↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
帰る場所は海の底  作者: cat-run
第五章 手記の記憶

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
50/68

第四十九話 刺客

第五章 手記の記憶

       第四十九話 刺客


「なんだ!」


「とにかく行ってみよう!」


そう言うなり、声のした方向へブラインは勢いよく駆け出していく。タコ郎もその後を追いかけた。


路地に入り、再び広場へ抜ける。


そこに広がっていたのは、凄惨な現場だった。


辺りには血溜まりができていて、海衛団の隊服を着た隊員が数名、血を流して倒れていた。


少し離れたところには、住民らしき女性が尻餅をつき、怯えている。


そして何より、血溜まりの中に、一つの人影がゆらゆらと揺れていた。


「おー、来たのか。俺の獲物が」


人影がこちらを向く。


二十代くらいの男だ。ニタニタと不気味な笑みを浮かべている。


「ここの連中は、良くも悪くも仲間思いだな」


「くそ、何だお前は!」


ブラインが怒鳴りつける。


「ブライン、相手は格上だ。感情に支配されるな」


タコ郎が横から耳打ちする。


「俺様は地底国皇帝のお膝元、クラックだ」


「地底国皇帝のお膝元? 何を言っているんだ」


「そうか、聞いたことがないのか。それは残念だ。君らにこの称号を見せても、まさに豚に真珠といったところかな」


「全く、ごちゃごちゃとよく喋るな。俺は口下手だから、その口少し貸して欲しいぜ」


タコ郎が会話に割って入る。


「お前らの目的は何だ」


怒りを抑えながら、ブラインが尋ねる。


「目的? そんなわかりきったことを……。海衛団の殲滅に決まっているじゃないか」


「やだ、やだ……。助けて……」


女性が声を震わせて助けを求める。


「悪いけど、無関係な奴の生死はどうでもいいんだ。でも鬱陶しいし、消えてくれ」


そう言って、先端の尖った土でできた針を女性に向かって勢いよく発射する。


瞬時にブラインが水でギザギザした円形のカッターを作り出し、土の針にぶつけた。


土の針とカッターは見事に衝突し、ハラハラと崩れていった。


このブルーカッターは、ブラインの得意技だ。


「やるね」


それでもクラックは、余裕そうな笑みを浮かべている。


「ブライン、女性を救助して安全な場所へ運んでくれ。俺が何とか持ち堪えて見せる」


「ちょ、タコ郎!」


そう言うなり、タコ郎はクラックへ向かって飛び出していく。


五本の指が伸び、巨大な触手へと変貌する。


「うおおおお!」


叫び声とともに、クラックとの近接戦になる。


触手を唸らせて攻撃を仕掛けるが、スルスルと避けられてしまう。


クラックは楽しそうに笑みを浮かべながら、触手を退けていく。


「ははっ! タコと戦うのは初めてだ!」


触手が地面を打ちつけ、地面が砕け散る。


クラックはその直前に空中へ飛び上がり、攻撃を回避する。


それと同時に、砕け散った地面の破片を蹴散らしながら、タコ郎へ向かってくる。


タコ郎はすかさず触手でガードする。


しかし――。


ガードした触手に激痛が走る。


クラックが土で作り出した土の剣が、触手に食い込んでいた。


「何だこれ⁉︎ ブニョブニョして斬りづれー!」


タコ郎は完全に断たれる前に、触手でクラックを遠くへ弾き飛ばす。


「くっ! 今度はこちらから行かせてもらう!」


その言葉とともに、クラックとの距離を一気に詰める。


すかさずクラックは土の剣をタコ郎めがけて振りかざすが、タコ郎はぬるりと回避する。


そのまま剣の連撃が繰り出されるが、それもぬるぬると避けていく。


そしてついに、隙を突いてクラックの腹に触手の一撃を喰らわせる。


「さっきのお返しだ!」


「ガハッ、そりゃご丁寧に!」


攻撃を喰らってもなお、クラックは笑い続けている。


クラックはすぐに態勢を立て直す。


だが、その瞬間――。


クラックの腕が切断される。


「これはブルーカッター!」


「お待たせ! タコ郎!」


それは、待ち望んでいた親友の声だった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。