023 不良在庫の危険性と勉強?
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世界観が微妙に分かっていないので、この人が何歳なのかもわからないが、日本人の俺が見た感じ……40代の北欧系のおば……お姉さんだ。
おば、と思った瞬間に殺気のような物を感じたので、言い換えたのが良かったのだろう。殺気など何もなかったと言わんばかりに、余韻すらなくキレイに消えていた。
「すいません、依頼終了の報告に来ました。多分ですが、先方から連絡が入っていると思うのですが、依頼成功の達成金をそのまま仕入れに使っているのですが、連絡が入っているでしょうか?」
「少々お待ちください。えっと、ナインヘッド様ですね」
「あっ、ナインヘッドだと長いので、ナインって呼んでもらえると嬉しいのですが、呼称の変更ってできるでしょうか?」
「ナイン様ですね。分かりました、以後そう呼ぶように情報を入力しておきます。あぁ、軍の緊急依頼を受けてくださった方でしたか。依頼達成金で軍から嗜好品のタバコを購入されているようですね」
「自分の船は軍艦で運ばれていただけなので、いまいち依頼を達成した気はしないですけどね。それで、積んできた嗜好品のタバコなのですが、ギルドで買い取りか、買い取り場所を紹介してもらえないでしょうか?」
「特殊船倉なんて、持っている人たちは少ないですからね。本当にナイン様がいてくださり助かりました。それで、タバコなのですが……本当にギルド関係で卸してもよろしいのですか?」
「えっ? ギルドで卸すと何かまずいのですか?」
「ギルド関連の買取所とそれ以外だと、平均で2~3割ほど値段が変わってきますよ?」
「……それでギルドは問題ないんですか? 買い取りもギルドの収入の一部じゃないんですか?」
「一部ではありますが、メインは依頼の仲介ですからね。他にも、再資源化のスクラップも、基本買い取っているのはギルドですよ。それは良いのですが、本当にギルドでよろしいのですか?」
「連絡が入っていると思うのですが、元々の仕入れ値が仕入れ値なので、ギルドに売ってもかなりの利益が見込めるんです。それに、素人が何も知らずに買いたたかれるよりは、多少安くても確実な買い取りをしてくれるギルドがいいかと。自分で売る場所を探すのは、慣れてからですかね」
「軍の依頼を受けたということでしたが、初依頼でしたね。それなら、その判断は正しいかもしれないですね。嗜好品は買いたたくような業者も多いですから、安定という意味ではギルドは正解だと思います」
自分で探すことも考えたがメイに相談したところ、ギルドに売ることをお勧めされたので、ギルドへ卸すことにしたのだ。
「荷物を確認させていただきましたが、ただのタバコではなかったんですね。特殊船倉の必要なタバコであれば、他の所へ持って行っても最悪の場合は、相場の半額以下で買いたたかれてしまいますね。
保管できる倉庫が無ければ、リスク承知ですぐに売り捌く必要がありますので、下手したら買値より低くなることもあり得ます」
マジか! 首都星に持って行けば、黒字になるとか言ってたくせに、場所によっては赤字になる可能性もあったのか……全部信じるのもあぶねえな。
ん? これが分かってて、メイはギルドに売るように言ったのか?
チラッと見ると、にっこりと笑っていた。
メイの手のひらだったようだな。
言われてみれば、特殊船倉と同じ効果を持った倉庫って、そう多くはないよな。しかも嗜好品に使う業者なんて、更に数が少ないと思う。レアメタルや特殊な素材であれば、話は変わってくるだろうけどな。
「買い取り金額は、こちらになりますね。確認していただいて、問題なければ買い取りを行います」
提示された金額は、5000万クレジットを少し超えたくらいだった。軍からの依頼の達成金が500万クレジットで、それで買った事を考えれば、本当に10倍になったな。
手持ちが一気に50倍になった。
今更だけどさ、船ってどのくらいの値段がするもんなんだろうな。後で調べてみよう。
「問題ありませんので、これで買い取りお願いします。船にセバス……アンドロイドがいますので、荷物の受け取りはすぐにでも可能ですので、よろしくお願いします」
「了解いたしました。ナイン様の船に、セバス様とメイ様が乗員として登録されていますので、アンドロイドと言い換えないでも問題ありません」
ほえ~アンドロイドにも様をつけるんだな。陽電子頭脳を持っているアンドロイドは、人権もあるらしく投票も可能だとか。機械生命ってか?
「了解しました。えっと、出来れば続けて依頼を受けたいのですが、何か向いている依頼はないでしょうか?」
「少々お待ちください。クラス1ほどのカーゴでは、さすがに依頼は無いですね。もっとまとまった量を運べないと、輸送系の依頼は受けられないですね。
戦闘系は……クラス2の船体にクラス4の武装ですか。それでしたら依頼ではありませんが、宙賊の討伐とかいかがですか? 帰り道に3隻ほど沈められているので、後日懸賞金が入ると思います」
一度でも宙賊として活動したことがある船だったら、船のネットワークを通じて懸賞金が出されるようだ。一律で5万クレジットらしいが、ネームドと呼んでいる札付きになると、値段が跳ね上がるらしい。その分危険も大きくなるが、そこらへんは自分たちの船と腕次第ということだ。
「いずれはしてみたいですが、さすがに戦闘訓練もできていないし、どうやって探していいのか分からないので、今度にしようかと思います」
「そうですか……送られてきたデータを見る限り、札付きではない宙賊2~3隻なら、問題なく撃沈できると思いますが……新人さんですから、探し方も分からないですか。では、有料になりますが、訓練プログラムを受けてみますか? 探し方のレクチャーもしてもらえますよ」
おぉ、これぞチュートリアルか!? でも、金かかるのね……
「そこまで高くないので安心してください。引退した戦闘艦乗りが教習するので、教習代をいただく形です。金額は5万クレジットですが、いかがいたしますか?」
「それは1人で受けるものですか? 複数で? メイも一緒に受けることは可能ですか?」
「今回の場合であれば、マンツーマンが基本ですね。メイ様はナイン様の船の乗員ですので、一緒に受けられても問題ありません。ご希望でしたら、今すぐ教習を受けられますが、いかがいたしますか?」
メイも一緒に受けられるなら、後で復習もできるしセバスと共有も可能だろう。5万だったら受けても支障がないから、受けておこうか。
5万で経験者から話を聞けて、訓練もしてもらえるなら、反対に安いのかもしれないな。
即決で受ける意思を伝えると、準備をしたら呼んでくれるとのことで、少し休憩する時間ができた。
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