024 教習Part1
アクセスありがとうございます。
少し暇な時間ができてしまったな。
メイと一緒にギルドに併設されている喫茶店……というよりは、酒場へ入っていく。宇宙にいる人間には昼夜は関係ないので、飲んでいる人たちはいるが、荒くれ者という感じではなく、見た目は多少いかついがマナーを守っている。
偏見だろうけど、こういう荒事をやっている人間って、粗野な感じの人が多いと思っていたから意外だな。
それもそのはずだ……傭兵だけでなく、ポーターだっている。それにギルドに併設されているから、変なことで騒げは一発退場である。
少しマナーが悪いやつらはこういう場所ではなく、自分たちのたまり場にしているところや、食料や酒を買い溜めして自分たちの船で騒ぐようだ。
たまり場になっているところからしたら、迷惑だろうな。自分たちの知り合いの店だったりするのかね?
そういえば、ダイブ中でも酒が飲めるのか。ちょっと試しに飲んでみようかな?
「ご主人様、訓練を受ける前ですので、さすがにお酒は止めた方がいいかと思います」
言われてみれば、ゲームで遊んでいるつもりではあるが、この世界では1人の人間ナインヘッドだったな。それなのに興味本位で酒を飲んで、指導してくれる人に変な印象を持たれるのは良くないよな。
お腹が減っている気はしないが、ゲージで空腹度が分かるので、食事は摂っておこう。
以前はダイブ系のゲームでも、本当に空腹も感じるように作られていたらしいが、ダイブ中に空腹を感じて、リアルはお腹が空いていないのに、ログアウトしても空腹を感じている錯覚を感じて、過食してしまう人が多く出たため、排除された機能だ。
その逆で、リアルで空腹を感じてゲームの中で沢山食べることで、空腹を紛らわすダイエットをする人もいたため、今は過食や拒食の治療に使われているらしいが、結果は良く分かっていない。改善したケースもあれば、そうでないケースもあるため、今は希望者に実験的な形で協力してもらっているらしい。
そんなことを考えていたら、館内放送でお呼びがかかった。
指定された場所へ向かうと、
「お前さんが、ナインか? 俺は教官のダールトン軍曹だ。軍曹と呼んでくれ。一応確認だが、訓練を受けたいって事でいいんだよな?」
「はい、依頼の帰り道に襲われたので、セバスとメイの力を借りて撃沈しましたが、宙賊に関して無知ですので、どういう風に探して、どういう風に対応するのがいいのか、教えていただきたいです」
「了解した。じゃぁ、こっちの部屋でお前さんの船を再現したシミュレーターがあるから、それを動かしながら説明をしてやる。行くぞ」
連れられて入ったのは、コックピットを模したような部屋だった。
「お前さんの所と多少違うのは我慢してくれ。操縦はコントローラーでしているという話だが、間違いないか?」
疑惑の様子で聞いてくるので、肯定するとさらに困惑した表情になっている。どういうことか尋ねてみると、
「いやぁな、コントローラーで操船する奴は珍しいからな。ホントかどうか疑問に思っちまったってことだ。それで動かせるなら問題ない。どれくらいの操船が可能か見たいから、動かしてみてくれ」
俺が動かし始めると、思ったよりスムーズに動かせているなとか、ランクの割に武装やエンジン等が異常に強力だなとか、軍曹がブツブツ言っている。
10分程動かすと、止めるように言われた。
「基本的な操船は問題ないようだな。今度は撃ち合いをしてみよう。相手はクラス2の宙賊船だが、武装はクラス1相当がメインだが、ミサイルもあるので注意するように」
相手の情報を教えてくれるのか……訓練になるのかそれ?
「疑問に思っているかもしれないが、今回はどのくらい撃ち合えるかを確認するためであって、マルチに対応できる能力があるかの確認ではないから、武装の情報を伝えているだけだ」
ミサイルは、シールドを飽和させる能力が高いから、注意が必要だったな。特にドックファイトになった際の、近距離でのミサイルは危ないから気をつけろって、マーレン中尉が言ってたっけ?
お互いの戦闘距離ギリギリ外から戦闘が始まる。
あれ? 射程は向こうに合わせているみたいで、一方的には撃てない内容になってるな。
攻撃可能範囲に入ると、さっそく宙賊船が攻撃を仕掛けてくる。
エネルギー反応が高まったので、回避行動をとった。機械によるランダム回避でもいいのだが、見せすぎると解析されて、効果が無くなってしまうので、自分で回避できるときはした方がいいと、これもマーレン中尉が言っていた。
進行方向はそのままに、船のサイドスラスターを使い移動する。距離はどのくらい離れているのか分からないが、肉眼で視認できる距離を優に超えている。
カメラやレーダーを使い照準しているが、これだけ離れていると少しズレただけでもそう当たるものではない。
一応当たるまでのラグを計算して撃ってきているが、射程距離ギリギリでは当たるものではない。
そう考えると、メイとセバスの連携で、射程ギリギリの宙賊船を落としたのは、本当に凄い事なんだな。
ゲーム的発想で言えば、何発かは相手を誘導させるための射撃で、最後に本命を叩き込むというところだが……
相手の砲撃を躱しながら、砲撃のエネルギー調整をする。
3発目までは、50パーセントほどの出力で、4発目が100パーセントになるようにした。
できるだけ俺の船の正面に移動するように、外へはずれるような射線で3発続けて撃ち込む。移動の方向を見て4発目を撃とうとしたら、シミュレーターが止まった。
どういうことだ?
「あ~、牽制で撃った2発目が、エンジンにかすって止まったな。クラス2の武装だったら、牽制で済んだがクラス4相当の武装だったら50パーセントでも、かすったらアウトだな。
それにしても良くコントローラーで、そんな精密な動きができるもんだな、感心するぜ」
スティックとかハンドルとかだとさ、操船はしやすいかもしれないけど、その他の動きをする時にボタンとかで操作することになるだろ? そう考えれば、コントローラーの方がボタンがたくさんあって使いやすくないか?
そんなようなことを軍曹に言ったのだが、
「ボタンというが、コントローラーよりパネルの方が多いだろ」
そういうことじゃないんですよ、教官! そのパネルには普段使わないものもありますよね? なら無いものと考えて、必要な時はパネルで押せばいいじゃないですか。
戦闘において必要な行動をとる時は、コントローラーで問題ないんです。だって裏のボタンと同時押しのような設定をすれば、通常24個のボタンが倍々で増えるんですよ!
「それでも、ボタンの押し間違えとか危なくないのか?」
確かに危ないですけど、俺が設定しているのは72個なので、問題ないですよ。72個と言っても全部割り振っているわけではないし、裏のボタンを使う時は、通常の操船ではできないことをするためなんだよな。
まぁそこらへんは、説明しても分かってもらえないので、次へ進むようにお願いした。
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