095 帰路
アクセスありがとうございます。
話し合いが終わり、運んできたレアメタルを適正価格で売り払った後、適正価格でこの星で作られている嗜好品……お酒を積めるだけ積んで、開拓惑星を離れることになった。
何で適正価格にこだわるのかと言えば、何かあった時に明らかに高い金額で売買されていると、癒着を疑われるため、連座で責任を取らなければならなくなることがあるからだそうだ。
特に、俺のようなペイロードが少ない船を使っている場合は、巻き込むために明らかに不自然な値段で売買が行われることがあるのだとか。
一時のお金のために後々まで響く不釣り合いな取引は、正直割にあわないのでセバスとメイのファインプレーだ!
それにしても、この世界の娯楽というか嗜好品はお酒が多いんだな。違法ではあるが、ドラッグも出回っているのは、別枠だろうな。コロニーでは吸えないが、タバコも嗜好品の枠だな。
タバコに関しては、吸える場所が限られているという事で、希少性が高くお金持ちに向けた嗜好品のような感じかな。
セバスたちの話では、この世界でタバコを吸っても問題がないそうだ。タバコを吸えるような富裕層であれば、定期的に受ける健康診断の際に、タバコで受けた影響を除去できるそうだ。
タバコで悪影響を受けるのは、宙賊や規則に従わないギルド員くらいだそうだ。
リアルの世界から、何百年何千年先の未来では、こんなことも可能なんだな。
そんな世界でも、ドラッグ……麻薬の影響は取り除けないようなので、麻薬を広げる人間たちは、宙賊と同じレベルの罰を受けることになるそうだ。
宙賊は宇宙船で爆死することの方が多いので、捕まる割合で言えば、麻薬関係者の方が多かったりするようだな。絶対数の違いで数にすれば死ぬ数が多くても、宙賊に軍配が上がるようだ。
あらかた話を聞き終えたところで、ショートジャンプ開始予定地に着いたので、いつものようにショートジャンプを行う。
ここへ来た時とは違うゲートを使うのでコースは違うが、今から通るコースは他のエリアより宙賊が少ないようなので、今回はさすがに出会わなかった。
とはいえ、3つはゲートを通らないといけないので、それなりの時間がかかって首都星に到着した。
道中はいたって平和だったので戦闘訓練をしてみたり、操船訓練や射撃訓練もしてみた。
戦闘訓練は、壊滅的に才能がないというわけではないが、強化外骨格を動かす方が圧倒的に楽だった。強化外骨格は、一応アシスト機能があるので、イメージ通りにある程度動かせるんだよね。
どう考えても、生身の方が動かしやすいだろ! とは思うのだが、マルチギアで繋いでいるおかげかアシスト機能を用いると、格ゲーのようにコマンドで動かせる感じと言えばいいのだろうか?
格ゲーで言うボタンがイメージなので、応用がかなりあるという感じだな。俺が強化外骨格での戦闘に困らなかった理由は、マルチギアを介したこのイメージのおかげなんだろうな。
とはいえ、マルチギアを介したアシストではプリセットされた行動しかできないので、パワーアシストだけの戦闘の方が応用が利く形になっている。
船の操船も体の操作も、セミオートよりマニュアルの方が最終的に強くなるという事だな。
操船・射撃訓練に関しては、スコアが上がってきている。まだ始めたばかりなのでこの辺は当たり前なのだが、ある程度のスコアを叩き出すようになったので、射撃訓練の方には新しいプログラムが追加された。
新しく追加された射撃訓練のプログラムは、どれだけ短い時間で目標を壊せるかというモノだった。
今までの一発一的に対して今回は何発撃ってもいいので、とにかく早くすべての的を撃ち抜くことだ。
全く逆のコンセプトによる訓練だった。
1回目のチャレンジでは、一発一的の3倍も時間がかかってしまった。
一発一的では、90%近いスコアを叩き出しているのに、全弾命中の時間勝負となると何故か時間が3倍になってしまったのだ。
時間をかけているつもりはないが、原因の1つは見返す前に分かっていた。
破壊判定まで確認してから次の的をターゲットしているため、必然的に時間がかかってしまうのだ。
全部壊すという条件を考えると間違いではないのだが、破壊判定を見てから次に移ると、最低でも倍近い時間がかかるのだ。ちなみにこの訓練は、一発一的の95%命中の際の時間に対して、5割増しの時間が最低ラインになるらしい。
トップランカーともなれば、これが2割以下が当たり前になってくるそうだ。
でも、ランカー同士の戦闘で、こんなに連続で射撃をするところを見たことがない。それに、同じクラス……1つ下のクラスだったとしても、ここまで連続で撃てばエネルギーが足りなくなるのだ。
そこらへんはどうなっているの?
そんな疑問を投げかけてみると、
「同じクラスの場合ですと、軍艦でも多くて4隻までの相手が限界でしょう。バウンティーハンターでも多くて3隻、マージンを取るなら2隻という所でしょう。
敵が仮に3隻として、射撃訓練で95%以上のスコアを持っているトップランカーであれば、動いている宙賊船でも80%は当たると見て問題ないと思います。
この場合、バウンティーハンターの船の武装であれば、1隻に対して2発撃てばほぼ撃破できると考えられます。それなら射撃は6発で済みます。同クラスの宙賊船であれば、間違いなく沈むでしょう。
ご主人様の船のように、船のサイズに合っていない武装ではないので、バウンティーハンターの武装であれば、10発は主砲を撃てるでしょう」
そこで話を区切られた……
3隻に対して、チャージなしで10発撃てるなら……相手の武装次第だけど、問題なく倒せるか……だけど、今回の訓練と何の関係が? 的は増えていて50個設定なので、何の関係もなくね?
「よく考えてください。バウンティーハンターの船は、クラス3かクラス4の小型が多いと言われています。それに対して宙賊は、クラス2~3の船が中心です。そして数で攻めてきます。
では、ご主人様の用意している船は?」
確かクラス5の船だ。
「そう、クラス5なんです。主砲以外にも、この船にはクラス4相当の主砲も副砲として積みます。クラスが下の船であれば、連続で撃てる射撃の回数もそれに応じて増えます。そのための訓練です」
何となく理解した。
今はクラス2の船にクラス4相当の主砲なので、格上も倒せるがエネルギー容量の問題で、連射があまりできない。だけど、乗り換えた後であれば、主砲と副砲で連射するのも問題ない。
もっと言えば、クラス4の武装に関しては、生命維持機能とシールドのチャージ、武装のエネルギーにのみ割り振られるので、今より安定して回数を撃てるようになり、エネルギーチャージも早くなる。
まぁ、回数を撃てるようになるけど、それが今回の訓練とどう繋がるか理解できていない。
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