていた不満を吐き出すように仕事を午前中で終わらして、今は次の仕事、次の仕事、すぐに3日分の予定を空けることができた。
勿論、予定がある。今は8月19日。お盆のラッシュから少し外れた日に実家に帰ることにした。すぐに飛行機のチケットを買えた。運が良い。また陽気君の近くにいてみよう。付き合っていた時に同じマンションに居て、二人で仲良く会話していたあの時が今でも思い出すと心の奥が熱くなる。今会える。会える!
私の心はもう実家じゃなくて陽基君に会うことに変わっている。私はスマホを見る。もう決まっている。
「陽基君、久しぶりに会わない?私、今から帰るよ。」
「うん。いいよ。」
やっぱりすぐに返事が来る。もう心の中の鬱憤が晴れて頭の中で考えていたモヤモヤが一気に無くなった。
「どこで会うの?」
「実家に帰るんだったら迎えにいくけど、良い?」
「うん、待ってるね。」
うん、大丈夫。私はソワソワする気持ちを抑えながら、私の気持ちが焦らないように手鏡を開いて自分の顔を見る。うん、大丈夫。美人になってる。もうわかるかな?この顔。
飛行機の窓を見る。九州の佐田岬半島が見えてきた。もうすぐだ。
「ただいま〜。帰ってきたよ〜。」
「麗奈ちゃん!陽基君来てるよ!早くして!」
「うん…。」
何だろう。すごく焦ってる。何かあったのかな。
持ってきた荷物も全て玄関に置いて少し俯いて今に入る。陽基君だ。すごく準備したのか、もうお父さんと話してる陽基君は真剣な顔をしている。
「もう良いのかな?麗奈は本当にそれでいいと思ってるの?大変な時期じゃないの?」
「はい、このまま一緒に住んでも良いです。私はずっと待ってました。もう迎えても問題ありません。」
「うん…。」
真剣な話。無理もない。事業をいくつも経営している陽基君は今とても忙しい。私は1週間も時間が経ってる。今は話すべきじゃなかったのかな?これで良いのかな?これで良かったの?陽気君。
「麗奈。あっちに座りなさい。」
「うん。」
「麗奈ちゃん、もう僕は決まってるけど。麗奈ちゃんは僕でいいの?」
「うん…。」
「はっきりして。今は大変な時期でしょ?麗奈、頑張って話して。」
「….」
いつもの私になった。私は何も言えない。私は何もできない。決断して良いのかもわからない。どうしよう。こんなことになってるなんて思わなかった。どうしよう。
いつもそうだった。みんなのために。私はみんなが喜んで行動してきた。私はみんなが大切な時にいつも尻込みして。陽基くんがいつも決断する時に私と会話した。上手くいった。間違いなんか起きなかった。でも、陽基君は仕事がどんどん忙しくなって、私も忙しくなってきて、少しずつ会話も無くなってきた。
陽基君の顔をチラッと見る。とても真剣な顔。どうしよう。話してくれるだけで良かったのに。どうしよう。私は陽基君と一緒になって大丈夫なのかな?決断。一緒。陽基君、一緒。決断。決断….。
頭が真っ白になってきた。自然と涙が出てきた。昔をずっと思い出す。私は綺麗な顔立ちでずっとみんなから言い寄られた。私はとても明るくて何でも器用にこなして来た。みんなが私を見ていたのに。陽基君だけ違う。自分のことだけ集中して、話すときに真剣だった顔が一気に笑顔になる瞬間。あの顔がいつも思い出される。私はずっとずっとそばにいたい男の人。私は絶対に取られたくない。だから大学も一緒。学部も一緒。勉強についていくのは辛かったけど。仲が良かった。たまに声をかけるとニコニコ笑顔で笑ってくれる。私はそれだけで幸せな1日になった。
決断できない。私は陽基君の真剣な顔が好きだけど怖い。真剣な顔。私が落ち込んでいる時に、真剣に私に言って来た。
「僕は麗奈ちゃんと一緒に勉強頑張ったよ。僕、ずっと麗奈ちゃんに話してきた。僕は絶対幸せにするから。だから、麗奈ちゃん、僕が必ず迎えにいくから。だからそれまで待ってて。」
陽基君の決断。お父さんの事業を拡大していろんな業種の経験を積んで会社を押し上げていくんだって。だからお父さんの会社を大きくするために修行してくる。
そう言って、印刷会社だった会社をどんどん営業拡大でいろんなツールを使って最新のトレンドを発信するために印刷会社をインターネット広告を使った様々な商品を紹介していく広告代理店に生まれ変わって、事業を手助けする法人を作って、私の陽基君になるために、ここまで頑張ってこれた。
あとは私の決断。決断。
「麗奈ちゃん。」
「うん….。」
「信じてついて来て。必ず大丈夫。」
「うん…。」
「麗奈。陽基君に行きなさい。私たちは何も言わないから。」
「うん。麗奈、言いなさい。それで良いからね。」
「…..」
「麗奈ちゃん、僕は頑張ってこれたのは何でか知ってる?麗奈ちゃんは大事な時にいつも連絡くれたんだ。僕ね、大事な時にいつもミスするような人間だった。だから、麗奈ちゃんがいつも決断する時に守ってくれたの、覚えてる?自分に自信ない時に麗奈ちゃんがいつも言ってたこと。私、間違ったことしてないから何言われても大丈夫だから。って。いつもどうしよう。って時に麗奈ちゃんの会話の最後に僕は間違ったことしてないから大丈夫。って会話してたの、覚えてる?僕ね、大事な時に大切な時に。いつもいつも。麗奈ちゃんに連絡してた。そしたら軽くそれで良いよって。間違ってないんじゃない?って言ったよね。麗奈ちゃん、僕は間違ってないかも。どうする?間違ってるかな?」
「ううん….」
「それじゃあ僕、間違ってないから。大丈夫になったよ。良い?麗奈ちゃん。」
「うん。」
「麗奈、麗奈。おめでとう。」
「迎えに来てくれたぞ。良かったな。麗奈。」
「うん。」
「麗奈ちゃん。」
「うん、間違ってなかった。良かった。私、不安だったけど良かった。」
私はずっとこれで良いのかな?良いのかな?間違ってないかな?不安な私は、ずっと自分に対して厳しい顔してる陽基君を見ている。陽基君のことばかり考えている時は自分に自信がない時。不満がない時にいつも陽基君から連絡が来る。いつも冷静で厳しい顔の陽基君の顔が見えるように感じた。でも私は気軽に何も考えず、でも陽基君の顔を想像してた。最後にはいつもの陽基君の顔。いつものニコニコした顔。今は…….うん。笑ってる。私の好きな顔。ニコニコしたまま二人で泣いてる。良かった。私は間違えなかったみたい。私はこれで良いのかな?私は陽基君で良いのかな?私は幸せになれるのかな?自信はどこにあったのかな?うん、わかった。陽基君が私の自信。ニコニコした笑顔が私の1番自信がある時の顔。
私は自信はずっと陽基君。大丈夫。私は間違えなかった。悪いことなんかずっとしてない。私は絶対に笑顔で間違えなかった!
麗奈ちゃんがずっとどんな気持ちになりながら陽基君を支えていたんでしょうか?何で厳しい顔がスッとニコニコ顔に変わったんでしょうか?陽基君の心をずっと支えていたんでしょうかねー⭐️




