059 お前らまだいたのか
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首都星へ向かっている船の中、
「一応、ミサイルが高い事は知っていたけど、何でミサイルが高いんだ? ミサイルが特殊な金属で作られたりするのか?」
「一番の大きな理由は、使い捨てになるからですね。ミサイルに使われている金属は、特殊な物ではないですが、推進剤や爆発する素材が高くつくため、ミサイルは値段が高いんですよね」
「確か戦闘機のミサイルもかなり高かったよな……」
「地上で使われるミサイルとは違う意味で、宇宙用のミサイルは高いんですよ。資源がいくらあると言っても、使い捨てて敵船を爆散させるので、資源の回収もあまりできないということで、高く設定されているそうです」
地上と同じ値段だったとすると、1発数千万円って事だろ……それに比べれば今積んでいるミサイルは、そう高くないのかもしれないな。
主砲となる兵器は基本的に光学兵器になるから、メンテナンスをしっかりしていれば、かなりの年数使用することが可能なので、導入時は高いけど最終的なコストを考えると、安く上がるみたいだな。
ミサイルは、使い捨てで高い分、格上を倒すことができる兵器だから、いざっていう時に積んでおくのは、ありなんだと思う。
1回に1発とかではなく、数十発を撃ち込まないと撃ち落とされてしまうので、一度の戦闘で何度も撃てる兵器では無かったりするそうだ。
例外があって、EML(|electromagnetic launcher)……電磁投射砲……分かりやすく言えば、レールガンは話が変わってくるそうだ。
金属片を飛ばすだけなので、金属を加工できる装置を積んでいれば、自分の船で弾を作り出すことが可能だ。特殊な加工が必要かと思っていたが、技術の進歩で磁力に反応する金属なら、ほぼ撃ち出すことができるらしい。
弾の金属の種類は、貫通させたいか部分的にでも大きな破壊をしたいかで、素材を変えるそうだ。貫通させるなら硬い金属をとがらせて、衝撃だけを強くしたいのなら、先端を丸めた鉛とかが使われるそうだ。
ゲートを使ったジャンプが終わり、首都星へ向けてショートジャンプを行う。
ここらへんは俺が初めての仕事が終わって、帰ってきた時に使った宙域だな。ナビに、以前使った航路として表示されているから、俺でも知ることができた。
道路なら目印とかがあるから、来たことがあるかないかを判断できるけど、宇宙だと判断できないから、来たことがあるのかなって分からんよな。
ジャンプドライブにエネルギーを溜めていると……
「後方にアンノウンが現れました。アンノウンの主砲の射程範囲内だと思われます。シールド出力を上げ、後方を守ります」
セバスの報告で、俺たちの船は戦闘態勢に移行した。
「メイ、エンジンをしばらく吹かした後に、反転する。その時に集中走査を行ってくれ。それまでは、アンノウンのエネルギーに注目して、主砲が撃たれそうになったら教えてほしい。セバスは、シールドの管理と航路の設定、軍への連絡を頼む」
言い終わると同時にエンジンを吹かして、船の速度を一気に上げていく。動いたままの射撃は、止まっている時に比べて命中率が低いので、逃げるのであれば可能な限り動くのがいいとされている。
スラスターを使って軌道を変更しているので、照準を合わせにくいはずだ。規則的にならないように、コントローラーで操作していく。
アンノウンは、こちらを既にロックオンしていたのか、すぐに攻撃が始まる。
「アンノウンの主砲はクラス3のようです。船体もクラス3です」
少し安心できる要素だ。クラス4だとジリ貧になるが、クラス3が相手なら主砲もシールドもこっちの方が上だからな。
「2隻目のアンノウンが、頭上にジャンプアウト。1隻目の船体データから、アンノウン1はガイアファミリーの宙賊船だと判明しました」
ガイアファミリーって言うと、初めて遭遇した意味不明な宙賊だったっけな? なんであそこにいたのか分からない宙賊で、色々謎だった奴だけど……何でまたいるんだ?
首都星の宙域に宙賊がいること自体が不思議なのに、こちらの事を明らかに捕捉した状態でジャンプアウトしてきたよな……数ある宇宙船のなかで、ピンポイントで俺たちが再度遭遇する確率を考えたら、明らかにおかしいよな。
「アンノウン2は、船はクラス2でミサイルを撃てる船のようです」
「近寄らせたくないな……予定変更、アンノウン2に船首を向けて、主砲を撃ち込む。セバス、シールド管理頼むよ」
スラスターを使い慣性移動に移行して、アンノウン2に船首を向ける。狙って俺の船の近くにジャンプアウトしてきたけど、俺の船が想定より早かったので、射程範囲外なのだろう。こちらに向かって進んできている。
馬鹿正直に正面から突っ込んでくるなんて、撃沈してくださいと言っているようなもんだぞ。
出力を絞った主砲で、どの程度狙いがズレるか確認のために撃った。
「えっ!?」
まさかの撃沈。威力を絞ったから、クラス4の主砲だったとしても、沈むとは思っていなかった……船首を正面から撃ち抜いて、こちらから見るとぽっかりと穴が開いている状態だった。
そこから色々な物が噴出しているので、隔壁などが閉じられていないか、閉じていても被害にあっている場所が広いか、ナニカが大量に噴き出している。
「アンノウン2は、撃沈判定で問題ないか?」
「エンジンやジェネレーターの出力は変わっていませんが、コクピットまで砲撃が達しているので、もうコントロールは出来ないと思われます。あっ、ミサイルが誘爆したようです」
メイが話している間に、アンノウン2が爆散した。
よし、次だ次。
俺は慣性航行のままスラスターで、アンノウン1に船首を向ける。向こうも戦闘を生業としているためか、回避行動をとりながら接近してきている。
「アンノウンの主砲の威力では、こちらのシールドを抜けませんので、距離を詰めて滑り撃ちを提案します。エンジンを撃ち抜けば、鹵獲できますしそれなりの金額になります。宙賊から情報も得られるかと思います」
セバスの提案を受け、エンジンを最大出力にして、アンノウン1と正面から戦闘になるように移動を開始する。
どんどんと距離が詰まり、向こうの砲撃の命中率があがってくる。エンジンの出力を落とし慣性航行へ移る。スラスターで相手の側面に船首を向けながら、通り過ぎていく。
後ろに回ると、アンノウン1もスラスターで船体制御をしていたためか、ベストポジションで主砲を撃つことに成功した。
こんなに上手くいっていいのかと自分でも驚く程キレイに、エンジンを撃ち抜くことに成功した。
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