096 射撃って難しい
アクセスありがとうございます。
「訓練で使っている的のように、25や50のようにバカげた数字の宙賊船を相手にすることはありませんが、10~15隻は最大数としてみれば、戦う可能性は高いです。
チャージなしで、20発撃てたとして、1隻につき2発撃って10隻を沈めます。クラスが下であれば、5隻くらい余裕で凌げるでしょう。凌いでいる間に武装のエネルギーをチャージして、再度攻撃すれば終わりです。
それなりに賢い宙賊であれば、10隻も落とされる前に撤退するでしょう。
今回の訓練は、複数発撃って次のターゲットを狙うという、格下相手の戦闘訓練です。同クラスで同じ装備でも、複数発当てれば撃沈可能です。同じクラスの武装とシールド同士であれば、3~4発は必要になるでしょうが……
そういった時の訓練でもあるんですよ」
ここまで言われて、やっと理解できたよ。
訓練なのでエネルギーの制限はなく、精度だけをあげるものだ。どんな時でも、連射できるようにしておけば、宙賊を相手にした時も、プレイヤーを相手にした時も使える技術というわけだ。
一発一的の射撃訓練をAで、とにかく早く撃破する射撃訓練はBだとすると、射撃訓練Aは命中率を上げる訓練で、射撃訓練Bは撃破率を上げる訓練ということだな。
メイからの説明を受けて、やっとこの訓練の意味が分かった。
射撃訓練Bは射撃訓練Aの延長上にある訓練だという事が理解できた俺は、射撃訓練Bのやり方を間違えていたことに気付けた。
スピードを重視するなら、ターゲット撃破を確認してから次のターゲットに合わせるのは間違っている。複数発撃ってターゲット撃破を確認せずに、次のターゲットを撃つという行動がこの訓練の最適解だ。
複数発撃っても撃破できなかった場合は、最後のターゲットを撃破してからかターゲットに近かったら、撃破できなかったターゲットを再度狙うのが正解なのだ。
射撃訓練AとBと分けたが、根本的な射撃は変わっていない。
しっかりと船を止めてから撃つ。
止めてから撃たなければ、当たるモノも当たらなくなるのは、今までの訓練で分かっている。
まぁ、メイとセバスくらいの演算能力があれば、慣性も計算して撃つことが可能だろうが、少なくとも人間に100発100中は無理である。もしできる人間がいるのなら、それは計算とかではなく第六感によるものだろう。
このゲームでは、しっかりと船を止めないと慣性やら何やらで、弾が真っすぐ飛ばないのが当たり前だ。FPSでも、動きながら撃つと初弾から明後日の方向に飛んでいくゲームもあったな。
原理は違うだろうが、考え方としては近いのかな?
もっと言えば、このゲームの射撃はミサイルなどの誘導弾以外、狙い通りに真っすぐ飛んでいるが、船の動きに影響されて狙いから外れてしまうのだ。
些細な範囲であれば、船の射撃AIが修正してくれるが、それを少しでもオーバーすると狙って撃っても当たることはまずない。
正直なところ、完全に制止するなんて不可能に近い。そこらへんは、ゲームの修正力でなんとかなっていると思っている。
初めて3日目の俺でも、何とか止まった状態での射撃であれば、的に当てられるようになっているので、ゲームというか射撃の補正AIだかプログラムが優秀なのだろう。
そんな内部のことを考えても射撃は上手くならないので、2回3回と射撃訓練Bをこなしていく。
気付きのおかげで、射撃訓練Aの倍までは時間がかからなくなったが、当面の目標である150%以下の時間にするのは先が長そうだ。
10回ほど射撃訓練Bを行うが、命中率が良くない感じだな。
いったん訓練を切り上げると、メイからこの2つの射撃訓練は基本中の基本ですから、できるようになった後にも違う訓練があります……と言われた。
射撃訓練には大きく分けて、静止状態と静止状態、静止状態と動いている状態とその逆、両方とも動いている状態の4つがあるのだとか。
俺は、まだ1つ目の射撃訓練をしている状態なので、先は長そうだな。それだけ奥が深いってことでもあるか。
見て学べることもありそうだったので、参考になりそうな動画を検索しておいてもらうことにした。公式が推薦する動画とかもあるようなので、暇な時間に見るのがいい気がする。
到着まで、現実時間で1時間半はあるようなので、この時間に風呂にでも入ってしまおうと考え、メイとセバスに船を任せて、俺はログアウトすることにした。
お風呂に入る際のお供に、3世代くらい前の防水タブレットを持ち込み、メイにオススメされた射撃訓練の動画を見ながら入った。
1本2分ほどの動画なのだが、俺が射撃訓練Aと呼んでいる訓練の動画では、見た8本中8本すべての動画で命中率100%だった。
動画は見栄えが命で、このゲームにおける射撃訓練の動画で、100%でないのは価値がないモノだとされているから、それはそれは当たり前なのだろうが、このアップ主たちは10回中7回は100%を取っているのだとか。
失敗した3回も的を1つ外しただけなので、俺から見れば格上の存在だな。
成功した中で一番見栄えが良かったものを、解説動画のようにしてアップしてくれているので、理論的に分かりやすくて参考になった。
いくつか見ていく中で、今まで気付いていなかった射撃のコツが存在した。
射撃訓練Aでは、動かない規則的に四角く配置された的を、渦状に撃っていて気付けなかったのだが、動画の説明を聞いて射撃訓練Bで外した的を再度狙う時の命中率が、すこぶる悪かった理由が分かったのだ。
x軸もy軸もあっていない標的を狙う際に、標的まで直線で動かしていたのだが、これが間違いだったのだ。
両方の軸がズレている場合、スラスターの制御する数が倍以上になるのだ。
射撃訓練Aでは、x軸かy軸が揃っていたので、向かう方向のスラスターだけを吹かして、慣性を殺すスラスターを吹かせばよかったのだ。
x軸とy軸が揃っていない場合は、x軸を揃えるスラスターとy軸を揃えるスラスターを同時に吹かして、慣性を殺すスラスターを吹かしていたのだ。
それが、45度のラインなら同じ強さで吹かせばいいので、そこまで難しい操船ではないのだが、45度からズレている場合は、スラスターの強さが変わるため、その微調整をできるわけがなかった。
正しい方法は、x軸かy軸のどちらかを揃えてから、次の軸を揃えるのが正しいようだ。
2段階で調節する必要があるってことだな。
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