↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
帰る場所は海の底  作者: cat-run
第四章 深海突入

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
43/68

第四十二話 残されたのは

第四章 深海突入

       第四十二話 残されたのは


「なんで、ポートが……」


 一瞬、聞き間違いかと思った。


 一体、どういうことだ?


 あのポートが……?


「だって、そんな素振り、一度も……」


「兄ちゃん、気持ちは分かるが、いったん落ち着こう。今、第三部隊が捜索にあたっている。第二部隊にも協力を要請している」


「カイくん、隊長の言う通り、まずは冷静になりなよ。君も僕も、その傷を治すところから始めないとね」


「ラートルさん……」


 カーテンが掛かっていて気づかなかったが、隣のベッドにはラートルが横たわっていた。


「ラートルさん! よかった……。助けていただいて、ありがとうございました」


「副隊長が隊長の指示に従うことも、隊員の身を守ることも当然のことだよ。それに、あの状き――」


「さて、問題はこれからどうするかだ」


 タコ郎が割って入る。


 いつものことすぎて、もう何も感じない。


「このまま第三部隊で活動するのもいいが、君たちには他にやることがあるはずだ」


「やること?」


「治療後、カイくんとノースくんは、一度休養も兼ねてアンカーへ戻ることをお勧めするよ」


「え? 戻るって、まだここに来て十日ですよ?」


「まあ、そうなんだが……ここにいても、部隊の復旧までには時間がかかる。第一部隊も第三部隊も、酷いダメージを負った。しばらく、深海の探索は不可能だ」


「これからの行き先のヒントとして、第二部隊に行ってみるのがいいんじゃないかなと、僕は思う」


「第二部隊ですか?」


「あそこは人手不足が日常だからね。喜んで入隊を受け入れてくれるはずだよ」


「そんなに部隊をコロコロ変えていいんですか?」


「あまりいいことじゃないけど、プロテウス様なら認めてくれると僕は思うよ」


 第二部隊……。


 南東、南西エリアという広範囲で活動している部隊だ。


「あそこは、海衛団の二番手が隊長をやっている。少し捻くれてはいるが、いい知恵を授けてくれるはずだ」


「ありがとうございます。少し考えてみます……」


 やはり、二人の言う通り、一度アンカーへ戻るべきなのだろうか。


 マールは元気だろうか。


「先輩! このイワシバーガー、めっちゃうまいっすね!」


 あのポートが、裏切った。


 そんな事実を、受け入れることはできなかった。


* * *


 数日が経ち、傷の痛みも和らいでいった。


 普通に歩けるまでに回復したカイは、ノースのもとへ向かっていた。


 ノースは自分よりも酷い状態らしく、まだ動くことができないらしい。


 それでも、話さなくてはいけない。


 ポートのこと。


 そして、これからのことを。


 病室の扉をノックする。


 第二拠点の病室は二つに分かれており、重症患者の部屋と軽症患者の部屋に分けられている。


 目の前の扉は、重症患者用の病室だ。


 扉を開ける。


 中には、包帯を巻いた重症患者たちがベッドに横たわっていた。


「ひどい……」


 その中に、ノースの姿を見つける。


「ノース、調子はどうだ?」


 思いのほか外傷は目立たない。


 しかし、それでも見るからに元気がなかった。


「カイ……。話は聞いてるよな」


「ああ。大体は……」


 しばらくの沈黙が流れる。


 こういう時、何を話せばいいのか分からない。


「カイ、俺はポートを信じている」


 ノースの口から、思いもよらない言葉が告げられた。


 あれほど憎んでいた地底人と、ポートが繋がっていたというのに……。


「ポートの言葉が、妙に引っかかっていたんだ。『あとは神頼みしかない』って」


「神頼み?」


「ああ。その違和感を、隣の隊長に話したら、とある場所の名前が出てきたんだ」


「海底神殿だね」


 突然、隣から声がした。


 驚いてそちらを見る。


 そこには、緑色の髪をした若い男性が横たわっていた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。